見出し画像

神奈川県大会 後輩の試合

卒業してから数年は母校の夏の大会をよく観に行くことが良くあり、応援は熱を入れていた。
そのおかけでチアリーダーの踊りもほぼ網羅してる。

公立でも強い部類に入る僕たちはOBの熱がすごくOBで構成されるチーム(マスターズ)のLINEグループが特に夏の大会になると途中経過などを含め、毎年活発に動くのである。

ただ最近はコロナの影響もあり野球部は衰退。
グラウンドでの練習が週一できれば良いような環境だったためグラウンド整備や草むしにも手伝いに行ったぐらいだ。

人数も最低学年が六人ぐらいと少数、身体も到底強いチームには見えず、今後どうなるのかと心配していたのは僕達の高校だけでないだろう。

そんな中開かれた全国高校野球神奈川県大会。

なんと母校は4回戦まで勝ち上がり第一シードとの対戦、しかも球場は例年僕たちがシード校相手に負ける因縁の保土ヶ谷球場という
最寄りが星川駅と、なんでこんなところにあんねんというような球場。ほんまどないなっとんねん

自分でもびっくりすることに8歳下の高校球児を応援すること自体に時間の流れを感じながらも、
それでも当たり前のように応援にいく同期に一種感動すら覚え何もない星川駅から到着した球場。

朝9時、まだ気温が上がり切らず天候は快晴。
球場のそとには両校の応援団。
いつも通り驚かされる応援団以外の来場客数。
マスターズの方々を含め、テレビで見ている同期の数、僕よりも年上の先輩や一個下の後輩なども応援に来ていて素晴らしい伝統だなとまた感動しながら始まった第4回戦。

相手校は正直第一シードにしてはそこまで成熟していないかなという感じもうけるぐらいチャンスをこちらにくれ、なんとか交戦で試合が進んで行く。

こちらのピッチャーも本当に頑張って投げていたが1番驚いたのは、一緒に草むしりをした8歳下の後輩はなんとものすごく人気でアイドルとかのライブでみるようなうちわのハンドメイド応援グッズでクラスメイトから応援されている!しかもその応援があってかめちゃくちゃ打つというめちゃくちゃ楽しい展開になり球場内にさらに鳴り響くアフリカンシンフォニー

あんなに大変な状況で練習もできない二年間でも、今でも野球部は人気で学校のみんなに応援してもらえる存在なんだと、そんな高校野球はなんてすばらしいんだと、更に心にくるものがありました。

そんな中一点ビハインドで迎えた最終回。
ツーアウトランナーなしともう後が無い中で選手交代のアナウンス。
完全に最後のバッターとして代打で出た僕と同じ立場だなと思いながら打席を見ると左肩には”主将”のマークが。

ウグイス嬢のアナウンスと共に
スタンドからはものすごい歓声。
彼の同級生からもすごい声援。

きっとコロナの中チームを支えてきたキャプテンだろう。そしてそれを皆分かっているんだろう。
ゆっくり間を取りながら、身体もチームで1番良いではないかと思わせる素振りを数回してから足場を整え右バッターボックスに入る。

野球をある程度見たことがあれば分かるセンスではなく、努力で頑張ってきたのであろう振る舞いにキャプテンとして背負うものがどこかに見えた。球場中が何故か彼に注目したくなる雰囲気を出しながら、バットを持った左手をピッチャーに向け、こいっ!というような声を出し構える。

もう後がないところで1番良いバッターが出てきた。
もちろんここから逆転は難しいが、それでも自分のスイングをしてほしい、そう思わせるぐらい努力が伝わるその背中に何かが起こる気がしていた。

歓声が止み、応援がまだ始まらない。
球場が一瞬静かになった。


サインがきまりピッチャーが足を上げ投じた初球。

アウトコース気味のストレート。

主将が全力スイング。

これまでの努力を全て乗せた鋭いスイングから

コンっという浅い音と共に生まれたのは、
野球史上最高にスピンのかかっためちゃくちゃ鈍いピッチャーゴロ。
2022年夏、ここ、なんでこんなところにあんねんという保土ヶ谷球場で放たれた。

皆の注目と期待を一身に集めた全力スイングの裏腹に飛び出した飛距離ゼロのピッチャー前に死ぬほどスピンがかかった打球のギャップに球場中が前のめりにずっこけ。

僕もずっこけ、
横にいた同期もずっこけ
なんとピッチャーまでもずっこけ、
ボールをグラブから弾き、
あんな弱い打球を打っても恥じらいない真面目な主将はガッツで一塁にヘッドスライディング
セーフで塁上に残る意味の分からない奇跡。

相手校も含め誰にツッコんで良いのか分からないぐらいワイドでディープなオチ

なぜかプレイボール!と言いたくなる

我々OB大爆笑
多分野球を適当に見にきたお爺さんの数人は一瞬喉詰まったと思う。あんなんせこすぎる。

もちろん球場もざわめく。

そしてツーアウト一塁で迎えたバッターは草むしりの人気少年!今日四打数三安打しかも2本長打の大当たりがここでやっぱり回ってくるのだ。
(こうゆう野球のめぐり合わせや流れは本当に面白いと思う。もしかしたらこの子のために主将がセーフになったのかもしれない。そう思うしかない保土ヶ谷球場である)

長打が出れば同点の場面。
なんとものすごい打球が右中間へ。
みんなが超えろ!と立ち上がる。
ライトが後ろに下がる!
下りに下がったライトの足が最後は止まりキャッチ。

あと一歩、本当に文字通りあと一歩飛ばせてればというような実力差だった。よくがんばりました。
ナイスゲーム!ありがとう!
両校の整列に球場からは大拍手。
相手校もおめでとう!

甲子園の実力や予選の実力の全体的な実力はコロナもあり下がってると言われるが、
実際に現地に行くとそんなことは全然関係ないんだなと思った。
高校生がチームで日々頑張って作り上げてきたものをみんなで応援できるだけで良いんだなと。
それが母校で続いていることがどれだけ美しいのか。
それをサポート出来るのがどれだけ良いことなのか改めて分かった気がした。


ちなみに母校の試合の後の試合は、なんと東海大相模と平塚学園という素晴らしいカード。

球場に入るなり軍隊よりも軍隊な足の揃ったランニング。
響き渡る声とトスバッティングの音。
高校生とは信じられない球を投げるキャッチボール。
外野に集まり何やら自分達の信念のようなものを合唱したり、、
もうやる気とか気合いとかそうゆうレベルではない野球との向き合い方に

あっぱれ!美しい!と、

さっきの試合とは球場やグラウンドから聞こえる音だけでも全然違う。

そしてその試合を勝った東海大相模を決勝でサヨナラで倒す横浜高校野球。おめでとうございます。
監督交代以降、苦しんだ横高ですがまた上がってきましたね!

勝者は一校のみ!
でもある意味全校勝者だと、
教えてもらった神奈川県大会でした。

そして甲子園で優勝するとは。。。。。


ありえん、ありえん笑笑

いやありえん、ありえん笑笑

凄すぎるやろ

この記事が参加している募集

夏の思い出

高校野球を語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?