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高校生4人のグループが「アフリカの教育格差・貧困をなくす」プロジェクト。学びたいのに学べない子をなくしたい

こんにちは。MANAI(マナイ)広報のヴィアナです。

MANAIとつながりがある方にお話しを聞く「MANAIピープル」、第3回目。
今回は1月31日から3月30日まで開催した、データサイエンス講座に参加していた生徒さんのグループです。

データサイエンス講座では、それぞれ生徒さんたちをグループ分けし、課題に取り組んでもらっていました。このグループは最終課題の「AIによる社会・企業の課題解決を考える」で『無差別教育』という発表をしました。アフリカ・ウガンダで、教育を受けたいけれど受けられない人たちを減らすことを目的としたプロジェクトに取り組んでいます。

インタビューに答えてくれたのは、

大隅拓海(おおすみ たくみ)さん(用事があり途中参加)
佐藤彩海(さとう あやみ)さん
清水奏汰(しみず かなた)さん
若松虹凜(わかまつ にこり)さん

の4人です。

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データサイエンス講座時の写真
左から、虹凜さん、彩海さん、奏汰さん、拓海さん

MANAI「無差別教育はデータサイエンス講座の最終課題として発表されましたね。『貧困による教育格差をなくし、学びたいのに勉強に取り組めない子を少しでも減らす』が、コンセプトですが、この案を思いついたきっかけを教えてください」

奏汰「1人1人『AIで解決したい案』を持ち寄った時、自分たちが勉強する上で、効率よく質よく勉強できるようになるといいねという話しになって。あとは、学歴関係なく過ごせる社会があればいいね、とか、貧困についても話しが出て。だったらそれらを組み合わせたらいいんじゃないかと」

虹凜「あの時たまたま中間試験とかがあって、勉強から教育関係へ話しが派生していったんですが、私たちみんなバックグラウンドが違うんです。例えば彩海はマレーシアに住んでいたり、拓海はイスラエルやフランスにいたり。私は中学受験の時、勉強で疲れちゃってたんですが、午前中は仕事で勉強できないから夜に道端のライトの下で勉強している子の写真SNSを見て『勉強できる環境って当たり前じゃないのに、生ぬるいこと言ってるんだろう』って思いました。教育を受けたくても受けられない人が大勢いることに気付いて『なんでこんなに世界と日本って違うんだろう』って。それがずっと心につっかえていて、教育に対する違和感を覚えました。恵まれた環境にいる私たちが、教育を受けられない子たちにつなげていくことが使命なんじゃないかなって思って、世界に発信していきたいなと」

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虹凜さんが見た写真
©AFP

彩海「私は最近までマレーシアに住んでいたんですが、発展途上国ですけど活気がすごいんです。IT企業が進出したりと人の流れも多くて。日本に帰ってきたら、なんか暗いんです。日本は物が揃ってるのに暗くて、マレーシアは物がないのにむっちゃ元気なんですよ。そこに大きな違和感を感じるようになって。これってもしかしたら、日本には希望がないからみんな暗いのかもしれないっていう自分なりの結論がそこにあって。じゃあ、どうやって希望を作るのかっていうと、子どもたちが自分で行動できるようになればいいと思いました。いろいろな人にお話しを伺っていて気付いたのが、保護者が子どもを否定していることが多いと気付いて。子どもたちが自分の声を出せて、他の子の個性も受け入れる。そんな社会を作りたいっていう思いがあります」

奏汰「僕は小学校受験して、学校でちゃんと成績を取っていれば中学受験も高校受験もせず大学に上がれるんです。学校で全然勉強に興味がないけど、進学するためだけに学んでいる人たちが多いのを見て、それってどうなのかなって違和感を感じてました。自分は受験がない代わりに、いろいろなことをやってみようと思っていて、効率よく学ぶ方法に興味を持って教育いいなって」


MANAI「貧困についての考えも教えてください」

彩海「貧困って、生きるスキルがないから生まれるんじゃないかって。そもそも何も知らない状態で生まれて、勝手に何でもできるようになるわけがないので、ちゃんと大人になって自立する、サバイバルできるっていう状態に持っていく方法は何だって考えた時に、教育要素が大きいんじゃないかなって考えてます。お金がないから勉強できないっていう環境のせいでだめになってしまうなら、勉強やスキルを身に付けられる場所があればお金を自分で稼ぐ力が身に付くんじゃないかな、と。学ぶ機会がないのを改善したいんです」

奏汰「僕は、教育を受けられない子たちは情報格差も抱えているのかな、と思っていて。職業の選択肢もだし、例えば世界中のはやっていることとかも情報が入ってこないから、選択肢が狭まっちゃうっていうつながりがあるのかなと。教育がその改善につながってくるんじゃないかと思います」

虹凜「私は貧困って、衣食住に困るのもそうだし、最終的に選択肢を考えること自体がなくなることかなって。選択肢を増やすことにつながるのは、教育で世界を知ることだと考えています」


MANAI「本当にみんな全然違うバックグラウンドですが、それもチームの強みとなっていますか?」

虹凜「はい、私たちは頭脳派とフィーリング派の2つではっきり分かれているところが強みだと思います。アクセルとブレーキというか。彩海と奏汰はブレーキですね。わたしと拓海はアクセルで、変な方に行くと、彩海と奏汰がぱっと戻してくれます。全員の役割がかぶってないから、ちゃんとチームが成り立つ」

奏汰「あんまり直接会っていないのに仲がいいと思います。みんな1人1人それぞれが意見を持っていて、深く話しができているからだと思います」

虹凜「一昨日も盛り上がったよね。ディスカッション中は自分でもびっくりするくらい燃えちゃって。バチバチっていうか。反対意見を言われたら、普通は対立しちゃいがちだと思うんですけど、メリハリがすごいから話し合い終わった瞬間、普通の会話になるんです。だから『これ言わないほうがいいかな』とか気にしないで話せます」

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中段左でギターを持っているのがMANAIの野村です
拓海さんも一緒にギターを持ってくれました


MANAI「ちょっと戻って、なんで今回アフリカ、そしてウガンダに注目したんでしょうか」

虹凜「実は拓海が学校のプロジェクトでウガンダを調べていて、ウガンダの現状について詳しいデータがあって。見てみたらアフリカの最貧国だとわかったのでここになりました。あと、個人的には小さい頃からアフリカに親近感があって」

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一般財団法人 日本国際協力システム(JICS)から
お写真お借りしました


MANAI「親近感って具体的にはどんなことなんでしょう」

虹凜「ご飯を残したりすると、アフリカの孤児の動画を見せられて、世界にはご飯を食べられない人がいるというのを教え込まれてきたので、ひとごとではなくて」


MANAI「データサイエンス講座の最終課題で、このプロジェクトはどう進めていくかのステップをプレゼンしてくれましたね。今はどんな風に実現していきたいと考えていますか?」

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虹凜「大きい目標と小さい目標があります。大きいものは、貧困による教育格差をなくす、小さいものは、やりたいのにできない、をなくすことです。このプログラムを終えた生徒全員が、教育を武器にして声を上げたり、社会に貢献できるようにしたいと考えています」


MANAI「みなさんはそれぞれ具体的にどんなイメージを持っていますか?」

拓海「自分にはできることがあるんだ。この世界を変えられるんだ。と思っって欲しいです。そのためには私たちは何でもします」

奏汰「子どもたちがたくさん夢を持てるように、貧困により教育が受けられない子供たちに教育を与え、底上げをしたいです」

彩海「学びたいと思っている子供たちに金銭の有無関係なく学べる環境を作りたいです」

虹凜「自分には可能性があるんだって知ってほしいです。何も知らないまま過ごすなんて、生きるのをやめることと同じだと思う」


MANAI「話しは全然変わりますが、このプロジェクトに無限の予算があったら、何をしますか?」

虹凜「6つステップがあります。
1 アフリカに長期滞在して『アフリカ人だね』って言われるくらいまで、現地の人の気持ちを理解する
2 政府の人に会いに行ってインフラ整備を訴えます
3 政府の人が共感してくれて、インフラが整ったら
4 エンジニアを雇って、アプリとかを作ってみんなが使いこなせるようなシステムを開発、整えてからアフリカ全土にデバイスを配ります
5 教育を受ける環境が整ったので全世界からハイレベルな先生を雇って
6 小中、高校、大学を建てて

学校がない、先生が足りない、を解決したいです」

奏汰「生徒をグループじゃなくて、1人1人に合った対応、一対一でできるようにしたら、より的確に教育が与えられるんじゃないかなって思いました。あと、質問の解釈が違うかもしれないんですけど、無限に時間が欲しいです。無限にお金があったらこのプロジェクトは完璧に解決できちゃうじゃないですか。無限に何かがあるって考えた時に、時間だったらいいのかなって。情報を集めたりできるし、教育格差って時間かけなきゃ大変なところもあると思います」


MANAI「このプロジェクトを実現させるにあたって、外部からどんなサポートが必要だと思いますか?」

虹凜「現地で教育に関わる人たちの生の意見が足りないと思ってます。今はインターネットでのリサーチに頼りにしてるけど、それは違うと思っていて。教育を受ける子ども側、教える先生側、親たちのアフリカの声というか。そこを聞くためのコネクションがあったらすごくいいなと」

奏汰「あと、フィードバックが必要だと思います。このプロジェクトを進めるのに、いくらかかるのかとか全くわからないし、迷った時には野村さんや他の人に聞いてもらっていい方向に進むことが多いので」

彩海「インターネットで直接現地の人に意見をもらおうと思っても、貧しい人を対象にしているのでネット環境を持っていないんです。現地の人が本当に欲しいものは何かって探っていく上でコネクションは必要だなって思うのと、本当に私たちがやっていることが正しいのか、これでいいのかっていうフィードバック、この2つは本当に求めているものです」


MANAI「ありがとうございます。では最後に、将来の夢や、今興味のある分野を教えてもらえますか?

拓海「起業に興味があって、特にソーシャルベンチャーとか。世界を助けながら、利益も作るっていいなと。あとは大きな会社を作って、日本の風潮とか経済を改善してもっと国をより良くする、日本を助けるような会社を作りたいなと思ってます」

奏汰「僕は、いろいろあって。もともとデザインとか、バスケットボールをしていたので運動療法とかリハビリにも興味があって。最近は筋膜リリースの資格を取ろうと思って勉強してます。これまで好きなことをやらせてもらってたので、好きなことを生かせるように、勉強を頑張って活躍できたらいいなと思ってます。あと、教育系にも興味があるので、こういったプロジェクトにももっと参加していきたいです」

虹凜「やりたいことがありすぎるよね」

一同、笑う。

彩海「私もいろいろあるんですが、私はマレーシアに住んでいたので日本と比べて漠然と『日本をもっとよくしたいな』って気持ちがあるんです。子どもたちが生きたいように生きられるようにするマインドを身に付けられるよう何かしたいって思いが強くあって。教育分野に興味があるので、特に勉強する中で意味を感じられるようなシステムとか、プラットフォームを作りたいなと思っています。例えば『三角関数っていつ使うんだろう』って思っていたんですが、音楽にもつながっているんです。音の波が単振動と同じ運動をしているため、三角関数を使って音階を振動から分析することができるんですよね。学校で学んだことが意外と身近にあり、意味を理解することで身近なことにつなげていけるものを作りたいです」

虹凜「一番直近だと、高校在学中にスタートアップを始めたいです。承認欲求を満たすアプリを開発しているので、それで起業したいなって」


無差別教育プロジェクトグループは、高校生の実現したい挑戦やアイデアをプロが全力でサポートするプログラム『BLAST!』に参加しています。彼らのことを詳しく知りたい方はインスタグラムでフォローしてくださいね。


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