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憧れの君 #エッセイ

大学の研究室は
自分に足りないものを示してくれる
先生のところを選んだ。

自分と正反対の同級生が
いるところを選んだ。

私が当たり前と思っていることが
彼らにとっては異端で
彼らに対して尊敬・畏怖する点が
彼らにとっては何気ないことだった。

長い間、私は彼らを畏れ、
必要以上に緊張し、
親しい間柄をつくっていくのに
自ら時間をかけすぎてしまった。

これはとても、もったいないことだった。


ある日、
同級生のうちの1人と
2人で外を歩く機会を得た。
ほんの短い時間だったが、
思いの外自然に話すことができ、
それが本当に嬉しく、幸せだとすら思った。


小さな、なんてことない、
お互いのいいところ、
すごいと思うところを、
謙遜混じり、お世辞混じりで話した。

彼は、料理やお菓子づくりが上手だった。

料理は好きだから、
テレビとかでやってたもの試すけど
お菓子作りは、もっと上手くなりたいから
自分で本買って、練習するんだ。


漠然と、憧れている君も

当たり前に何かを練習して

ふつうに、何かを好きになって

頑張りたいことには少しお金をかける

そうやって、
できることを増やして
ただ、君として在るだけなんだな。

もっと、シンプルに
君たちと向き合えたら
よかったなぁ。

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