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戦時中の日本軍の行いについて、次世代の子供たちへ伝えたい4つのこと

Twitterで知った「The Garden of Evening Mists」 という映画を観てきました。マレーシア人作家 Tan Twan Eng 原作小説の映画化で、日本人俳優の阿部寛さんが日本人庭師役で出演し話題になっています。主なあらすじはこんな感じ。

第二次世界大戦中に日本軍の蛮行から妹を救えなかったことに苦しむ姉が、亡き妹の「自分の日本庭園を造る」という夢を叶えるべく日本人庭師に弟子入りし、日本を憎みながらも敵国のミステリアスな男性と禁断の恋に落ちる。マレーシア・キャメロンハイランズの美しい自然を舞台に、戦中の1940年代・戦後の1950年代・1980年代という3つの時代を通して描かれるストーリー。

台湾や香港では一足先に、1月上旬から上映が始まっていたんですね。

歴史上の事実として知ってはいたものの、あまりにも凄惨な日本軍の蛮行を映像で目の当たりにするのは、本当に本当に辛かったです。一緒に観た息子も11歳なりに正面から受け止め、深くその意味を考えていました。これを観たら、マレーシアが親日だなんて軽はずみに言えなくなります。

現地では戦争体験を直接聞くことがある

マレーシアは元より東南アジア全体で、同様の悪夢が繰り返されていました。ペナンに住んでローカルの友人が出来ると、親族が殺されたりした話を聞く機会も多い。娘がペナンのインター校へ通っていた12歳の時にも、授業中に教師が戦争体験を話して娘が泣いて帰ってきたことがあります。

以下は、2013年に書いた上記ブログ記事からの抜粋です。

毎日夕食時に、その日学校であった出来事を子どもたちから聞くのですが、
昨夜は話しの途中で、11歳の娘が泣き出してしまいました。涙の理由は、授業中にある教師(マレーシア人)の話した戦争体験にありました。その先生の祖母と父親が住む家に、当時の日本軍が押し入って来たとのこと。それを聞いた娘は、

「どうして日本人の私が居る前でそんなこと言うの?責められてるみたい…」

と悲しい気持ちになってしまった様子。
あぁ、ついに来たか…と思いました。東南アジアで暮らす以上、これは避けては通れない問題です。きっと他国のインターや現地校でも、同様の経験をしたお子さんは多数いらっしゃるでしょう。 

ここペナンでも、太平洋戦争中に日本軍が進駐した過去があり、残念ながら、反日活動などを理由に虐殺されたり、慰安婦を強制されたペナンの方々が居たことも事実なのです。気持ちが落ち着くまでじっくり話しを聞き、そして4つの事を娘に伝えました。

1)占領していたアジア各地で、日本軍が残虐な行為をした事実があること

2)戦争はごく普通の人間を狂気に駆り立て、通常では考えられない恐ろしい事態が発生し得ること

3)事実を知り、自分たちの世代でそれを繰り返さないことが大切であること

4)多くの国の友達と仲良くなることが、戦争を防ぐ方法の一つであるということ

様々な国の子どもたちと学校生活を共にし、自分が「日本人」であることを強く意識した娘。先生の話しを「関係のない昔の話」としてスルーせず、「自分の国が過去にヒドいことをした」と理解したからこそ、の涙だったワケで…「そう受け止められたことは偉いよ、正しいことだよ」と娘を大いに褒めました。

最後には、先生は決して誰かを責める気持ちで話したのでは無いということを理解し、さらに自分の担う役割を意識して、ちょっと誇らしげな表情の娘…立ち直ってくれてホッとした、母・Mangoなのでした。

日本の教科書には載っていない

日本軍の蛮行について、日本の学校で習うことはほとんどありません。その事を現地の人たちは知っているんです。なんと恥ずべきことか...

映画「The Garden of Evening Mists」について調べていたら、Facebookでこんなサイトがシェアされていました。英語ですが、タイトルと写真を見るだけで、どんな事が行われたか分かります。

日本軍がイギリス領マラヤ(当時のマレーシア)に侵攻を開始したのが1941年12月。

チャイニーズニューイヤー中も容赦ない攻撃

激しい攻撃が続き、旧正月(チャイニーズニューイヤー)のテーブルを囲む一家全員が惨殺された話も、マレーシア人から直接聞きました。この話を聞いた時も、辛かった...詳しい描写も伺ったので、その光景が頭から離れませんでした。

折しも、明日1月25日はチャイニーズニューイヤー。街中が赤く染まる華やかで和やかな雰囲気の中、当時の人々がどんなに恐ろしい気持ちでこの日を迎えていたか、想像するだけで胸が詰まります。

2013年に娘に伝えた4つのことを、息子にも伝えました。これを読んだ皆さんも、ぜひご家族で話していただけたらと思います。


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