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近況報告に見せかけた、ベルギー人パイロットの男からの不穏な連絡 #1

“Hey, maniko. How are you?”

(やあ、マニコ。元気?)


ベルギー人パイロットの男から、久しぶりに連絡があった。

2ヶ月か、3ヶ月ぶりだろうか?

思い出したように時々メッセージを送ってくる、

彼とは、昨年ベルギーに旅行した時に知り合った。


実は、もう特技の一つなんじゃないかと思うのだが、

私はパイロットと出会うのが得意だ。笑。

「それって、あなたが客室乗務員だから簡単なんでしょ?」

と、思う人が多いと思う。

まあ、たしかにフライトでパイロットに誘われることは

多くなったし、パイロットとの出合いは増えた。

元カレのパイロットも、お友達が紹介してくれた。

パイロットやパイロットの卵の友達や知り合いは、

客室乗務員になって俄然増えた。

というか、香港に来てからはパイロットとしか

お付き合いをしたことがない。


これは人によると思うけど、客室乗務員になったら

一度や二度は誰でもパイロットとデートしたり、

付き合ったことがあると思う。

やっぱり職場が一番仲良くなりやすいからね。

それは一般の仕事と変わらない。

しかし、実は客室乗務員でなくても、

パイロットと出会うことはできる。

というか、私が客室乗務員になったのは、

とあるパイロットに出会ったことが原因だった。


久しぶりに男から連絡が来たら注意すべきこと

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久しぶりに男から連絡が来たら、まず以下のステップを取ることが大事である。

1、振り分けをする
2、相手の目的を探る
3、あなたの本当の望みは何か?

それぞれについて、説明しよう。


1、振り分けをする

男から連絡が来たら、まず行うのがこの振り分け作業である。

この男が、あなたにとって単なる友達とか、

知り合い程度の間柄ならすぐに返信してしまって構わない。

しかし、もしこれが復縁したかった男の場合、

返信するのはとりあえずやめる。

そうしないと、復縁活動が無駄に終わってしまう可能性がある。

ちなみに、私は復縁のエキスパートでもある。笑。


2、相手の目的を探る

友達でも、復縁したい男でも、

相手がなぜあなたに連絡をしてきたのか

目的を探ることは重要である。

だいたいの場合、単なる様子伺いなのだが、

中には予想もできない目的もある。

今回のベルギー人パイロットはそれだった。


まあ、単なる様子伺いの場合、

友達の男にはすぐに返信してしまって構わない。

復縁したい男の場合は、

少し時間をあけてサラッと返して様子を見る。

ここでガッツいて連絡してしまうと、

復縁の可能性は下がる傾向にある。


3、あなたの本当の望みは何か? 

やったことがあるのでわかるが、

復縁にはとてつもなくエネルギーがいる。

そして、復縁には時間もかかる。

しかし、復縁はできる。

たとえ復縁出なくても、気まずくなった相手と再び仲良くできる可能性はある。

しかしながら、それが本当にあなたのしたいことなのか、よく考えて欲しい。

自分の大切な時間とエネルギーを投資するほどの

価値が相手にあるのか?

…たいていの場合は、ないと思うのだ。

そして、不思議なもので復縁への執着がなくなると

自然と復縁できる。

私は自己肯定が低く、別れや捨てられる恐怖に

耐えられなかった。

しかしながら、自己肯定感が低いと、復縁に限らず

恋愛そのものがうまくいかない。

だから、相手にこだわる前に、

自分が心から望むものをゆっくり考えて欲しい。


ベルギー人パイロットとの出会い

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ベルギー人パイロット、ルースと初めて会ったのは、

クリスマス前日の、寒い夜だった。

私は、EUの首都であるベルギー、ブリュッセルの国際空港、別名ベンテム空港の近くのホテルに一人で滞在していた。

先に家族を日本に見送り、自分は1日遅れで香港に帰る予定でだったのだ。

☆ブリュッセル☆                 ヨーロッパの中央部に位置する小国の首都。ヨーロッパ各大国から近く交通の要衝にある地理上の利点の為、EUなどヨーロッパ全域にまたがる国際機関の本部が多く置かれている。 

ルースは30前半と若かったが、すでにキャプテン(機長)だった。

キャプテンになるには、大手の航空会社では

通常10年から15年以上かかる。

大手はとにかく人数が多く、年功序列で入った順から昇進の可能性が高くなる会社が多い。

つまり、競争率が高い。

ちなみに、うちの会社では、副副操縦士から副操縦士になるのですら、

だいたい4年くらいかかる。

しかし、小さな航空会社やLCC、または近郊を飛ぶパイロットは、比較的早く昇進することができる。

元元カレにいたっては、なんと3年でキャプテンになっていた。

運とタイミングをつかめば、

20代でキャプテンへのドリームも夢ではない。

もちろん、中には50代でも万年副操縦士という

昇進できないパイロットもいるので、

実力次第だ。


ルースは、フライトの後に少し時間があるよと

メッセージしてきた。

「何時に着陸するの?」

と聞くと、夜10時くらいかな、と。

「車だからホテルまで行くよ。まあ、ロビーで1時間くらいお茶でもしよう」

そして、ルースは制服のままやってきた。

もちろん、皮のジャケットを着ているし、腕章とかネクタイは外してるので、パイロットとは、ぱっと見わからない。

ルースは、赤毛にソバカスの典型的なフランダース系の男だった。

若いのに、少し薄毛。

(ビンセント・ヴァン・ゴッホみたいだな。。)

そう思ったら、ゴッホにしか見えなくなった。


ルースは白ワインを一杯オーダーした。

朝早く起きないといけないという理由で、私はお酒を断り、お茶を飲むことにした。

(このまま部屋に上がられたらどうしよう)

と、若干不安だったが、ただ話だけして2時間弱くらいで彼は帰っていった。


次の日の香港行きのフライトで、搭乗が始まり、自分の席に着くと、

しばらくして、グラウンドスタッフが

「マニコさんですか?メッセージ預かってます」

と言って、小さなメモを渡してきた。

それはルースからのメッセージだった。

「遅くなって会えなかった!グラウンドスタッフが厳しくて、飛行機まで入ることが出来ないけど、会いたかったよ。気をつけて帰ってね」

と書かれていた。

(え!?今ゲートにいるってこと?)

驚いて電話をかけると、荒い息でルースは答えた。

「朝のフライトが終わって急いでゲートまで来たんだけど、間に合わなかった。グラウンドスタッフがルールに厳しくてもう会って挨拶もできないからメッセージ渡してもらった」

と。

そりゃそうだ。いくら航空関係者でも、

そのフライトに関係ないクルーは原則ゲートに

入ることはできない。

しかし、実際にゲートまでフライト直後に

わざわざ会いにきてくれるという、

行動で好意を示してくれるルースに私は少し好意を抱いた。

アナと雪の女王は大人の恋愛には向かない

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たった2時間だったが、ルースは私との会話がとても楽しかったらしく、また会いたいと言ってきた。

「次にヨーロッパ便がある時は教えて!」

というので、

「来月、イタリアのミラノ入ってるよ」

と言うと、絶対行くよ!とメッセージが返ってきた。

…絶対うそだろう、と思っていたが、

なんとルースは、ミラノまで本当にやってきた。

ただ、やたら遅くきた。

この時間、ブリュッセルからのフライトはないはずなのに、どのフライトで来たんだろう?と思って

よく見ると、制服に仕事のラゲージを転がしている。

「もしかして、仕事できたの?」

「いや、仕事じゃないけど、ギリシャの友達のところに寄ってパーティーしてからきたから」

なんか言ってることが曖昧だったが、仕事なのは

間違いなかった。

しかし、今夜は空いてるからと言って

二人でミラノの街へ出かけた。


レストランに入って前菜やパスタを注文し終わった後、

ルースはちょっと真面目な顔で言った。

「出会うまでは何も期待してなかったけど、キミと一瞬にいるととても楽しい。だから、ボクは香港にも遊びに行くし、ドバイとか二人の中間くらいの距離で落ち合ったり、これからも連絡取り合うような関係でいられないかな?」

どうも私は気に入られたらしい。

私は、ルースがゴッホにしか見えなくて

特別な感情は持っていなかったが、

ドバイで逢瀬とはロマンチック❤️

悪い感情もなかったので、いいよと言った。


ルースは、とても嬉しそうだった。

…というか、ハイパーだった。

もう嬉しくて、外に出ると踊り出していた。

しかも、なぜか

“Do you want to build a snowman?”

(雪だるま作りたい?)

と歌い出した。

それって…アナと雪の女王の曲じゃね?

「ボクfrozen(アナ雪の原題)が大好きなんだー❤️」

そう言って、私の手を取って

ランラランララーン♫と踊り出した。

もちろん、普通の道で。

(テンション高いなぁ…)

やっぱり若いからか?そう思ったが、私もノリを合わせて踊った。私は踊るのは好きなのだ。


ホテルに戻ると、部屋は一応別々に取ってあったが、

ルースは私の部屋で少し飲まないかと、提案してきた。

カクテルをルームサービスで注文すると、

ルースは携帯でアナ雪の曲をかけ、またまた歌い、

半強制的に私を踊りにかりたてた。

アナ雪の、お気に入りの音楽を大音量でかけながら、

楽しくダンスを踊っているうちにまたまた楽しくなって

きたらしく、ルースはキスをしてきた。

アナ雪のスノーマンでは興奮もしない。

しかし、大音量で流れるアナ雪とともに

二人の流れは進行していった。

私は、もうアナ雪のテンションには耐えられないなと感じ始めていた。





















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