汐原マオ

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汐原マオ

汐原マオ( twi : @MaoSalted )です。ツイートした短歌とか、昔書いた小説とか、エッセイとか、大学時代の自炊ノルマ報告とかをまとめています。使い方がよくわかっていません。

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    トチ狂い実録

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どこへ逃げても親がいる

家や家族から逃げたかったはずなのに、連休は必ず帰省している。普段家族とは滅多に連絡を取らないし、祖母からメールが来るだけで憂鬱になるし、電話なんて1回もかけたことがない。それでも毎回律儀に帰省する。「帰らなければいけない」という強迫観念じみた気持ちと、家族側の「帰ってきて当然」という態度に逆らえないせいもあるが、何よりも「家族以外に頼れる相手がいない」という思考そのものが私を地元に帰らせているのだと思う。 1人で生きていきたいと思う。できることなら、誰にも頼らずに生きていき

    • 卒展(東京選抜)に行ってきた感想と家族の距離感について

      東京都美術館で開催中の芸工大の卒展に行ってきた。在学中は、東京選抜なんて関係無いと思っていたし、見に行くことも無いと思っていた。だって、文芸学科は選抜されないし。だから自分にとっては完全に縁の無い世界であるはずだった。 でも今年、妹の作品が選ばれた。まあ、妹としては色々複雑な心境ではあったようだけど、めでたいことだと思ったから友人を誘って見に行った。先日までの春の陽気が嘘みたいに寒くて、雨まで降って、それでもなお東京は人で溢れかえっていて、いろんな人と傘同士をぶつけたりぶつ

      • 女としての消費期限が迫っている

        結婚を急かされるって、つまりはそういうことなんだと思う。 年末年始に実家に帰省したら、祖父母は口を開くたびに早く結婚しろだの、いい人見つけろだの、30になってからでは遅いだのと、もう言いたい放題言われてしまった。去年は「元気でいてくれれば十分」って言ってくれていたのに、1年で何があったというのか。というか、何もなかったから焦りが出てきたのか。 まあ、安心したい気持ちはわかる。結婚=安定とは限らないけれども、結婚まで辿り着ける相手がいるなら、きっと一人でふらふら生きていくよ

        • エッセイと感想『傲慢と善良』

           昨日、皿を割ってしまった。けど、割れてくれて助かったような気もした。 それは就職で引っ越す時に母親が贈ってくれた食器セットのうちのひとつで、1番よく使っていた深めの大皿だった。割ってしまったから、仕方なくもうひとつのセットの同じ皿を出してきて夕飯を食べた。ペアセットだから、色違いのセットがもう一組あるのだ。  「彼氏と一緒に使えるでしょ」通販サイトを見ながら、母親は私に言った。まるで私がこれから同棲でも始めるみたいな口振りだったが、私と彼氏はそれぞれの勤務地が遠くなってし

        どこへ逃げても親がいる

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        記事

          アパートの駐車場にアリの巣ができた話

          ある日突然アスファルトの隙間から茶色い土が湧き出してきたと思ったら、アリの巣ができていた。 腰を折り目を凝らしてみると、無数の黒いアリたちが忙しなく茶色い土の粒をアスファルトの上に運び出している。私はその様子をじっと眺めながら、これだけ真っ黒に塗り固められていても、その下は土のままなんだよな、とふと思った。 湧き出る土は日に日に増えていった。指先でも押し潰せてしまうくらいに小さなアリたちがせっせと運び出した土は、水たまりのようにアスファルトの上に広がっていく。 その下には

          アパートの駐車場にアリの巣ができた話

          今週の短歌まとめ【165〜173首】

          気づいたら寒くないんだ独りにも静かな夜にも慣れてしまった 生垣は花にまみれてそういえばツツジだったと思い出してる 君だけは死なないでくれと猫に言う猫も死ぬ気はなさそうである 私だと気づいてパッと光る目が好きです別に恋とかじゃなく 今日くらいいいかと思う明日もたぶんいいかと思ういいよえらいよ 喉奥のフィルターを経て「好きだよ」が「しね」になったり「ころす」になったり 美しくほどける目元と口元を私が歪めたことがうれしい 許されてみたくてわざと痛くする食いこむ爪の先ま

          今週の短歌まとめ【165〜173首】

          今週の短歌まとめ【156〜164首】

          空だけはやたら青くて「2年目」の肩書き重く会釈で済ます 髪結ぶ位置低くなり制服のリボンにちゃんとさよならをする 逃げたっていいんだよと言う悪気無く救う気も無いやさしい地獄 花畑みたいになってた空き地もう砂利が敷かれて春はおしまい 「死にたくて死ぬ人はいない」などと言う生きたくて生きてる方の人 本当に善い人なんていないから横断歩道はゆっくり渡る 低気圧だし金曜だし寂しくもなるよ雨でも会いたくなれよ 温めた冷凍ごはんまだ冷たい戻りたい過去ばかりよぎって 泣いていい

          今週の短歌まとめ【156〜164首】

          今週の短歌まとめ【148〜155首】

          もういない人の名前が残ってるロッカー2度と帰れないペン 諦めることだけ上手になっていくうまく切れないレトルトパック アリの巣に運ばれる死骸今日もまた助言流れてゆくタイムライン ゲシュタルト崩壊自分の名前さえくずれるタンポポ綿毛飛んでる コンビニで爆買いストゼロ美味くない @(ハイケー)カミサマ、ハヤク死にたい 満月が朝に溶けてく雲けぶり貴方は骨になっても綺麗 渦を巻く排水口の白い泡せめて綺麗に終わらせてくれ 「春ってさ、死にたくなるよね」君が言う「なんてね」泣か

          今週の短歌まとめ【148〜155首】

          今週の短歌まとめ【140〜147首】

          上位互換ばかりに見えて俯いて散った花びらにすら負けてる 本当に死んでもいいと思ったの夢と知りせば覚めざらましを  こんな日に死にたいと思う穏やかに花びら落ちるように目を閉じ 思い出をずかずか踏んで歩いてく桜は地面に落ちても綺麗 もう過去になってる桜つらぬいて輪廻転生新芽が伸びる  たんぽぽの綿毛を蹴り飛ばして行くまだ好きだとか嘘だよホント 夢さえも追えなくなって本当はコレも甘えで不幸はぬるい 今僕が縋ってる全部過去だってわかってはいるくすりの抜け殻

          今週の短歌まとめ【140〜147首】

          今週の短歌まとめ【128〜139首】

          シャンプーも柔軟剤も変えてみる忘れたいこと忘れるために 許される気がして掃除に時間かけ綺麗なだけの6帖1K まだ慣れぬ町の名前を丁寧に書いた少しは大人になった マンガなら都合良すぎと思うけど現実だから嬉しい勝利 成し遂げたのは私じゃないけれど祝いの気持ちでいい肉を買う くすりゆび指輪外して「飽きた」ってあなたは笑う春は退屈 乗り越えてしまわないでと願っても過去は過去だね花散らす雨 大人だし笑って済ますが私にも殴る拳はあるんだからな 声の出し方も忘れて身悶えるそ

          今週の短歌まとめ【128〜139首】

          今週の短歌まとめ【118〜127首】

          帰っても1人にならぬ人が言う「帰りたい」には同意しかねる もうだれも好きになれない気がしてる小さい傷ほど沁みて痛い 花の名もきっと忘れてしまうから一緒にゲームやるなどしたい 寂しさと親しくなってぬいぐるみ抱き締めずとも眠れてしまう 菓子パンの柔らかさにさえ縋ってる私には私がいるのにな ガチャなんか引きたくないんだ本当は運命なんてただの偶然 髪切ったことには気づかないくせに桜が咲いたのは気づく君 降りしきる雨はやさしい最初から期待してないから大丈夫 盛大に咲いて

          今週の短歌まとめ【118〜127首】

          今週の短歌まとめ【107〜117首】

          丸くなることもできない寂しさよ猫じゃないから爪は立てない いいか猫、長生きしろよちゅーるなら猫又になってもあげるから あかねさす君のメガネを掛けてみてすべて奪った気になっている 山肌をすべりゆく霧まだ何も知らない君の白い首筋 ひとりにも慣れてきたかも夕飯を作りすぎても全部食べきる 声すらも忘れた頃に夢で会う昨日の月は綺麗だったね 白い傷痕みたいな昼の月は綺麗じゃないしもう痛くない みんなには生きてほしくてわたしだけ消えたくなって氷をたべる わざと傷つくため見て

          今週の短歌まとめ【107〜117首】

          今週の短歌まとめ【97首〜106首】

          遙かなる宇宙を想うその時に割れた茶碗も星のひとかけ 焦げついた鍋底こするどうしても過去にできないこの胸の奥 季節だけ進んでいくのが恐ろしくホットコーヒーLでください 幸せを願う余裕は無いけれど生きててえらいまだ死なないで 春が好きになれる日も来る……わけないまずは杉の木滅ぼしてから 何も考えてないわけではなくて自分に素直、つまりねこです このままずっと続くと思ってた。言葉じゃ足りなくて、ああ、ああ、ああ。 本物が欲しくなったの赤いバラ生きているから散っても綺麗

          今週の短歌まとめ【97首〜106首】

          今週の短歌まとめ【84首〜96首】

          マスクで隠した口紅君だけに見せるこんなに赤くてやわい 誰しもが生きづらいわけではなくて私だけ踏んでる水たまり 眼鏡外しても見えるオリオン座なんでもいいの、信じてるから 陽の光から逃げるように帰路につく起きなくてもいい朝が来る 君が愛せない君の涙を受く器のような春の三日月 ちいかわの方がえらいよ私まだ頑張りたいこと頑張れてない カフェの誰かが別れ話をしてるパフェもケーキも終わりがあって 「好きだよ」と言えば許すと思ってる、ホントムカつく、(だけど好きなの) (好

          今週の短歌まとめ【84首〜96首】

          今週の短歌まとめ【66首〜83首】

          書かないと息ができないはずなのに書けないままで生き延びている なんでもらえる気でいるのチョコレート先にあたしをときめかせてよ 悩むこともないんだ今年は1人ちょっと高めのチョコレート買う チョコを溶かして固めてまたチョコにする「結果じゃないの、過程が大事」  気づいたらなんか花とか咲いてるし目鼻痒いし春だねたぶん ブレーカー落とすみたいに世界ごと全部一気に終われば良くね? この世をば我が世とぞ思う給料日チャーシューマシマシ、ギョーザもひとつ  この感情をどうしたら

          今週の短歌まとめ【66首〜83首】

          今週の短歌まとめ【53首〜65首】

          広告のマンガみたいに都合よく生きたい全部許されてたい 夜だけが優しい朝の陽はやわらかすぎてうまく死ねない 眼鏡のレンズ丁寧に拭いてみる何はともあれ美しくあれ それは口実でしかない少しだけハンドクリーム多めに出して 下腹部をさする重く鈍い痛み空(から)のたまごの最後の叫び 手折られる桜を想う熱い手に触れられて腐っていく身体 「重い」って言われて腹筋してみたり、たぶんそういうことじゃないけど  ゴスロリもいいと思うの可愛くて鎧のように重いスカート アレルギーだから

          今週の短歌まとめ【53首〜65首】