論理的思考力 ~分かる企画書の作り方~ 後編

企画書の作成には、因果関係を示し、根拠を元に論理的に整理することが求められます。
後編では論理的にサービスを設計する流れを説明していきます。
前編はこちらです。
論理的思考力~分かる企画書の作り方~前編

今回紹介するフレームワークを使えば、相手を納得させる企画書の作成に役立ちます。
また、3C、4Pといったフレームワークなど、どのフェーズで、どうやってそれらが関わってくるのか、今回で解決します。
サービス設計は、3C分析→SWOT分析→4P分析→デプス調査→ペルソナ設定→市場調査の流れで行っていきます。

1,3C分析

3Cとは、customer(顧客)、company(自社)、competitor(競合)の頭文字を取ったもので、それぞれの情報を分析するフレームワークのことです。そしてこれらはいかのように成り立っています。


3つ全ての情報を書き出しますが、まず始めに自社の強みを知る必要があります。
そこで活用するのが
SWOT分析です。

Strength(強み)、Weakness(弱み)、
Opportunity(拡大可能性)、Threat(縮小可能性)

SWOTは上記の頭文字を取ったものです。これに当てはめて自社を分析しましょう。

次に、顧客分析、競合分析を行っていきます。
顧客分析は、どのようなお客様が来店してくるのかをより具体的に把握します。
(カフェの例)オフィス街、休日はあまり来ない、サラリーマンが多い、男性6割、40代が多い等

競合分析は、実際にデータを取りつつ、それに基づいた競合の状況を推考していきます。
(カフェの例)朝の入店数は50人程度、昼は100人、夜は40人、女性が多い、入店率は30%、客単価が530円だとすると1日の売上は100700円程度である。

2,4P分析

3C分析を踏まえ、自社と競合の4P分析を行います。

Product(商品)→3C分析で把握した顧客ニーズに対して、どのような商品、サービスにするかを決める。(例)デザイン、ブランド名、パッケージ等

Price(価格)→価格を設定します。ターゲットや取り組みたい層によって変える。

Place(流通)→どこで、どうやって売るのが最も良いのか。販売場所や流通経路

Promotion(販売促進)→顧客、ニーズを満たす製品を作り、ターゲットを決める。
またそのターゲットに購入機会を提供できる方法を考える。

このフレームワークに当てはめていく。

この時意識することが2つあります。

1つはTTP戦略です。
これは“徹底的にパクる戦略”のこと
自社の4P分析を競合と比較し、細かく1つ1つ改善を行えば必ず勝てる勝負になります。足りないところを補い、強みはもっと推していく。つまり、自社になく競合にあるものを真似することです。

2つ目に、4P分析で絶対に忘れてはいけないことはすべて顧客目線で考えるということです。

3,市場分析 ~デプス調査~

4P分析まで終わったので、市場分析に入っていきます。
市場分析を適切に行わなければ、利益に繋がりません。

市場分析とは、簡単に言うと市場規模を把握することです。


市場規模は
特定の商品やサービスを必要(ニーズ調査)とする人がどれくらいの数いるのか【①】
そのニーズに人々がどれくらいお金を支払うか(デプス調査、メンタルアカウント分析)【②】
①×②=市場規模この方法で計算できます。

つまり、ニーズ調査とデプス調査、メンタルアカウント分析を行うことで市場規模を把握出来るということです。

ニーズ調査→デプス調査に行く前のおおまかな調査。多くの人に対して、「こんなサービスあったらどう?」とシンプルに聞くことです。この際聞いた内容をカテゴリー分けします。【例】良い、悪い、年齢etc

デプス調査→ニーズ調査の中から特定のニーズが確認できたカテゴリー層を呼び、5人~10人程度に直接対面でヒアリングを行う。リラックス出来る環境が必要

聞く順番
①スモールトーク・・・日常会話、自分のこともよく話し、相手が安心感を感じ、話しやすい雰囲気を作る
②ライフスタイル質問・・・その人の生活の話。例えば、趣味、家族構成、職業、帰宅時間、出勤時間など
③ワンアヘッド質問・・・年収、経済状況、ローンなどの残高などの金銭的な話。
④自分のサービスについての意見をもらう。そのとき、相手の意見に対し、なぜそう思うのかなどのWHYを三回は行うようにする。

※インタビュー中にぽろっと出た言葉も必ずメモに残しておきましょう。
※この聞く内容をヒアリングシートとしてマニュアル化しておくと、インタビューの方向性がブレにくく、効率的に行えます。

デプス調査を行うとき、もう一つ把握すべきことがメンタルアカウント分析(メンタルアカウンティング)です。

メンタルアカウンティング・・・人それぞれによって、何にならお金を出せる、何にはお金を使いたくない、といった個人の金銭感覚があり、それを把握すること。
(例)昼ご飯はケチるが、女性とのご飯にはお金を惜しまない等

これを理解しなければ、全く見当違いなターゲティングになってしまいます。

4,市場分析 ~ペルソナ設定~

これらの分析を行った後、ペルソナ設定を行います。

ペルソナ設定・・・分析を通して最も共通点のある部分を持つ人物像を創ることです。実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成などを細かく設定する。

※プレゼンでは、市場規模はペルソナから逆算から説明する。
①ペルソナ(こんな人)→②利用意向(デプス調査に基づいて)→③メンタルアカウンティング(このサービスならこれくらい払いたいそうです。)→④サービスを必要とする数とその人達が払う金額を割り出す。⑤これらを掛けて市場規模を説明する。


市場が分かれば、市場に浸透させる方法を考えます。
市場の浸透には順番があり、始めにアーリーアダプターやイノベーターといった新しい物に敏感な層から拡大を狙います。(ニッチ戦略etc)
この層が口コミでアーリーマジョリティやレイトマジョリティといった市場の多くを占める層に行きます。その理由として、この層は周囲に話題が出てから手を出すので、アーリーアダプターやイノベーターの口コミや拡散が効果的です。

5,終わりに

実際に私もこのフレームワークをつかい、サービスの企画書を作りました。
内容は少しややこしいですが、難しく考えず、1つ1つフレームワークに当てはめて考えるとまとまりがでます!
今回は論理的に企画書を作成することが目的だったので、細かいセグメントでの説明は省いています。(例えば、ターゲット設定はどのように行うべきか、適切な価格設定の仕方など)
今後解説していくのでご覧ください。以上がweek10で学んだ事です。

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