News in Brief (31 July 2023) メモ #53

気候変動政府間パネル (Intergovernmental Panel on Climate Change, or IPCC) が温暖化の脅威 (the threat of warming) を過剰に述べる (overstate) ことを警告したという記事。

overstate = exaggerate, embellish, inflate, amplify など。反意語は understate。 cannot be overstated は「どんなに強調してもしすぎることはない」ですね。

IPCC とは以下のような機関です。

気候変動政府間パネルは、気候変動を評価する主要な機関である。国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって設立され、気候変動の状態とそれが経済社会に及ぼす影響について明確な科学的見解を提供する。IPCCは、気候変動の理解に関連する世界の科学的、技術的、経済社会的情報を検討し、評価する。IPCC自体は調査研究やデータの監視を行うことはない。事務局はジュネーブのWMO本部の中におかれ、職員の数は13人である。IPCCは国連加盟国とWMO加盟国のすべてに開放され、IPCCビューロー(議長団)と議長は全体会議で選出される。

https://www.unic.or.jp/info/un/unsystem/specialized_agencies/wmo/ipcc/

2023年7月25日から28日にかけてケニア共和国・首都ナイロビで、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第59回総会」が開催されたそうです。そこで新たにJim Skea氏がIPCCの議長 (head)に任命され、“The world won’t end if it warms by more than 1.5 degrees.” とメッセージを述べていました。

温暖化を1.5度に制限する目標を重視過ぎないよう (put too much value on the target of limiting global warming to 1.5 degrees Celsius) 警告がなされていました。国連の見通しでは、各国の現在のコミットメントはこの目標に足りていない (countries’ current commitments are likely to fall short of this goal) とされているなかで意外な対応です。

fall short of {目標・基準・期待を表す名詞句} で「~に達しない、~ほどではない」です。反意表現は come up to …。ですが、come up to も否定文で使う傾向にあるようです。

{place, set, put} a high value on ... は「~を重要視する」。highの代わりに low を使えば「低く評価する」になります。put my priority on A rather than B (B よりも A を大事にする =A is more important than B) も便利な表現。

世界の気温 (global temperatures) が1.5度より高くなっても落胆する必要などなく、新たな手法が気候変動の影響を弱めつつある (weaken the impacts of climate change) ので、楽観的な見方するよう勧めていました (encourage optimism)。

記事内では 1.5度の制限目標は Armageddon message と揶揄されており、これを過剰に伝えれば (over-communicate) 、人々は麻痺し (paralyze)、解決策に目を向けられなくなる (prevent peaple from looking to solutions) と懸念されていました。

Skea氏は、短期的には、排出を減らすための再生可能エネルギー (renewable electricity) の拡大に集中し、長期的には、CO2の地中貯留 (underground carbon capture) などの技術的な解決策が必要になる (become necessary) と述べていました。

本文はMr. Skea insisted that the short-term focus should be on expanding renewable electricity to reduce emissions, while in the longer term, technological solutions such as underground carbon capture would become necessaryとなっており、short-term と long term の呼応関係の表し方が勉強になるのと、focus...onの対応関係がすごく参考になりました。

underground carbon capture 関連では、CCS と CCUS も重要なキーワードですね。CCS は Carbon dioxide Capture and Storage の略で、「二酸化炭素回収・貯留」を指します。CCUSは、Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略で、分離・貯留したCO2を利用することを指します。 CO2削減のために、排出源から出たCO2を回収し、それを地中に貯めるという取り組みがなされています。こちらで図解されています。

元記事URL:

https://news.un.org/en/audio/2023/07/1139292

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