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共感力を広げるために、子どもと人権について話そう

世界中に飛び火するBlackLivesMatter ムーブメントを通じ、子どもたちと「人権」「差別」について毎日話しています。

NY在住のライター、堂本かおるさんの記事を読んだり、

黒人差別に関するドキュメンタリーを観たりもしています。
ちょうど昨日、noteプロデューサー徳力さんが厳選ドキュメンタリーをご紹介されていたのでシェア。

「13th」は今こそ観たい1本。2016年の作品ですが、かつての奴隷制度が「刑務所ビジネス」として継続され、警察の黒人に対する横暴の後ろ盾になっている衝撃は、全世界が知るべきです。

「When they see us」は公開直後に観ましたが、あまりの辛さに何度も画面を止め、最後まで見終わるのに一ヶ月以上かかりました...。

とにかく、黒人の人々は想像を超える厳しい人生を歩んでいて、1964年に公民権法が制定されてから50年以上経っても改善されないという事実。それらを知れば知るほど、全人類、また次世代の子どもたちに多いに関係する事だと思わずにいられません。

子どもに望む唯一のこと

わたしは、子どもたちの仕事や住む国には口を出さないし、自分で決めた人生を好きに生きて欲しいと思っていますが、「ひとの痛みがわかる大人になる」という点だけは強く望んでいます。その為にマレーシアや旅先国の歴史を調べたり、事件やニュースの度に、親子で深い議論を重ねています。

そんな我が家に、先日こんなことがありました。

娘が「親しい友人と議論している姿」はなかなか衝撃的でしたが、理由は「友人のBlackLivesMatter に関する無神経な書き込みが許せなかったから」だそう。二人ともまだ若く議論方法には問題点も多々ありましたが、娘が人の痛みがわかる18歳に育っている事を誇りに思います。友人も、これを機に人権について考えてくれたら嬉しいなと思います。

差別や人権、子どもにどう伝えるか

保護者からは「差別や人権について、子どもにどう伝えたら良いか分からない」「年齢的に早すぎるのでは」という声も聞きます。

我が家では基本的に、一緒にニュースを読んで「ありのまま」に伝えています。小さいうちは年齢に応じてわかる言葉に置き換えて伝えたりもしましたが、基本的に事実を知るのに「早すぎる」という概念が無いので、伝えない選択は無かったです。

特に暮らしているマレーシアは「外国人労働者を安価な労働力として招き入れながら、劣悪な環境が改善されない」という差別や人権問題が間近なので、これも事実をそのまま話しています。

↓3年前の記事ですが、外国人労働者の待遇について書いたもの

自分が差別される可能性も考える

ありのままに伝える理由は『自分が誰かを差別しないこと=自分を守ること』にも繋がるからです。これ、いざ自分が被差別側の立場になった時を想像したら、すぐ分かりますよね。

でも「自分はそちら側にならない」と思っている人も多く、差別や人権には「自己責任論」がついて回ります。これは私も大いに反省すべき点がありました。自分もかつては「失敗は本人の努力不足」と思っていたからです...

人の痛みを想像することって、本当に難しい。きっと、本当の意味での「痛み」は本人にしか分からないでしょう。安易に「痛みがわかる」と口にするのもはばかられます。

そんな事を巡り巡って考えて、それでもやっぱり誰かの痛みを想像して寄り添う努力はやめたくないな、と思うのです。全部自分に返ってくることだから。

ひとりが動いても変わらないんじゃ?

子どもに差別を伝えて、何が変わるの?と日本人に聞かれたこともあります。わざわざ酷い世界を子どもに見せたり、知らせたりする必要あるの?と。

そういう考えもあるのでしょうけれど、私は反対です。「上部だけの綺麗な世界」を見て育つ事は、果たして正しいのでしょうか。

確かに、日本人がマレーシアの外国人労働者の待遇を変える事はできないかもしれない。個人でアメリカの司法制度を動かす事は難しいかもしれない。

それでも、声を上げ続けることが大事だし、自分の周囲だけでもフェアな世界にしたい。子どもにそれを伝え続けたら、次世代はもっと幸せな世界に近づくかもしれない。なので私は、諦めずに伝えていくつもりです。

親子で大好きなNas  DairyのYoutube。これを見たら「ひとりの力で世界が変わることもある」と希望が持てますよ!

↑英語音声のみなので要約を解説すると、髪型に関する校則を司法に訴えて勝訴した南アの女の子、デンマークで障害者の扱いが対等でない事を訴え続けた双子の兄、イスラエルでは月への旅を夢見た男性が国を動かし、韓国・ジンバブエ・アルメニアではデモで首相を変えた、という「改革は、いつも一人の人間から始まる」という話です。ぜひ見てください!

つい最近の日本でも、コロナの休業補償が出たのも、個人個人がネットで声を上げたことが大きかったですよね。日本も問題が山積みだけれど、やはり声を上げる事をやめたくはないなと思っています。

今世界で起きているのは他人事じゃなく、巡り巡って誰もに関わる問題なので、差別や人権について話すファミリーが増えて欲しいな、と願っています。

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多様性のマレーシア🇲🇾ペナン島から「マルチリンガル教育」「グローバル視点の生き方」「子どもの好奇心・主体性・思考力」をキーワードにお届けする…

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