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寄せ書きできる絵本『あなたみたいになりたい』全文公開(日本語、絵あり)
もしよろしければ先に想いを
3分で読めます。
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あとがきを先に
Integraçao dos Anjosの無邪気な天使たちに贈る
あなたみたいになりたい。
この言葉は、児童養護施設Integraçao dos Anjosの子たちに私が実際にかけてもらったもの。
ブラジルの南町・ポルトアレグレに響く子どもたちの燥ぐ声、無邪気な笑顔と真剣なまなざし。
痛烈なご質問に熱狂的なお遊び。そんな大切な記憶の中でも最高の贈り物は、この言葉。
うれしくて、ほこらしくて、仕方なかった。
彼女らのような子の声を、
愛ある心で聴いていたい。
彼らのような子の未来を、
愛ある言葉で照らしたい。
指一本で、何十億人に、一瞬で、
”言葉を送信するスマホ”の時代に、
筆と紙で、あなたに、ゆっくり、
”言葉を贈る手紙”の美しさを、
私は信じている。
出逢いと言葉に愛を。
言葉にならないものにも愛を。
なにより、自分を愛せる心に愛を。
ふくだあさひ
本文
あなたみたいになりたい
あなたは手紙の美しさを信じていますか?
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大好きなハファエラへ
お元気ですか?今、幸せですか?
私を、覚えていますか?ブラジルでいっしょに遊んだヒナタです。
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昨日、私たちのお店にブラジルの親子が来て、ブラジルの話をしました。
ふと、あなたを懐かしく想い、今手紙書いています。
と言う堅苦しい言葉はやめます。
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君たちの、
無邪気な笑顔、
木をゆらす声、
真っすぐな目、
怒った口、
泣いた鼻、
愛で包むハグ、
好きを伝えるキス、
そのすべてが、
俺の心の柱。
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君のことは、とてもよく覚えている。
誰よりも情熱的に話してくれたから。
きっとそう。
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君はよく笑い、よく怒り、よく悲しみ、そしてよく泣きました。
俺は感情をあまり顔を出せないので、ほんまに羨ましかった。
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家族のご飯に誘ってくれたし、ビーチにも連れて行ってくれた。
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施設では毎日遊び、毎日質問された。君たちの質問は微笑ましく、鋭いものやった。
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「なんで泣かないの?」これが一番困った。俺が聞きたいくらい。君の涙は美しかった。泣いてる理由は可愛らしかったけど。
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他にもいくつか質問を覚えています。「どうやったら忍者になれる?かげぶんしんできる?」「何のためにお辞儀してるの?」「そんなことよりペガペガしよ!」
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「なんでできないって言うの?おしいじゃん。」
「自分の美しい肌をわざわざ隠すのはどうして?」
「タトゥーを入れたら警察に捕まるんでしょ?」
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「ロボットと働いてるんでしょ?」
「人も時間どおりに動くってうそでしょ?」
「ねぇ、ペガペガしよってば!」
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「ハグやキスをしないのはなぜ?ちゃんと好きだって伝えないと伝わらないよ。」
「自分を殺すのはなぜ?自分を1番愛してあげないといけないのに。」
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光る辞書も知らない質問ばかり。
自分の言葉で答えられない。
君たちの会話もわからない。
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「俺は何のためにここに来た?」
「子どもたちのために何ができてる?」
ほんまに毎日楽しかったけれど、
その体は頭から離れんかった。
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初めてのブラジルは、何も抱かない惨めな経験でもありました。
他の人より優れている、と驕っていました。
実際は、幼い君たちに教えてもらう毎日。
悔しいを通り越して、情けなかった。
20年積み上げたプライドは流された。
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あ、ホトトギスが鳴いた。
ほーほけきょって。
ちょっと深呼吸。
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「俺は誰か。」
ブラジルの君たちが教えてくれた。
ありがとう。
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俺は、ヒナタ。
俺は、子どもたちの心の笑顔のために生きる。
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何より、最後の日にくれた言葉今も心を支えてくれています。
みんなとハグして別れを惜しんでいたあの日、君はトコトコ近寄ってきて言いました、
「ヒナタ、ムイトオブリガード。
ケーロセールコモボッセ!」
ムイトオブリガードはわかりました。
君はそのポルトガル語をもう一度光る辞書に伝えてくれました。
画面に出た日本語は、
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あなたみたいになりたいです
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時が止まった。
ひっそりした森で、
こもれびの雫が、
言葉の妖精に出逢ったような。
あったかくて、うれしい。
かがやいていて、ほこらしい。
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涙は出なかった。でも、
震えが止まらなかった。
強くなる鼓動も止まらなかった。
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その言葉のために生きたい。
情けない自分も愛させてくれたから。
ほんまに素敵な言葉を、おおきに。
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私たちは、
違う人間やけど、だいたい同じ。
同じ人間やけど、やっぱり違う。
世界は広くて、隣に座っている。
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世界には、俺にできないことがたくさんある。
でも、俺にできることは必ずある。
君たちのおかげで、今はそう思います。
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ハファエラ、君が大好き。
日本を出てよかった。
君に出逢えたから。
俺の心の天使。
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春の薫風を感じながら
2100年愛月心日
子どもたちの心を照らす癒し屋さん
ヒナタより
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手渡した手紙を黙って読んでいたハファエラの瞳から、涙がこぼれた時、
俺は笑い、目を閉じ、抱きしめた。
涙が熱かった。
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朋有遠方より来たる。また楽しからずや。
今後の創作の流れ
エルにて、
最高の一冊に
あなたの315(サイコー)円は、制作費に使わせていただきます。
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