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#これからの教育ー世界がN高に追いついてきた

昨夜こちらのライブを視聴しましたが、海外教育に携わる立場から見て、共感できることが多く面白かったです。N高の考え方は、限りなく海外インター校のそれに近い。そして「時代がどんどんN高に追いついてきた!」とも感じます。

個人的に興味深かった点をいくつか書いてみますね。

N高設立の目的と存在意義

入試は無いが誰でも受け入れるワケでは無い。学校は社会に適合する為に存在するので、最終的に実社会でやっていける子を受け入れる。全てを無条件に受け入れるのは逆に無責任。特性に合ったスキルを身につけ、それぞれ武器を持って社会へ出られるように教育する。教師によるコーチングや職業体験の提供もその一環。」

職業体験には農業や漁師などもあるそう。また教師にも多様性を持たせ、幅広いジャンルのスペシャリストが在籍。うん、素晴らしい。想像より地に足がついているという印象です。

受験勉強に勝ち抜いてきた人は常に勝とうとする。日本の教育でニッチを探すことは教えない。インターネットの世界もそう。viewの数やランキングを競っている世界では多様性が育たない。

ホントこれ!個人的にも数の多さや声の大きさが勝つ世界にうんざりなので、何度も頷きました。noteも同様に多様性を最優先し、多くのクリエイターが日の目を見る様に、ページビューランキングを出さないとの事。だからnoteの世界は居心地が良いのかと納得です。

母数の多さが可能性を広げる

N高は全国に15,000名の生徒がおり、生徒が参加するSlackには6000チャンネルが存在する。数が多過ぎて運営側も全ては把握しきれていない。(注:チャンネル=トピック)普通の高校ではマニアック過ぎて浮いていた子も、ここでは共通の趣味を持つ友人に出会える。

これ、まさに母数の多さによる利点ですね。普通の高校ではキャパシティ的に無理ですが、インターネットで学ぶ学校だからこその強み。でもここまで生徒数が多いと、教師が個々にコーチングしたりのケアが可能なのか?という質問が。

教員はTA(正規教員のアシスタント)も含めると1000名近く、生徒15名に対し教師1名。生徒数より教員数の伸びが大きく、今の正確な人数は把握できていない。

「生徒数より教員数の伸びが大きく正確な人数を把握していない」ってすごいなぁ!(笑)教師の多さが利点なのは、言わずもがなですね。

マレーシアのインター校は1クラスの人数が最大25名なので、N高での教師1人当たりの生徒数はさらに少ない計算になります。様々な無駄を省いて効率的な学校運営ができるN高だからこそ、だそう。

反転学習のススメー教師は教えなくていい

効率の話の中で、わたし的にハイライトかつ決定打なお話が出ました。

各学校で各教師が教えるのって、めちゃくちゃ非効率ですよね。誰か一人めちゃくちゃ上手い教師の動画を生徒に見せ、各教師はそれを元に生徒へ個別サポート、その方が効率いいじゃ無いですか。

これ、コロナ禍でオンライン授業が続く中、各国で叫ばれていること。いわゆる「反転授業」に近いです。

反転授業(はんてんじゅぎょう、英語: flip teaching (or flipped classroom))は、ブレンド型学習の形態のひとつで、生徒たちは新たな学習内容を、通常は自宅でビデオ授業を視聴して予習し、教室では講義は行わず、逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師が個々の生徒に合わせた指導を与えたり、生徒が他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業である。英語では、「backwards classroom」、「reverse instruction」、「flipping the classroom」、「reverse teaching」といった表現も用いられる。
(引用:Wikipedia 反転授業より)

川上さんの考えに心から共感です。反転授業、これを機に日本でも取り入れたら良いと思っています。

やりたいことを実現するために必要な教育を提供する

N高=プログラミングと思われがちだが、押し付けることはしない。基本的に生徒が望むものを提供する。AIを活用して○○が作りたい、という子が居たら必要なプログラミングを教える。海外の文献を読めるように英語も学べるようにする。

N高から東大合格者が出ていることについては、「生徒がやりたいことを実現するためのサポートを提供するので、その子が東大へ行きたいなら大学受験のサポートもする。受験勉強に意義を唱えてはいるが、官僚になって日本を変えるなど“東大卒でしかできないこと“もあるので。ただ、なぜ東大へ行きたいのか?そこは深く考えて欲しいとは思いますね。

何がしたいか?なぜそれがやりたいのか?それを問い続けることは生き方そのもの。その問い投げかける学校、まだまだ日本には少ないでしょうね。

学びが不要になる時代、コミュニティの楽しさが重要に

AI時代、学びは不要になってくる。だからこそ、勉強することによる“コミュニティの楽しさ“が無いと100年後に教育は残らない。

この川上さんの言葉は衝撃でした。教育自体が消えてしまう可能性...考えたこともなかったなぁ。でも“学校の役割がコミュニティである“ことは、登校できない状態を経て、私自身も大きく実感した事の一つです。

N高って「規定の枠から外れた子の特性を伸ばして、実社会へ送り出す学校」ですね。もっとぶっ飛んでいる印象だったので意外でしたが「個性を潰さずに最終的に実社会で生きていける」という理想を実現しているなと思いました。

あまりにぶっ飛び過ぎちゃうと適合が難しいからね...学校運営の視点では、このバランス感覚は大事かなと。(個人的にはぶっ飛びすぎてる人が好きですが!)

また、N高はnoteを通じて「学校教育に刺激を与えたい」とのこと。これからも動向に目が離せません。興味深いライブ配信、ありがとうございました。

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