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今月読んだ本 『ライフシフト 100年時代の人生戦略』


ものすごく簡単にまとめてしまうと、医学の進歩やらなんやらで、人類の寿命はどんどん伸びているので、それをどのように乗り越えていくか?っていう本。(2007年生まれの人の半分は100歳まで生きる確率が高いと言われているそうです)
すごく分厚い本で、朝の通勤時にコツコツ読んで3週間かかったので、所々忘れていたり、解釈が間違っていたらすいませんm(_ _)m
一般的に、児童から青年期は学校へ通い、卒業後は60歳まで仕事、それ以降は引退
と、こんな感じで近代の先進国は、この3つに区切られたステージをその年齢ごとに順番に生きていくのが当たり前でやってきました。だいたい産業革命以降から?そのスタイルになっていったようですが、その生き方では人生100年時代はとてもじゃないけど乗り切れない。

私の親世代までは、3ステージ型でもどうにかなったけど、私たちの世代から下はそうはいかない。
寿命はのびたとしても社会が発展するスピードは目覚しいので、学生時代に習ったことが数年後にはもう時代遅れになってしまう。だから、キャリアの途中であっても一旦それをストップして、また学び直す期間が必要になるかもしれないんだって。人生の中で複数回転職したり、あるいは途中で異業種へ飛び込むことなんかも珍しくなくなっていくそうです。
で、寿命はのびるものの、女性が子どもを産める期間ものびるか?と言ったらそういうデータは今のところない。
そんなこんなで、例えば旦那さんが新しいことを学び直すタイミングでは奥さんが経済を支えるとか、奥さんが子どもを生むタイミングで旦那さんが支えられるようにキャリアを構築していくとか、これからの時代を生きる夫婦は、いっそうお互いの人生設計について入念に話し合うことが求められるだろうって書いてありました。

計画したところで全てが思いのままというわけにはいかないけど、旦那さんが稼いで奥さんが家を守るっていう時代は完全なる分業だったことも、その時々に応じて柔軟に役割が変化していくことになるので、それぞれが勝手に自分の人生を生きるより、ガッチリとタッグを組むべしってことなんでしょう。
それはなんか悪くないなと思いますね。

あと、3ステージの人生設計が崩壊することで、これまでは年齢と社会的なポジション?(学生・社会人・引退した高齢者)がほぼ結びついていたこの認識も崩壊するので、すんごい若い引退者もいれば、逆に高齢の学生もザラに存在するという状況に。
これによって、老いに対する認識も変化していくでしょうと。

P227
「さまざまな世代が一緒に活動し、混ざり合いやすくなれば、年齢に関する固定概念のいくつかは消えていく。それにより、誰もが若者の柔軟性と好奇心、そして高齢者の知識と洞察力の両方を得られるようになる。」

これは素晴らしいことよね!
若者と高齢者があまりにも分断され過ぎて、最近ではいがみ合ってるかのように見える時もある。これは嫌だなって私は思っていたので。双方がリスペクトし合える関係ができていったら、高齢者は若者から元気をもらって、若者も年齢を重ねていくことに対して、もっとポジティブに考えられる人が増えていくwin-winな状態になるんじゃないかと思う。


気をつけるべきは、老後の金銭的な問題。私たちはどうしても楽観的に考えすぎるフシがあるそうで、歳をとった自分をリアルに想像することができないために、いざ老後を迎えてから思っていたよりも経済的に不自由な生活を送ることが多いんだとか。年配の方のアンケートでも、かなりの人がもっと貯金をしておくべきだったと後悔しているそうです。

P262
「未来の自分について考えなかったり、複雑な計算ができなかったり、専門用語が理解出来なかったり、未来の自分への責任を果たさなかったりする人は、十分な資産をもたずに老いる羽目になりかねない。」

ここを読んでグサリときました:(;゙゚'ω゚'):
とはいえ、本人に働く気力があって体力にも問題がないなら、60歳〜65歳を引退のときと決めつけずに元気に働き続ければいいわけでして、「しまった!老後の資金が少し足りない」と気づくのがだいぶ遅れたとしても、全ての人が取り返しのつかない事態に陥るわけではない。ただ、そういう人は、健康を維持し続けていたからこそですよね。

ちなみに私事ではありますが、私の父は会社にまだ置いてもらってます。おそらく会社で1番の年長者で、健康にも問題無く、一緒に働いてる人たちの中で1番力持ちだそうです。調子が良かった日は、1人でどれだけ売ったかを嬉しそうに話します。まだまだ戦力として認めてもらえてる様子。本人曰く、40代の頃と今と体力は何も変わってないとのこと。
父は小学生の頃から家の仕事を手伝わされていたので、働くことが体に染みついていますし、学生時代はワンゲル部に所属して体をよく動かしていました。
結婚して転勤し、嫁が里帰り出産で地元に帰っている間はやることがないので、休日、水泳行ってテニス行ってゴルフ行くみたいな生活をしていたそうなので、元々体力がある上に衰えないような動かし方を若い頃からしていたようです。こういう人は70過ぎても衰え知らずになれるかもしれないですが、珍しいんじゃないかな。

それから、大人になってから新しいことを学び直すというのも、私の親の世代で既にありましたよね。パソコンが一部の人だけではなく広く一般に普及した90年代に、VHSの教材で勉強しているのを見たことあります。
一度身につけた知識に頼るんじゃなく、必要ならばいくつになっても学び直すって、これからの時代はもっと大事になっていくでしょうね。私も気合いを入れねば!

この本で、確かに自分も老後のことを真剣に考えていなかったと思わされました。長生きを、幸にできるか不幸にしてしまうかは自分次第だと繰り返し繰り返し著者は言っていたので、そこは忘れずにいたいと思います。


個人的に印象的だったのが、
P117
「テクノロジーの進歩によって消滅しない職に就きたいなら、絶対優位をもっている仕事、比較優位をもっている仕事」
「創造性、共感、問題解決、ドアを開けるなどの多くの身体的作業に関しては、いまのところは人間が明らかに絶対優位」

P127
「100年ライフを生きる人たちは、その過程で大きな変化を経験し、多くの変身を遂げることになる。そのために必要な資産が変身資産だ。自分についてよく知っていること、多様性に富んだ人的ネットワークをもっていること、新しい経験に対して開かれた姿勢をもっていることなどが含まれる。」

この辺ですね。自分についてはだいぶ分かってきたつもりだし、新しい経験にも開かれているつもりだけど、人的ネットワークに関しては割と絶望的(^-^; 色んな人に会いに行かないとな〜。

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