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自分の主体性と他人の主体性を叶えるためには何が必要なのか

この記事はこんな方向けに書いています:
・自分で自分の人生を選ぼうとしても、何か邪魔してしまう
・学校や企業で「主体性を発揮してほしい」と言っているが、言動が合っていない気がする
・いじめ、アファーマティブ・アクション、性別分業などの社会問題について何かもやもやする


本noteは「主体性と力」シリーズの第二弾です。
個人が組織や社会の中で主体性を発揮するのはなぜ難しいのか、という問題について考えていきたいと思います。
第一弾のnoteはこちらから。



さて、前回のnoteでは「主体性 (agency)」とは「どの選択肢を選んでも不利益を被ることがない状態で、個人が積極的に選択できること」であり、社会に潜在する「力 (power)」すなわち「個人がある選択肢を取るように、組織的・社会的に働きかける圧力」がその主体性を阻むことがあるという話をしました。

この問題を解決するために:

  • 個人が主体的に選ぶための判断軸や情報を持つこと

  • 組織や社会が力関係を認識して、力ではなくリーダーシップを通して個人を導くこと

という二点を挙げたのですが、この解決策のステップをもう少し分解してみたいと思います。


個人の主体性を組織・社会の中で発揮するためには、次の四つのステップが必要です。

①主体性 (agency)
…自分がどういうときに心から主体性を発揮できるのか、自分の原動力(性格・特性、興味関心、原体験)を知る

②公平性 (equity)
…主体性を発揮するにあたって、自分はどう社会と接続していて、どんな影響力を受けているのか知る

③民主主義 (democracy)
…他人との対話を通じて、自分の主体性と他人の主体性が共存する知恵や工夫を模索する

④リーダーシップ (leadership)
…自分自身が力を持つ立場になったときに、自分の力の影響力を理解して、他人が主体性を発揮できるように働きかける



通常、主体性の話をするときは主に①だけが語られます。
それでも真の主体性が発揮されることが少ないのは、個人の主体性は必ず組織や社会の中で発揮されるものであり、何の話し合いも行われないAさんの主体性とBさんの主体性が競合したり矛盾したりすることもあるからです。
共存しない場合、力が強い者の主体性によって、力が弱い者の主体性は押さえつけられ、力が弱い者は健康を害したり、あるいは話を聞いてもらいたいと暴徒化したりします。


主体性を組織・社会で発揮するためには、自分自身をよく知ることだけでなく、社会の力を知ること(=公平性)、他者と一緒に社会を創ること(=民主主義)、そしてリーダーとして聴こえない声にも耳を傾けながら、他者が主体性を発揮して輝くことができるようにする方法を実践すること(=リーダーシップ)が必要なのです。


皆さんはピラミッドの四つのステップの中で、日々実践していることはあるでしょうか?

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