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初日 平成三十一年四月二十九日 十八時頃

 東海道中有松日本橋 満願大成就膝栗毛。初日 平成三十一年四月二十九日 十八時頃。三河国 岡崎宿。

 永田屋精肉問屋。明治二十三年創業。大正のはじめに今の場所に移転し百年以上となる。第二次世界大戦の空襲にあってもこの伝馬通りで唯一燃えずに残ったらしい江戸時代の東海道とは関係が薄い

 紙問屋 糸屋小野惣七郎商店。十年以上前に廃業したようだ。

 備前屋。ここでお土産に銘菓「あわ雪 」を買う。

 初日の膝栗毛はここで終了。この地で宿を取りたいが、太平洋戦争の空襲で岡崎の街はほとんど焼失し、江戸時代の旅籠や明治大正昭和初期の古い趣のある宿屋は全く残っていないようだ。終戦直後のボロ宿でもあれば泊まる価値があるが、わざわざここで味も素っ気もないビジネスホテルなどに泊まる意味はない。

 名古屋鉄道 名古屋本線 東岡崎駅。ここから電車に乗って家に戻り、自宅で「宿泊」する。駅や電車も宿泊施設の一部と考えれば、江戸時代の膝栗毛と全く違いはない。電車に乗るのは、今回の徒歩旅行におけるいわゆる「移動」ではないのだ。

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