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デジタル・バンク・ラン!!デジタル促進化が招いた銀行破綻を解説

本日は「銀行」について解説します。
銀行はお金の潤滑油である重要な経済ファクターです。今回はデジタル促進化が生んだデジタル・バンク・ランを解説します。

■まずはアメリカFF金利チャート
FRB(米準備連邦制度理事会)がアメリカの急激なインフレを抑えるため金利を上昇させています。FRBとは日本で言う「日本銀行」の役割を果たしていますが「物価の安定」と日本にはない「雇用の安定」を図る重要な機関になります。その安定を図る指標であるFF(フェデラルファンド)金利を見ていきます。

出典:米連邦準備理事会(FRB)、ロイター
Christine Chan、Matthew Weber、Travis Hartman、照井裕子 | REUTERS GRAPHICS

2023年5月は金利5.25%です。ではコロナ化の金利はどのようになっているのか。

出典:米連邦準備理事会(FRB)、ロイター
Christine Chan、Matthew Weber、Travis Hartman、照井裕子 | REUTERS GRAPHICS

限りなくゼロに近い2020年7月の金利から一気に5%以上上昇させました。
これは、コロナ化では消費者の買い需要が減少して終息した途端に買いの需要が急激に増したため、「あらゆる製品の供給不足」を招き、急激なインフレを招いています。

出所: みんかぶ
https://fx.minkabu.jp/indicators/US-CPI

アメリカのCPI(米消費者物価指数)ですが、前年比に比べて約5%物価上昇していることが分かります。(日本は頑張って2%にしようとしています)元々、消費者需要が強いアメリカですが、コロナで抑えつけられた反動がきているようです。

■金利を上げた結果どうなったのか?
金利を急激に上げるとなると、銀行から低金利で借りている人は返済に困ります。アメリカのシリコンバレーバンクは多数のスタートアップ企業に多く融資していたため資本金力に乏しい借入企業の資金繰悪化に直面します。
従業員の給料など保護するため一気に引き出しします。このような出来事が起きるとSNSで金融不安が急速に広まり1日の預金引出額は420億ドル(約5兆6000億円)となり銀行にプールされる預金が大きく減少しました。

■デジタル・バンク・ランとは
取り付け騒ぎは人々の不安から始まりますが銀行の前に預金者が集まり一斉に引出しするイメージがあると思います。
しかし、SNSやインターネットバンキングが普及すると銀行の前に行き預けているお金を引出すよりも早く簡単に「引き出す」ことができます。これを「デジタル・バンク・ラン」と呼びます。シリコンバレーバンク銀行はこの引出スピードに対策を取る時間なく破綻したというニュースでした。

■日本はアメリカをどう見るか⁈
日本も低金利時代で消費者の買い需要が高まれば金利を上げると思われます。しかしアメリカの金融不安を見ると金利上昇は慎重にならざるおえないと考えられますね。

※今回の記事は今後の日本での金融不安を煽る記事ではありません。世界の銀行で何が起こったのか解説するに記事に至ります。ご了承ください。

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