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野球部を雇ってください。[出版用]② 努力というものの理解。

嘘をつく練習

強いチームほど、練習が嘘をつくことを知っている。

これを僕は野球部で学んだし、良い会社ほど効率に投資することを就職してから学んだ。だからこそ野球部は社会で強い。

練習は嘘をつかない。

名言で、あり、迷言である。

この言葉は皆に緊張を与える。
もし貴方が絶対に嘘をつかない練習さんという人と話していたらどうだろう。
常に正直な機械のような練習さんが、
「足りません、三振です」
と言ってくるかもしれない。
誰よりも練習している貴方に
「皆より練習しているけど三振です。足りません。」
と言ってきたら。。
そう、常に正直な人ほど、怖さがあるものはない。
もっと日常で言うと「あなたのこと嫌いです」と簡単に言える人って近寄り難い。

その一方で、この嘘をつかない練習さんを良いように利用する人もいる。
結果がたまたま出ただけで練習したと思う人も、
誰かが作った結果を自分のものにした人はどうだろう、
逆に努力することだけで安心している人はいないのか。
僕も練習している自分に安心している自分がいた。
練習さんにとりあえずたくさんお菓子あげてるから大丈夫!と。
そうゆう時だけ、練習は嘘をつかない。と利用しようとする。

そのことに一歩踏み入ってくれたのがダルビッシュ有選手。
ダルビッシュ選手が言った、

頭を使って練習しないと本当に嘘をつく、

という言葉も名言です。確実に名言。名言ランクSです。
努力したことは結果になり、考えて努力をしないと結果が意味はないし、むしろ悪影響が出ると。

この言葉はどうゆう意味なのかというと、
皆が、「練習さんは綺麗で真面目で絶対嘘をつかない良い子だから練習さんの言うことが絶対」と言っていたのに、

いや、練習さんは練習さんのことを大切にしない人には嘘をつくよ?

と言ったことで元々の強烈な練習さんファンから
あの練習さんが嘘をつくわけないだろ!と
アイドルファンの、「この子がおならをするわけないだろ!」と変わらない火花が飛んだが、

でもダルビッシュ選手の考えの方が実は社会では正しいとされる。
特に結果を重要視する世界では。
そしてあなたの成長は例え小さくても何かしらの結果がベースになるので、自分の成長だけを目的としていても、練習さんは嘘をつくことを知っておかないといけない。

皆さんはどう思うだろうか。
現役の野球部の皆はどうだろうか。
僕はこの事例をたくさん見てきた。
というのも、僕自身が考えて練習し出してから確実に成長した選手だった。
僕がみてきた練習さんは2種類いる。基礎系と進化系だ。

まずは圧倒的基礎である

ある甲子園常連校の練習を見に行ったときにびっくりした。
今まで私立のバッターは自分より才能があって技術が高いと思っていた。
でも一番違ったのは圧倒的な基礎だった。
スイングスピードに走るスピード、投げる球、筋力、そして気力、すべての基礎が劣っていた。これを作ったのは何かというと彼らの単純な基礎練習がほとんどである。
そしてこれは社会でも同じである。
凄い営業マンは下調べや、メールの細部、文章の書き方まで繊細で、
凄い経営者は情報収集に貪欲で
良いリーダーはチームとの時間を欠かさない。
こういった基礎が底上げを作る。

それがあっての練習は嘘つくというリスクを考えるようになる。
走り込みは本当に必要なのか、過度な投げ込みは何に通じるのか、僕のいた公立校ではうまくサボれよとかいう言葉もあったりする。
面白いことに基礎のレベルが高いチームほど練習の効率を真剣に考える。
時間を使わないといけない練習を知っているからどこにでも効率を探すのだ。逆に自分のチームが効率をまだ考えていないなら課題はおそらく2点、
1.単純にまだ練習量が足りていないか、2.効率の良さを見出していないか

その先の進化系へ

守備が元々良かった僕は、打撃に2年の冬の大半を注いだ。
守備の練習さんに不倫をしていたと言っても過言ではないくらいに。
打撃の練習さんと熱々だった。熱盛だった。
(すみません、熱盛が出てしまいました。失礼しました。)

プロも教わる専門のコーチに教えて頂いた時に、今まで自分がやっていたことが無意味だと言って良いほどの充実感を得れた。
そのコーチがティーバッティングを教えてくれたのはたったの二十球程度。
僕の打撃は激変したし、そこから打撃への考えが一気に変わった。
今まで何千球も打った中で、その二十球あまりが人生で一番でかい。
そういった経験を他の皆もしていると思う。

下手だった僕がしたんだ、みんなの中で、この試合、あのイニング、あのアウト、あの打球、あの一打席、あの一球。大きな成長ほど、短いイベントの中にあったりすると思う。その感覚こそ、日本の社会が必要な効率の鍵である。(熱盛!)

日本の社会では、練習さんは絶対に嘘をつかないと思っている猛烈なファンが今でも多くいる。松田聖子世代だ(適当に言っています) それに対して世界では圧倒的努力の先にある、より短い時間で成果を出すということに重点が置かれている。それは間違った努力はしてはいけないという元でだ。

20/80という法則は大きな法則である。
例えば80%の利益は20%の顧客が生み出すものや、
20%の仕事時間が80%の重要な仕事に割かれているなどがあるが、
野球で言うと、試合の20%のアウトに、80%の労力や集中が注がれるのではないだろうか。

ここで現役の選手たちに聞きたい。
もし、20%の練習がその日の練習での成長度の80%を閉めているとしたら、、、、
またはそれぞれの練習の20%が自分にとって80%以上の課題克服や成長の要因になるのであれば、他の80%の練習はどうする。
僕とコーチの二十球はまさしく20%以下で90%以上の重要度の練習であった。

仕事でも同じである。
20%の仕事の時間が結果の80%につながっていたり、最近では10/90というもっと狭い法則も出ている。

雇って欲しい

自分で自覚しているかしていないかは別として、野球という基礎で差が出るスポーツをしていることと、毎日の練習の中で「練習の意味を考えろ」と言われる習慣で効率に対する考え方の練習になっていると僕は思う。
そして、練習が嘘をつかないと思って練習をすることすら一般の人はやらない。この最初の努力値が高いと実は練習が嘘をつくことを知ったときに違いがもっと分かる。
そしてこれからは、練習は嘘をつくこともあるということも提唱された上で練習をしている学生たち諸君。もっと考えよう。
ということで人事部の皆様、野球部を雇ってはいかがだろうか。

1. 基礎の重要性を身にしみる経験が多い
2. 超短期間での成長する体験
3. 20/80の経験値
4. まず単純な「努力度」があるからこその効率化への順応


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