キレる、じっとしていられない。子どもの行動の原因は食にあった!?【育児×栄養】
授業中じっと座っていられない子、突然教室を飛び出してしまう子、些細なことで急に怒り出す子…
学校現場での自己の経験や学校関係者の話から、子どもの行動が問題になっていることを実感します。
そんな「キレる子」と対話をしようとすると、本人も感情がコントロール出来ずに戸惑っている様子が伺えます。涙を浮かべながら、言葉にならない思いを表現しようと必死な子どもの姿に、何度も複雑な感情を抱きました。
どうして、子どもたちはこのような状態になってしまうのでしょう。
その要因のひとつとして、「食」があると言われています。
今、子どもの食がかなり深刻です。
戦後、和食中心の食事から洋食が増え、技術の進歩や低価格で嗜好を満たすものが求められたため、加工食品やスナック菓子が非常に増えました。
また、レトルト食品や冷凍食品も一般的に普及しました。
食は子どもの身体を作り、味覚も形成します。
食とメンタルの関係性
”食べ物とメンタルが関係している”という事は、いまいちピンと来ないかもしれません。
しかし、感情は神経伝達物質やホルモンによる影響を大いに受けており、これらの物質も元を辿れば食べ物です。
少し例を挙げると、
・セロトニン…興奮を抑え、精神を安定させる
※不足すると→不安、イライラ、恐怖、不眠。攻撃的になる。
・ドーパミン…創造性や運動機能を高める。意欲、食欲、喜び、快楽を感じさせる。動機付けなど。※過剰になると→落ち着かない
・ノルアドレナリン、アドレナリン…活動性、積極性、思考力、記憶や集中力を高める、恐怖や驚き、興奮などを感じさせる
※不足すると→集中力が続かない、やる気が出ない、ずっと眠い
このように、落ち着きがない、パニックになる、キレる、意欲がないなどの子どもの状態は、身体の中で作り出される物質の過剰や不足によるものである可能性が示されています。
これらの物質は、食べたものを消化・吸収・利用すること(=代謝)によって作られています。
つまり、子どもの問題行動の原因は、代謝が上手くできていないだけかもしれません!
スムーズな代謝のために
1.代謝を邪魔するものを避ける
添加物が入ったものをあまり口にしない、レトルトやコンビニ弁当を控える、外食する場所を選ぶ、手作りを心がけることで、随分添加物などの化学物質を避けることが出来ます。
しかし、毎日忙しいお父さん、お母さんも多いはず…
毎日手作り出来なくて当然です。
そんなときは、こんな栄養素をプラスしてみてください。
2.ビタミン・ミネラルを摂る
現代の食は加工や精製されたものが多く、ビタミンやミネラルが非常に少ないです。
ビタミンやミネラルは微量栄養素です。直接エネルギーや体の一部になるものではありませんが、よく“潤滑油”に例えられ、身体の機能をスムーズに動かします。
ミネラルはカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛、カリウムなど、100種類以上の元素の総称です。
これらは、身体の調子を整えるホルモンや、心を安定させる神経伝達物質を作る酵素の働きに必要です。特にミネラルを意識的に摂ることで子どもの精神状態が安定したという研究事例が多く存在します。
手軽に出来る!子どもの精神を安定させる方法3つ
・おやつを変える
子どものおやつを、お菓子から少しずつ自然なものに置き換えてみることはいかがですか。
季節のフルーツや芋、ナッツ、ドライフルーツ、おにぎりなどです。
ナッツは素焼きのものを、ドライフルーツも同じく油や塩、砂糖などのかかってないものを選んでください。
・調味料にこだわる
”ミネラルを摂る”という点で、調味料を見直すことは非常におすすめです!
塩はミネラルを多く含む天日塩や岩塩にする、天然だしを使用する、材料がシンプルな醤油に変えてみる、精製されていない油を使用するなど、調理の手間は変わらないまま、ミネラルを効率よく摂取することができます。
毎日だしを取るのは手間なので、天然の白だしを買っておくと便利です。
油は、エキストラバージンオリーブオイルや、えごま油、ゴマ油も精製されていないものが多いです。選ぶ時のポイントは、低温圧搾法(コールドプレス)と表示されているものが◎
やはり天然の調味料は香りや味が複雑で奥深いため、子どもたちの豊かな味覚形成も期待できます。
・かける、混ぜる
いわしや飛び魚。昆布などのミネラル豊富な天然だしや、良質な油、そば粉などを、素材にかける、混ぜることから始めると実行しやすいです。
そば粉は小麦と違って精製しないため、タンパク質やビタミンを多く含み、栄養価が高いです。
まるごと小魚が入ったふりかけをご飯にかける、雑穀を混ぜてご飯を炊く、料理のとろみをつけるのにそば粉を活用してみる、サラダのドレッシングにオリーブオイルを活用してみる
など、かける・混ぜるだけで簡単にビタミン・ミネラルを補給できます。
まとめ
この記事を見てくださっている方の中には、子育てをされている方も多いのではないでしょうか。
忙しい日々の中、子どもとの関係性や食事に悩まれている声を多く耳にします。
今回は、食と精神の関係性に着目し、子どもの食について比較的簡単に取り組めそうな方法を紹介させていただきました。
上手くいかないことがあっても、どうか子どもやご自身を責めたりしないでください。ただ、代謝が上手く出来ていないだけかもしれません。
みなさんが少しでも心身共に健やかな毎日を送るお手伝いができたらと思います。
それでは!
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