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五日目 令和元年五月三日 十五時四十五分頃

 東海道中有松日本橋 満願大成就膝栗毛。五日目 令和元年五月三日 十五時四十五分頃。遠江國 金谷宿。

 川の上で泳ぐ鯉のぼり。前回、前々回の膝栗毛の時でも同じ光景が見られた。

 奥に見えるのは大井川鐵道 新金谷駅。矢印の部分に鉄道マニアっぽい人がカメラを構えていたので、機関車でも走り出すのかと思い待っていたが、なかなか来ないので機関車の撮影を諦めた。

 旧家加藤家跡。平成の世になっても、江戸時代の歴史的建造物をぶっ潰して駐車場を作る事があるのかと驚いた。田舎の人は本当に「自然」とか「歴史」とかが大嫌いなのだと痛感する。

 九番宿跡。宿と言っても宿泊施設ではなかったらしい。大井川の川越人足の詰め所だったようだ。人足宿から洋服屋に商売替えして、その洋服屋も廃業となった。

 金谷宿川越し場跡の説明看板。川越人足は、十五歳以下の弁当持ちから始まって、水入り、半川越と呼ばれる厳しい見習い修行を経て一人前になったと言う。高度な徒渉技術を身につけた熟練の技術集団だったようだ。

 矢印の前途は大井川なので、そこで街道は途切れている。現代の道は、堤防に沿って左に曲がり、大井川橋を渡る。街道筋につきものの床屋。往還の役目を終えたこの旧街道で新しく床屋を開業する意味は殆どないような気がする。江戸時代からの老舗だと考えればこの場での商売は納得できる。

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