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人の名前を覚えて呼ぶこと【骨折・入院】

こんばんは。
入院4週目に突入した、まるまるです。

私はこれまで、幼い頃の鼠径ヘルニアの手術に始まり、高校生の頃の自転車事故、妊娠中や出産時と、あわせて7度、長さにしたら120日間くらいは入院したことがあると思います。

しかし、入院したどの病院でも、主治医の先生や看護師さん、看護助手さんやスタッフさんのことをお名前で呼んだことはありません。
お世話になるうちに自然に名前を覚えていたとしても、「先生」とか「すいません」、「あのう…」という言葉で呼び掛けていました。

でも、なぜか今回は違いました。

まず、事故後に駆けつけてくれた救急車やドクターヘリの方々を見て、「こんなにたくさんの方たちが、私のために動いてくださっている…なんてありがたい、ありがとうございます」という気持ちが自然にわいてきました。

ドクターヘリの中では、痛みと恐怖(閉所恐怖症の気あり)で強ばる私を、「大丈夫大丈夫~すぐだからね~」とトントンしてくれた男性看護師さんのおかげで、パニックを起こさずに済みました。
ヘリも想像よりずっとスムーズな飛行で、降りるときに「運転してくださった方に、ありがとうございます、とお伝えくたさい」とその看護師さんに伝えました。
「わかりました、伝えておきますよ」とニッコリ笑ってくださって、とてもホッとしたことを覚えています。

それからはバタバタとCT やら緊急手術やらに入り、正気に戻ったのはICU の固いベッドの上でした。
足と腰の痛みで眠れず、様子を見に来てくださる救急の看護師さんとのおしゃべりでなんとか気をまぎらわせていました。
そして、人が代わるたびに、自然に「お名前はなんと仰るんですか?」という言葉が口から出て、なにかしてくださったあとには「◯◯さん、ありがとうございます」と言っていました。

普段、知らない人にわざわざ話しかけたり名前を聞いたりするタイプではないので、自分の言動に私が一番驚いていました。
恐らく、『新型コロナで医療関係者はめちゃくちゃ大変』という頭があり、『そんな中、自分の起こした事故で多くの方々の手を煩わせてしまっている、申し訳ない…』という心苦しい気持ちがそうさせたのだと思います。

翌日、一般病棟に移る際に、あのヘリに同乗してくださった看護師さんにも御礼を伝えることができました。

病棟へ移ってからも、担当看護師さん、関わってくださる看護助手さんやスタッフさんのお名前も覚えて、意識して呼ぶようにしています。
ここの看護師さんたちは皆親切で、自然と感謝の気持ちがわいてくる、というのが主な理由ですが、たくさんの方の名前と顔を反芻して覚えるという作業で、痛みと時間を忘れさせている(元々記憶力はかなり悪い方です)というのも多少あります。

自分の名前を覚えられて嫌な人はいないと思います。

そもそも親身で優秀な皆さんですが、お名前を呼んでいる分、より優しくといいますか、「患者の一人」として事務的に接しているわけではなく「まんまる」という個人を見てくれているように思います。
入院中はとにかくやることがなく暇なので、たまに回って来てくれるときに、一言二言、怪我と関係ない話をできるのも嬉しいものです。
カーテンが閉めきられているのでお顔を拝見していない同部屋の方々とも、他愛のない話で盛り上がることもあります。

怪我をしてついてないなぁと凹みますが、入院して改めて、人間関係の基本を学んでいる気がします。

ひとの名前を覚えて意識して呼ぶ。

退院しても続けていきたいと思います。









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