朝はおにぎり

朝はおにぎり

最近の記事

SAKEROCKとわたし

私とサケロックの出会いは、コロナ禍でした。 緊急事態宣言が発令され、この後仕事はどうなるのか、 コロナに自分が罹患したらどうなるのか、何もかもが分からず不安でした。 それでも職場に出勤しなければならなかったあの頃。 オンラインでも仕事ができるようにと、急に苦手な配信にも取りむことになり、分からないことだらけで、悲しくて心が折れそうになる日が続きました。 そんなときに出会ったのがサケロックの「慰安旅行」でした。 南国を思わせるようなイントロと、途中からアップテンポになるドラ

    • 無心

       新年度早々午前中の会議に参加すると、急に、カードをラミネートし、大量に切り取る作業が課せられた。 「単純作業だし、まぁすぐできるでしょ。」とたかをくくっていたのだが、 恐ろしいことに、1台しかないラミネーターがストライキを起こした。 「ういーん・くちゃくちゃ きゅるきゅる(バックする音が・・)  ういーん・くちゃくちゃ・・・」 機械は怪しげな音を立てて、全ての原稿をくちゃくちゃにしはじめ、私は作業開始早々に時間泥棒された。 仕方が無いから、原稿を印刷し直し、 別の部署のラミ

      • 日常を生きる

        私は、日常の生活音を聞くのが好きだ。 音楽もラジオも大好きなので、絵を描いたり家事をしながら聞くことは多いのだが、時々それら全てをシャットダウンして、窓を少し開け、ぼーっと窓の向こうから聞こえてくる音に耳を澄ますことがある。 私の家の前には、音好きな私に都合良く、小さな公園があるのだ。 ブランコと滑り台しかなくて、猫の額ほどの広さだが、 毎日入れ替わり立ち替わり、色々な人がやって来る。 春休みシーズンの昼間は、連日子供たちが賑やかに遊ぶ。 「もうお前は包囲されている!」

        • 母と愛の話

          母は、色々忘れ始めている。 私のことも 弟のことも 母は、不器用になっていく ボタンを留めることも 服を着替えることも 料理を作ることも どんどん できなくなっていく 母は、軽くなっていく 握った手が細く軽く  支えた肩が薄く柔く 母は、寝ることが多くなっていく 0時に寝て 4時に起きて 8時に寝て 12時に起きて 生まれたての赤ちゃんのように 喉が渇いたと夜泣きする でも、父のことは忘れない 父には怒る 父を夜中に起こす 「こんな色の服私は着ない」と、なぜか今まで着

          父と母のこと

          最近は料理の作り方も忘れて、赤ちゃんのようにすぐ眠くなり、 寝ると記憶がリセットされて、いつも新鮮に新しいことを感じるようになった母。 私の子供の頃は、風呂に入るときのパンツすら母に持ってきてもらい、 家事は一切やらなかった父は、 今そんな母の食事を作り、身だしなみを整える。 近い将来、二人とのお別れが来ることは自然の摂理。 その存在も記憶も、いつかは消えてしまうけど 星野源の「光の跡」を聴きながら、ふと少しだけ残しておきたいと思った。 子供の頃、父はすぐ怒る人だった。

          父と母のこと

          映像に残さないということ

          私の長年の推しである寺尾聰さんは、日光東照宮での特別ライブやビルボードなど、かなり公式の場のライブでも映像を残したがらない。 ファンとしては、参加したライブであっても、映像で振り返りたいから、残してほしいなぁ、なんで残さないのかなぁといつも思っていた。 でも今回、星野源さんがリリースイベントで 「映像を残さないからタガをはずせるし気が楽、好きに話せる」 って言っていたというポストを見て 「あ、そういうことか」って思った。 映像や音声が残るってことは、誰の耳に入ってもいいよう

          映像に残さないということ

          初めての入院

           今まで生きてきて、何度か救急車で運ばれ、何度か入院した。消灯時間が過ぎ、しんと静まり返った病院はなんだか別の世界のようでとても怖かった事を、お腹が痛くて寝ていたらふと思い出した。  初めての入院は中学1年の9月。当時の自分の写真を見たら、すべて顔が左に傾いていた。どうやら逆子で生まれたとき斜頸になり、当時母の献身的な看護で完治したと思われていたのだが、きちんと治ってなかったようだった。ピサの斜塔のようにだんだん顔が傾いてきて、今直さないと今後の生活に支障が出るというところ

          初めての入院

          なぜ。

          2023年から2024年 年末、年始の星野源の供給量は常軌を逸していた。 ニューシングル「光の跡/生命体」リリース サマソニ2023「星野源”SO SAD SO HAPPY”」の配信 紅白歌合戦への出演 JRA70周年タイアップの新曲「一瞬」 (まだ「光の跡」リリースされて、聴き始めたばっかりですけど??) 能登半島地震を受けての、急遽生放送の星野源のオールナイトニッポン どういうこと?? この供給量に溺れながら、 はて、私は、なぜ星野源を好きになったんだろうと考えた。

          余白

          日常に余白がないと いいこと思いついたとき書き込めなくて 結局忘れちゃう。 でも余白が多すぎると 色々考えすぎて 大事なことを見失っちゃう。 作品でも 生活でも ちょいどいい余白がどれくらいなのか いつもわからないまま。 わからないままに いつもちょっとだけ前に進んでいく。

          風呂

          昨日、仕事から帰宅すると、先に帰宅していた夫が早く風呂に入りたそうにしていたので、簡単にシャワーをすませ風呂から上がった。 「出たよ、入っていいよー」 と声をかけると、夫が 「もう出たの?」 と不思議そうな顔をして私をみた。 (いや、あんたが早く入りそうだったから、少しスピードアップしたんでしょ・・) と思ったりもしたが 「そうだよ。」 とだけ答えた。 そういえば、何日か前も、子供たちから 「お母さんの風呂は早すぎる。ちゃんと体を洗っているのか。」 となんだか訳の分からないク

          ある日の心の叫び

          餃子は百個 中華鍋から溢れる肉じゃが  重すぎて返せないのよ 焼きそば これが我が家の一回分の食事 ああ 毎日が筋トレ ブラックホールのような胃袋を 相手に戦いは続く お願いです お願いです 朝ごはん食べてる時に お願いです お願いです 夕飯何って聞かないで もやしでカサ増し キャベツは千切り 味噌汁は大根とふえるわかめ 鶏肉を胸肉に変えた 食費と空腹の板挟み ああ 財布は軽く荷物は重く あなたのことは  大大大好き でもでもでもね お願いです お願いです 朝ご飯

          ある日の心の叫び

          エキストラ

           エキストラの仕事の楽しさは、空気を作ることかもしれない。俳優部の人たちの周りで、隙間を埋めてその場の空気を作る。ドラマや映画の中では、エキストラは背景の一部なのだが、以外と細かい設定があって、その場で初めて出会った人と夫婦になったり、同僚になったり、不倫相手になったりする。そして撮影が終ると、「じゃあまたどこかの現場で」と言いながら分かれるのだ。  エキストラの仕事でお金をもらったのは学生時代。演じることは好きだったが、それを生業にする気は無く、単発で割のいいバイトがエキ

          乳のはなし

           以前星野源のオールナイトニッポンを聴いていたら、ネガティブにならない新しい「貧乳」の呼び方が「ぷちち」に決まったと話していた。 「ぷちち」・・・なんと可愛らしい音の響き。小さいながらも張りがあってみずみずしい響き。感度も良さそうだ・・・。 その時はそんな感想を持ったのだが、数日後、半分居眠りしながらの朝の通勤途中で、不意に「ぷちち」という言葉が頭の中に現われ、なんだか 「ふふふ」 っと幸せな気持ちになった。素敵なイメージと音は、人を幸せにするのだな、と思った。  ところで、

          美しい鮨

          録画したカウントダウンTVを見ていたら そばで昼ごはんを食べていた夫が 「これなんて曲」 って、珍しく聞いてくるから 「「美しい鰭」だよ。ほらコナンの映画の曲でさぁ」 って教えた。 すると急に目を見開いて 「え?寿司じゃないんだ⁉️」 って言ってくるから、 「お前どんな曲を想像してたんだ⁉️」 って吹き出しそうになった。 思わず夫の顔を二度見したが、なんか本気で驚いてる風だったので 私の忍耐力をフルに使い、心の中でそっと爆笑するにとどめた。 でも多分私の顔は、微妙に笑ってたと

          自転車の話

          この間、自転車をこぐとあまりにキーキー音がするのと、後ろのタイヤが丸坊主のつるつる状態になったのでタイヤ交換をかねて近所の自転車屋に行った。 無口な息子と年老いた父親が営む自転車屋に、ずいぶん長くお世話になっている。ずいぶん長くお世話になってるわりには、全然顔を覚えてもらえないのだが、家から一番近いし仕事も丁寧なのでので気に入ってる自転車屋だ。タイヤと音の話をすると、30分ぐらい時間がかかるそうなので、近所のスーパーで夕飯の買い物をして戻ってきた。するとおじさんが 「この自

          忘れるということ

          三人目を妊娠し、絶え間ないエンドレスつわりに見舞われたとき、 「なんでこれ忘れてたのかな・・・」 って思った。 一人目も、二人目も生むまでつわりで、仕事の時は不思議と元気だったが、反動で職場から一歩出ると胃の中がひっくり返るようだった。 当然便器とお友達の毎日。 上の子がいるから食事は作らざるおえず、 作って吐いて、作って吐いて・・・・。 「もう吐くのもけっこうプロの域だな。」 などど、便器抱えながら自嘲気味に思ったものだった。 それがまたやってきたのだ。3人目のつわりが始ま

          忘れるということ