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絶望の中にひとすじの光|「絶対幸せにする」とベトナム人に誓う社長

先日のnote「安い労働力」を搾取した結果、世界中で起きていることの中で、先進国が後進国を搾取する構造への問題提起をしました。

日本でも「ベトナム人技能実習生の過酷な労働条件」が度々ニュースになり、目にする度に胸が苦しい...。特にこの「駅に捨てられた」ニュースには、もう絶望的な気持ちになりました。どうしてこういう非人道的な事ができるのだろう?と不思議で仕方ないんですよね。

またこの手の話も真実であれば、もはや「戦時中の日本人の蛮行」から何も変わっていない、と言わざるを得ません。

このままだと、ベトナム行ったら日本人刺されるんじゃないかな?と思うくらい、ひどい。私、ベトナム大好きで何度も訪れてるし、また行きたいのにどうしてくれる?こういう「人を人として扱わない」話を聞くと、もう日本人どころか人間辞めたくなります。

「絶対幸せにする」と誓う社長

そんな絶望の中で見つけたドキュメンタリー。こういう人の痛みがわかる社長が、まともな会社が、まだ日本にもあった!と、ほんの一筋ですが希望の光を見た思いです。

「絶対幸せにしてやるから、心配すんな」。北海道千歳市で建設会社を営む山口健さん(39歳)は、4年前、ベトナムからやってきた技能実習生にそう宣言した。現在、24人のベトナム人技能実習生を受け入れている。さらに、実習期間を終えて帰国した彼らを現地で採用できるように、ベトナムでの案件受注も計画中だ。実習生たちと向き合う日々、背景にある思いを取材した。

■「こんな軽い気持ちで面接をやっちゃダメだ」
2016年5月、北海道千歳市の建設会社「久健興業」の社長・山口健さんは、同業者に誘われ、ベトナム・ハノイ市の日本語学校を訪れた。ベトナム人技能実習生の面接のためだ。「外国人の実習生なら人数が集まり、人件費も安い。ベトナムは物価が安いので、安い賃金でも喜んでくれる」と聞いて、興味を抱いた。建設業界全体で人手が不足し、求人を出してもなかなか集まらなくなっていた。
山口さんは面接をこう振り返る。

「その時の僕は、立場が上になったような気持ちでいました。ところが、なんで日本に来たいのかと聞いたら、『自分の国だけど、ここにいても何も夢がない。お金がない。チャンスをつかみたい』って。こんな軽い気持ちで面接をやっちゃダメだ、と罪悪感を持った。会社の苦境を助けてもらおう、でも来てもらうんだったら、そのぶん返さなきゃいけない。『絶対幸せにしてやるから心配すんな』と誓った」

山口さん自身、お金のないつらさを知っていた。16歳で父が亡くなり、家を失って家族が離散。友人の家を渡り歩いて暮らした経験がある。
「お金はないし、寂しいし、何もなかった。高校は2年で中退して、それからずっと仕事をしている。人種とか関係なく、寂しいものは寂しいし、つらいものはつらい。俺もそれ、知ってるよって。『絶対幸せにしてやる』という約束は守らなきゃいけないと思う」

「安く使える」と「幸せにする」その分かれ道

この山口社長、正直でまっすぐな方ですね。最初に抱いた「安く使えるなら」という気持ちを、包み隠さず話しています。

でも、現地へ行って実習生候補に会ってから「軽い気持ちで面接しちゃダメだ」「来てもらうからにはその分返そう」と気持ちが変わった。そして

『絶対幸せにしてやるから心配すんな』

と誓う。

おそらく、多くの会社が最初の「安く使える」というままなんでしょう。でもこの社長は彼らに出会って考えを変えた。

その違いは、この社長のバックグラウンドにあるのかもしれません。苦労した分、彼らの痛みがわかる。

でもどんな人でも、本来はわかるべきなんです。人種や国を問わず、人間は対等に扱われるべきだ、という基本くらい...。

この10分のドキュメンタリー、ぜひ多くの方に見て欲しいです。そして、全ての会社はいますぐ改めて、見習って欲しい。

山口社長は彼らを戦力として育て、対等に対価を支払い、実習を終えて帰国した後のことも考えているそう。この久健興業、何かの形で応援したいです。

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