見出し画像

ラベンダー畑で花嫁になる夢を叶えた日に、新たに生まれた夢。

私には、こころのふるさとがある。

それは生まれ育った場所でもなければ、親元を離れて初めて一人暮らしを始めた場所でもない。いつもこころのどこかに存在していて、ふとした時に思い出す場所。

初めて足を運んだのはたしか中学生のとき、夏だった。ハーブ好きの母に連れられ降り立ったのは、北海道の中富良野町。濃い紫の花穂をつけたラベンダーが一面に揺れていた。紫色の海の景色に圧倒される間もなく、自分のまわりをやわらかい、でも深い香りが包む。私は一瞬でこころを許した。

その日から私の夢の一つに、“ラベンダー畑でお嫁さんになること”が加わった。いま思えば簡単に実現できる話ではない。パートナーの理解や、費用、居住地からの距離など、越えなければならないハードルはいくらでもある。それでも、私はこの夢を叶えることになった。

画像1

お世話になったのは、Lykke Photo Styleさん。事前にカットイメージや、ドローン撮影(動画)イメージなどをお伝えし、撮影に臨んだ。

当日の天気は曇り予報だったが、撮影時は奇跡的に晴れ間が見え、北海道らしさをより感じられる写真になった。

画像2

爽やかな風に吹かれながら、こころのふるさとで、だいすきな人と撮る前撮りは、幼い頃から思い描いていたよりもずっとしあわせな時間だった。

何より嬉しかったのは、夫に私と結婚してよかったと言ってもらえたこと。もちろん私の強い希望により実現したのだが、あたり一面に広がるラベンダー畑で結婚という2人の節目の記録を残す意義を共有できたのだと思う。

その後、私たちは新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえ、予定していた結婚式を延期した。ゲストの健康への配慮が一番の理由だが、決断できたのは、この日の記憶と手元に届いたたくさんの写真たちが、結婚を祝福するように、満たしてくれたからだ。

いつか子どもができたら、一緒にこの場所を訪れたい。母が私を連れてきたように、私もこの景色を見せてあげたい。それが、この夢を叶えた日に抱いた新しい夢。

画像3

夢は、夢をつなぐ。そして希望を生む。その希望に照らされながら、終わりが見えないウイルスが蔓延する日々も、前を向いて歩いてゆこうと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?