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「発信する勇気」を、まず応援したい。

タイムラインに流れてきた、とある記事から偶然見つけた、
北海道にある猿払村という自治体の公式note。
その運用方針というか、ポリシーを書いた記事が、すごく素敵だなあと思いまして。

猿払村民に猿払をもっと好きになってほしい
猿払を好きな人にもっと好きになってほしい
猿払を知っている人に猿払を好きになってほしい
猿払を知らない人に猿払を知ってほしい

そして、選択されるマチへ
せっかく開始するからには高い目標を掲げたいと思います。数字だけではないとは思いますが、一つの目安として抑えたいと思います。

目標:年内にフォロワー1,000人達成

こちらを目標に、モチベーションを保って取り組んでいきます。

ただでさえ、
行政が扱う分野というのは、
ビジネス領域ほど明快に定量的な目標を立てられないことも多くて。
特に、「地方創生」とか「持続可能なまちづくり」とか「関係人口」とか、近年になって市民権を得たような概念であればなおさら。

でも、だから「目標を立てなくていい」ということには絶対にならない。
「定量的な測定が難しい」からこそ、しっかりと目標が設定された上で、それが客観的に検証できるようになっていないといけない。

その点で、猿払村のこの取り組みが素敵なのは、
「目標が対外的に宣言されている」
ことだなあ、と思います。

こういうことを目指して、こんな情報発信をしていきます。
そう銘打って始めているからこそ、なぜこんな取り組みをしているか、なぜこういう投稿をしているか、その意図が明確にわかるし、
本当にその意図が伝わっているのか、近視眼的なことにとらわれて取り組みの方向性がブレていないか、読み手側の視点から検証することもできる。

なにより、こうやって目標をおおっぴらにすることって、
たとえ超個人的なことであっても、案外抵抗があるものだと思っていて。
直接面識がある人に届くかどうかに関わらず、こうやってネット空間に何らかの決意を表明するって、なんだか後に引けなくなっちゃう気がして、思わず躊躇ためらってしまう人も多いと思うんです。

それがさらに、自治体職員という立場で、なおかつ実名を使って発信するということは、それだけでも大きな勇気・決意がいることだし、
それだけこの施策に熱意をもって取り組もうとされているのだなあ、と感じて、これだけでももう思わず応援したくなってしまいます。

「フォロワー1000人」という目標の立て方の是非とか、意地悪くツッコもうと思えば議論の余地はいろいろあるでしょう。
でもまずは、こうやって表沙汰にする、発信するという決意・意気込みを応援したいし、これからどんな物語が綴られていくのか、楽しみに見ていたいな、と思います。


*長めの余談*

冒頭で「行政が扱う分野というのは、ビジネス領域ほど明快に定量的な目標を立てられないことも多い」と書きました。

もちろん、やろうと思えば定量的な目標設定は可能なんです。
むしろ、「数値目標を立てるのは施策の性質上なじまない」というのは、逃げですらある。

ただ一方で、その数値目標の立て方を間違えると、
取り組みが進むどころか、本末転倒な方向に物事を進めかねない。
「施策本来の趣旨からするとほとんど無意味に近いような取り組みを、業務委託契約書にある数値目標を達成するために半ば無理矢理やる」なんて笑えない話も、日々の現場の中ではあるあるかもしれません…。

なぜこんな悲劇的な状況が起きてしまうかと考えると、
定量的な目標と定性的な目標の置き方、大小関係なのかなあ、というのが、ひとつの個人的な仮説で。

大きな目標・目指す姿は、どうしても大局的な、ふんわりしたものになってしまうと思うんです。そこはやむをえない。
今回の猿払村の例でいうと、「実現したい4つのこと」という部分ですね。
でも、だからこそ、その大局的な、「ふんわりした」目標にどうやって向かっていくか、という戦略・戦術論は、精緻な議論が求められるし、そこには数的根拠が必要になってくる。

数値は「目指す姿」の具現化として後からついてくるものであって、
決して先立つものではない。
目指す姿が実体として立ち現れたとき、どんな数値にどんな変化が起きていて、その先行指標にはどんな数値が現れてくるか?
そんな未来の姿にどれだけ想像を働かせられるかが、「数字」をリアルなものにできるかどうかのカギになるのかもしれません。

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