「少し欠けている様」を好んだ日本人
我が家で「月暦カレンダー」を使っていることは前回書いたが、また気になる豆知識を発見した。「栗名月」についてである。
【栗名月】
「旧暦九月十三日のお月見のこと。日本独自の風習で、栗を供えることからこの呼び名がある。十三夜の月はまん丸ではなく少し欠けている様が、昔から風流を愛する日本人に好まれてきた」
「まん丸ではなく少し欠けている様」を愛でる感性。いいではないか。
きっとこのような感性は、当時の人間観にも通じていたと思う。完璧な人間などいるはずもない。だがそれを「悪いこと」「克服すべきもの」としてとらえるのではなく、「愛おしい」ものとして楽しむ。
そしてきっと、そういう世の中のほうが、みんな生きやすいのではないか。
これからの人生の中で、誰かに自分の不完全さを指摘された時には、この「栗名月」の話を教えてあげるといいだろう。
きっとさらに怒られるはずだ。
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