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【3分イベント紹介!】 「対話(OD)で自己とつながろう」【まなび会】

みなさんこんにちは!
「まなびのとまり木」共同発起人の神門(かんど)です。

暑い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしですか?
暑いと脱水症状だったり、気づかずに熱中症になってしまうなどあるので、こまめな水分補給と適度な休憩・休養をとってお過ごしください!


さて、すでにPeatixではお知らせしたのですが、7月30日に「対話で自己とつながろう」と題して、フィンランドで生まれた対話療法であるオープンダイアローグの映画上映+実践会を開催します!


3分でざっと概要を知っていただこうと思います!


◯ オープンダイアローグ(OD)とは?

ODは、1980年代にフィンランドで生まれた精神疾患に対する療法の一つです。人口6万人の西ラップランド市に位置する、ケロプダス病院で行われたものが始まりです。

2021年5月には、WHO(世界保健機関)の地域精神保健サービスに関するガイダンス『人間中心の、権利に基づくアプローチの促進』において、「グッドプラクティス」の1つとして紹介されました。

Open Dialogueとは「開かれた対話」を意味します。

病院での医者と患者の会話ではなく、患者とその家族や友人、精神科医や臨床心理士などが一堂に集まり、チームでチームで繰り返し「対話」を重ねていくという療法です。

ODでは、問題点の指摘や診断はせずに、ただ対話を繰り返します。
アドバイス、説得、議論もしません。治療を目的とはしません。

ただ、対話を繰り返すだけなんです。


ODは、ただ対話をするだけにも関わらず、様々な効果が観測されています。そして、やり方さえ学べば、家庭や友人などでも行うことが可能なんです。
今回は北海道でODを広める活動をされている「ウチャスコマの会」からご協力をいただけることになりました。

映画を鑑賞してから、ODを実践することで、直感的にODをまなぶことができると思います!


◯ ODが生まれた背景

ODのことは知っていただけたと思いますが、「なんで対話なの?」というご指摘をいただくかなと思います。

結論として、「まなびのとまり木が目指す社会との相性が抜群だから」というのが答えの1つにあります。

現状、自己認知やメンタルヘルスを知る場や機会はあまりないと考えています。ネット検索しても分かりにくかったり、行きにくい場所にあったりなど、理由は様々です。そして、若年層がそこに行くには難しかったりすることもあります。そもそも、自身のメンタルが病んでいるという自己認知も難しかったりします。なぜなら、義務教育で教えられてきていないからです。

例えば、精神疾患の種類や症状、それが自身や周りの人に発症したらどうするのか、など様々ありますが、ほとんど知ることもなく大学に入学し、働くことになり、気づいたら精神を病むぐらい頑張ってしまっていた。

というケースが多いように思います。発症するとメンタルクリニックなどに行くことになり、初診の場合は1ヶ月以上待たされることになり、その後はお薬を処方し続ける、というのがセオリーです。

私たちは、まなびの力を中心に、この現状を変えたいと考えています。

ODを発案したのはケロプダス病院の医師ヤーコ・セイックラさんという方です。彼も同じような考えを持っていました。薬を容認しながらも治療を目的としない、極めてシンプルかつ人間の日常的な行為である「対話」から精神疾患にアプローチできるのでは?という考えから、ODは生まれました。


◯ 日本の精神疾患の現状

では、一度日本の現状を知っていただこうと思います。

引用:東洋経済オンライン「『精神病床数』が世界一レベルに多い日本の異様


このグラフを見ていただけると一目瞭然ですが、日本は世界の精神疾患トレンドとは真逆の動きを見せています。

アメリカ・イギリスなどの先進諸国は1970年代から「脱病床」を掲げて、病床数を減少させていき、治療の現場を病院から家庭などにスライドしていきました。

しかし、日本は医療制度上の問題もあり、病院への通院や薬の処方による方針を一貫して継続し、今では精神病床数が世界でトップクラスになりました。

こちらの記事から一部を引用します。

精神科病院が増えていったのは患者に対する医師・看護師数の比率が低い特例基準があるため、また抗精神病薬などの開発が進み、患者が興奮して暴れるなどということが少なくなり、病床数を増やせば増やすほど経営的に利益が出やすい構造が生まれたのも一因ではある。

精神科病院側では自嘲的に「薄利多売」と評している。通常の一般医療なら月額入院費100万円のところ、精神科月額入院費は約45万円と保険点数が低い。ベッド数を多くして稼ぐビジネスモデルである。

そして、日本の精神疾患数は毎年増加し続けています。

引用:厚労省資料

2002年から2017年の15年間にかけて、「精神疾患を有する外来患者数」はおよそ1.5倍に増加しました。その中でも、昨今社会問題になりつつある認知症の増加数・割合を大幅に超えているのです。

特に、気分障害(躁うつ病など)の増加が顕著です。
僕(神門)自身、躁うつ病の気質があるのでこれを見た時はかなりショックでした。

以上、日本の精神疾患の現状を簡単にまとめました。

*日本の精神疾患病床数は継続して増加。世界と真逆。
*日本の精神疾患病床数は世界トップクラス
*実は認知症の患者数よりも、躁うつ病などの方が多い
*OD発祥の地では、病床数が激減


◯ ODは私たちの生活をどう色付かせるのか

さて、先ほど「まなびのとまり木が目指す社会との相性が抜群だから」ということを書きました。そして、ODがどのようなものか、日本の精神疾患の現状なども知っていただけました。

では、なぜ「相性が抜群」と述べたのか。
この部分をもう少しご説明しようと思います。

まなびのとまり木の活動では、元気なうちに自己認知や精神疾患に関することを知ることで、心身のバランスが「ヤバくなってしまった時」に、それぞれが自分自身の力で対処できるようになること、を目指しています

それを目指していくために、「WRAP」(元気回復行動プラン)をきっかけに、自分のトリセツを作るイベントも開催しました。


ODの「日常的な対話をベースにする」という点はまさに、私たちが目指す方向性と合致しています。


ODは、自分の大切な人との対話といった日常的な行為を意図的に「開いていく」ことによって心を癒していく、という性格をもっています。

この対話のやり方を、心身の元気なうちに知っておくことで普段の日常でもそのエッセンスを活用することができると思います。

すると、自分だけでなく、周りの大切な人たちも含めた「みんなの生活」が豊かになり、それが予防につながると思います。


実際、OD誕生の地であるケロプダス病院では、日本の病院とは異なる動きを見せています。ピーク時はおよそ150もの病床数だったのが、OD導入後には1/10にまで減少しました。病床使用率もとても少ないそうです。

日本でも、このODを医療的行為として広めようとしている方々が多くいらっしゃいます。



いかがだったでしょうか?

人間が生きていく上で必ず行う、日常的行為である「対話」を通して自己を知り、精神疾患について学んでいきたいと思っています。

ODの詳しい内容を知りたい方は、ぜひ7.30(Sun)にお待ちしております!





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