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言葉遊び短歌series
愛といふ生きてゆくなら美しき得もいわれぬもの贈りたき君
悲しみの記憶の彼方暗闇を消し去る清き声を届けむ
坂の上静かな風の過ぎてゆく迫り来る冬傍には貴方
頼りなき地を踏みしむる月の夜手を取り合ひて溶けてゆきたし
懐かしき楡の木陰の温もりに猫の親子の長閑なる日々
儚くも広がる雲の吹き過ぎて平野に添ひし北限の空
眩しきは峰より落つる紫の巡り逢ふ陽と朦朧なる月
柔らかな命の泉豊かなる縁を結ぶ
図書館連作series 夏の恋
1住まう家 さがすがごとく 吾がこころ
君との刻を 求めゆく夏
2晴れ渡る 明るき空の 穏やかさ
眺めているか 君もこうして
3淡き蒼 空に溶け込む 初夏の朝
このやさしさを 君に見せたく
4君の名を 探して過ごす 朝の刻
なぜにこれほど 愛しく想ふ
5変えられぬ 過去を思へば ただ一人
佇む朝の 切なきことよ
6溢れくる 明るき陽射し 受けながら
君を恋しく 想ふこころよ
7君からの
短歌連作series 春に詠む
短歌連作 「春に詠む」三十四首 2015年春
空眩し 軽きめまいに 襲われて 視線の先に 吾が影が伸び
影が落ち 光も落つる 月夜には 水面に静か 二つ目の月
朧なる 月の息づく 春の夜に とけて流るる 光の雫
息づくは 月の兎の 優しさで 夜を駆け巡る 吾が物想ひ
夜半に咲く 虞美人草の 想ふ場所 愛しき人の 生きてゆく場所
朱に染まる 朝の道には 風に揺れ 肩を並べて 進みゆく