葛藤

とうとう、主治医から言われてしまった。

「アルバイト、辞めてもいいんじゃない？」と。

今まで、適当にやり過ごしなさいと口を酸っぱくして言ってくださっていた。

辞めてもいいって言われたのは初めてだったし、そういったことは言わないようにしているのかなと思っていたからビックリした。

もう本当に最近波が酷い。

身体は動けているけれど頭の中は常に赤信号。

だから、店長に言おうと思ったんだ。

主治医から言われたことを。

でも、出来なかった。言葉では上手く話せる自信もないし、散々苦しめられた人に話しかける勇気が出なかった。

そんな自分が情けなくて。

もう、なんかどうでも良くなってしまった。

バイトの帰り道に、信号無視して突っ込んでやろうかなとか考えていた。

アルバイトの前は眠れなかったり、食欲が無かったり。終わったあとはぐったりして動けない。

実は病院に行く前、過呼吸にもなり、動機もした。

薬をどこかで間違えて多く飲んでたみたいでその日の朝の抗うつ剤が無かったからだと思う。

ああ、私は薬がないと生きられないんだなと絶望した。

結局何も言えないままシフトを終えて、シフト中は頑張って無理やり気分を上げるからなんとかなったけれど、車の中にある薬を見た瞬間、どっと苦しみが湧いてきた。薬は前回よりも増えた。

理想と現実。その狭間で葛藤している。

家族も、もう、そんなに頑張らなくていいんじゃない？と言ってくれている。

そんな声に甘えて辞めてしまおうか。

でもどこかで

まだキラキラと働けている私を想像してしまう。

この鬱期を乗り越えられたらまた楽しく働けるのではないかと期待してしまう。

最後は必ず私が結論を出し、選択しなければならないのだ。

きっと正解は無い。どんな道を選んでも後悔だけはしたくない。

もっと考える時間が欲しい。

でも既に赤信号は出ている。

勇気を、出さなければならない。