読書感想文「フレディ・マーキュリーと私」ジム・ハットン著
久しぶりの読書感想文です。
先週金曜日にブックオフからお迎えしたこの本。今日一日で読み切ってしまいました。
フレディ・マーキュリーは言わずと知れたロックバンド、クイーンのリードボーカリスト。同性愛者だったり、エイズで亡くなったことでも知られてますよね。
著者のジム・ハットンは、フレディの最後の恋人。その彼が書いた手記です。
有名人の身近な人が書くものは、いわゆる「暴露本」みたいなイメージがありました。ましてやフレディは故人。死人に口なしだから…とおっかなびっくりで本を広げたんです。
でもジムがフレディと過ごした時間を回顧する筆は優しく、読んでいて心が温かくなりました。
後になると思い出せないような理由でケンカをしたり、仲直りのキスをしたり。我儘を言ったり、ときにはお互いが焼きもちを焼いたり。
スーパースターと美容師の組み合わせですが、恋人同士の日常は万国共通なんですね。
私が共感したのは、ジムがフレディの名声ではなくフレディ自身を愛したという点です。フレディの方もそれをわかっていたから、ジムに心を許したんでしょうね。
ジムと一緒に暮らし始めたフレディは、派手な遊びをやめて静かな暮らしを好んだそう。二人で寄り添ってテレビを見たり、ジムが整えた庭を眺めたり。猫好きの二人が飼い猫たちに囲まれて微笑んでいる姿が目に浮かびます。
もう一点は…セックスをするときには猫たちを寝室の外へ出したという部分。私も誰かに見られてたら無理だなぁ、と(笑)。フレディやジムもその点ではコンサバティブだったのかもしれませんね。
終盤にはフレディが息を引き取る様子も描かれています。45歳の若さで亡くなったのは残念ですが、愛する人たちに見守られて旅立ったのは幸せだったのかな。
ジムも2010年に亡くなったそう。今ごろはフレディと寄り添って、こちらを眺めているかもしれませんね。
そして来世でも二人はきっと出逢うんだろうな。そんな優しい気持ちになれる一冊でした。
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