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田舎で生まれ育ったわたし


10年前の日記。

わたしの両親は共働きで忙しかったので、帰りも遅く、あまり家にいませんでした。ですが、わたしは祖父母もいっしょに暮らしていたので、ありがたいことに学校から帰ると、必ず祖父母が迎えてくれました。

おじいちゃんが亡くなってから、五年が経ち、
おばあちゃんが亡くなってから、二年が経ちます。
いまでも、おじいちゃんの「おかえりなさい」と、おばあちゃんの手料理が恋しくなります。

いつでも食卓にならぶものは、野菜も味噌も米も、全部おばあちゃんの愛情たっぷりに作られたものでした。
季節ごとに、旬のおいしい料理を作ってくれました。
なので、季節ごとに、それらの料理が恋しくなります。

おばあちゃんが亡くなって、もう一生食べられないはずだった、おばあちゃんの作ったじゅうねんのおはぎ。
冷凍庫の奥に眠っていたじゅうねんが、出てきました。

おばあちゃんが作ってくれたように、おはぎにしました。
香りは弱くなってしまっていたけど、とても懐かしい味で、とてもあったかい気持ちになって、

生まれて初めて、食べ物を食べて泣きました。

ビルの立ち並ぶ都会で育った子どもたちは、こんな体験は出来ないのかもしれません。

ほんの少しでも、手作りのあたたかみを、自然の恵みを、感じてもらえたらと。

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10年経っても、相変わらずおばあちゃんのおはぎが恋しくて、いまはじゅうねん(えごま)を畑で育てています。
今年は自分で育てたじゅうねんのおはぎが食べられるかも。

きっと、おばあちゃんの味には敵わないのだけれど。

まだまだ小さな畑ですが、そのうちいろんな方に田舎の暮らしや畑で野菜を育むことのたのしさを体感してもらえるような、そんな時間を共有できたらいいなと考えています。


manami



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