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IB教育から考える(スクールバス編)

学校現場でのトラブル

子どもがいれば、ぶつかるし、意見言い合うし、
いろいろな問題が勃発するのは仕方がない。
むしろ、問題が起こらない方が気味が悪い
彼らは、これらの問題と向き合って学ぶのである。

今回はスクールバスでのトラブル
まぁ、仕方ないだろう
教員が乗車せず、運転手さんと添乗員さんだけの空間になり
子どもたちが騒ぎ出さす。

今回も子どもたちから、「バス内がうるさい」という声から、
臨時のバス集会

IBでの概念型学習

IBのPrimary Years Programでは7つの概念を通して学習する
・特徴(Form)
・機能(Function)
・原因(Causation)
・変化(Change)
・関連(Connection)
・視点(Perspective)
・責任(Responsibility)
これらの概念を通して学びが展開されていく

話し合いの展開

今回の集会で与えられた持ち時間は15分間
約30名近くの児童と一緒に話し合いある程度の方向性に導く必要がある
但し、教員がただ注意するのではなく、
子どもたち自身が自分たちで考えて、納得し、
行動へ移せるようになる必要がある。

私の中でのカウントダウンがスタート

まず、教室に来た児童に対し
「いろいろな学年の子が混ざるようにバランスを考えて座ってね」指示
ただそれだけの声掛け

1つ目のトーク
「2学期に入りバス車内の様子はどうですか?」
チームでの話し合い2分
2~3人に当ててチームで話し合ったことをシェア
最後に6年生に「つまり…どういう状況なの?」と聞くと、
「バス車内がみんなにとって居心地がよい空間ではない」

2つ目のトーク
「じゃぁ、その原因はなんだと思う?」
チームでの話し合い2分
2~3人に当ててチームで話し合ったことをシェア
「つまり…」
「ルールが守れていない」

3つ目のトーク
「ルールって何のためにあるんだろう?」
「守らないルールならいらない?」
個人で考える

4つ目のトーク
運転手さんの思いを聞かせてもらいました。
・運転手さんは責任をもって仕事をしていること。
・それは、みんなの命を守り安全に送り迎えをすること。
・そのために、集中して運転していること。
・集中して運転するために、車内がうるさくても注意をしないこと。
・それは、注意をすることで、自分の集中が途切れるから。

5つ目のトーク
「では、バス乗車するにあたり責任をもった行動とはなんだろうか?」
今回の話を理解し、その行動がとれる人はバスに乗車するように指示

この5つのトークが15分間で終了し、
子どもたちが真摯に受け止めていたこと
それがIBで学習してきた成果なのではないかと感じた。

彼らは、概念の「特徴」「原因」「責任」を通して、今回の問題を考えた。

教室に残る子どもの存在

ほとんどの子が静かにバスに乗り込んだ
しかし、数名教室に残る子どもたち
その子は、今回問題を引き起こしていた要注意の子たち

彼らは、なぜバスに向かおうとしなかったのか…

自分の行いを振り返っていた。
しかもみんな泣きながら、

「私は声が大きい。だからいつも大きな声を出しちゃってた。でも、
今回の話を聞いて、私が運転手さんに対して嫌な思いをさせちゃっていた」

「運転手さんが僕たちに注意しなかったのは、
それを許しているのではなく、自分の仕事に責任をもって
運転していたからなんだ。」

つられて、こちらも涙がでそう。

今後の動き

さて、今日はうまく話し合いが進んだからといって、
急によくなるわけではない。
経過観察が必要になってくる。

彼らとしても、車内で友達と話がしたい。
でも、運転手さんの安全を考えると自分たちの気持ちが通せない。

「どうしよう?」

だから考えるんです。
Aの意見も大切。
Bの意見も大切。
どちらかに決めるのではなく、
新しいCの意見があるはずです。

子どもたちの学びはまだまだ続きます。


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