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プロジェクトが「見えない」ときの対処方法

プロジェクトでは混乱や行き違いといった悩みが生まれます。実際にプロジェクトに関わっていると、こんな声をよく聞きます。

その結果、モヤモヤとストレスが溜まったり、チーム内で混乱や行き違いが生まれて険悪な雰囲気になったりします。その原因のひとつが、「見えない」です。

「見えない」

「見えない」がネガティブな状態を引き起こしている、という経験のある方は多いと思います。

プロジェクトでは「見えない」がよく生まれます。運がいいとか悪いとか、メンバーの能力があるとかないとか関係なく、どんなプロジェクトでも起こる可能性を持っています。それは、プロジェクトが「誰もやったことがない」という特徴を持っているからです。

「見えない」にどう対処するか?

誰もやったことがないので求めても答えは出てこず、自分たちのやっていることが正解なのかも分かりません。プロジェクトは実際のところはやってみないと分かりません。そのため、対処するには次のような考え方が必要になります。

まずは「最適解を探す」という考え方が重要です。プロジェクトのゴールである成果や、成果につながるアクションに対して、「何が目的なのか?」という判断基準を持ち、それ対して最適な解を探すという考え方です。
つぎに「進めながら」という行動が重要です。限られた時間の中で前に進め成果につなげるためには、進めながら「何をすればいいか?」という方針を設定する必要があります。方針が「見えない、分からない」のであれば「見える、分かる」ようにしなければ始まりません。
「そんなのあたりまえでしょ、そうならないから困っているんだけど…」と思う方は与えられるのではなく能動的に設定する、という意識を持つ必要があります。

2つのツール

「見える」ようにする専門的な手法はありますが、使いこなすのが難しかったり、整理すること自体に労力がかかったりします。「見えない」と感じている状況でプロジェクトを進めたいときには、できるだけ労力をかけずに「見える」ようにし、具体的なアクションをとれるのが理想です。一例として、management studio Programで用いている方法を紹介します。「見える」ために行う整理、つくるツールは2つだけです。

ロードマップ

「時間」を見えるようにする方法が「ロードマップ」の作成です。ロードマップはただのスケジュール表ではありません。時間のながれが可視化されることが重要です。

「management studio Program」
ロードマップのポイント
「management studio Program」
ロードマップのつくりかた

どんな順番でいつ何が起こり何にどのくらいの時間がかかるのか?ながれの中で重要なところはどこか?ヤバそうなところはどこか?ということを、時間軸で流れを可視化することが重要です。

タスクリスト

「成果へのアクション」を見えるようにする方法が「タスクリスト」の作成です。

「management studio Program」
タスクリストのポイント
「management studio Program」
タスクの洗い出し
「management studio Program」
タスクリストのつくりかた

タスクリストは、出てきた問題や課題を記録する管理表ではありません。現時点からゴールに至るまでにやるべきこと、やった方がよいことを、先行して書き出したものです。今は出ていない問題やリスク、また、より価値の高い成果を実現するためにチャレンジすることを考えてアウトプットしたものです。

成果への「経路」は変わる

「ロードマップ」と「タスクリスト」によって時間と成果への「道筋」が見えてくると「見えない」状態はかなり解消されます。「経験がないからつくれない」「そのとおりに進まないかもしれないから間違ったものをつくりたくない」と手が動かないなら、「ロードマップとタスクリストは変わるもの」だと考えてください。

この2つのツールはプロジェクトの「経路」を可視化しているツールです。プロジェクトは進捗によって変わります。プロジェクトにとって大事なのは「目的」を成果によって実現することなので、そこに至る「経路」が変わることは問題ではありません。またひとりで完璧なものをつくる必要はなく、意見を取り入れて変えていくことも重要です。進めるきっかけとして見えないものを見えるようにする、というアクションがプロジェクトにとって意味があります。

「可視化」は基本、でもスキルの差が出る

プロジェクトが「見えない」ときの対処を簡単にまとめると、次のようになります。

見える=可視化することはプロジェクトマネジメントの基本です。ただし、それが簡単にできれば悩みはありません。可視化にはスキルの差が出ます。「どうすれば見えるようになるか?」と考えスキルを伸ばすチャレンジをすることはもちろん大切ですが、一方で「可視化のスキルに長けたメンバーを加える」という選択も、チームマネジメントという視点ではプロジェクトにとって大切な発想です。

P.S.
より具体的なロードマップとタスクリストのつくりかたは、改めて別の記事にしてみたいと思います。

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