歴史学習のカギは、「スキーマ」をつくれるかどうか
少なく見積もって過半数の人が「結局は暗記」と思っている日本史や世界史。
いや、現実に入試問題や定期テストの問題が記憶力だけを問うような一問一答スタイルである以上、そう思うのも自然ですね(^^;
年末になり、入試が近づいてきた受験生のみなさんも、きっと”最後の追い込み”として知識を詰め込んでいることでしょう。がんばって!
ここで「暗記はムダだ」なんて言うつもりはありませんが、気合いと根性だけで覚えたことって、少しひねった出題をされると応用がきかなかったりするし、なにより試験が終わるとほぼ全部忘れますよね。(「ただ試験で点数を取れればそれでいい」のなら一夜漬けでもできるだろうし、その価値観を否定するつもりはありません)
前置きが少し長くなりましたが、今回は歴史が得意な人とそうでない人の特徴について述べたいと思います。
それは、「学んだ内容でスキーマをつくれるかどうか」だと言えます。
スキーマって何??って感じかもしれませんが、ようは「水面下で知識同士をつなげること」です。
だらだらと理屈をこねていても仕方ないので、具体的な例示をします。
仮に東南アジアの王朝がテーマだとして、(←世界史の中でも苦戦する人が多い単元)
歴史が苦手な人(スキーマをつくれていない人)は
ベトナムでは11世紀に李朝、13世紀に陳朝、15世紀には黎朝、19世紀に阮朝か。タイでは13世紀にスコータイ朝が生まれて、そのあとアユタヤ朝で・・・。ミャンマーでは・・・、インドネシアでは・・・・・。
覚えなきゃ!→覚えられずに挫折、をひらすら繰り返して、最終的に「自分は歴史が苦手だ」「そもそも歴史なんてやる意味がない」という結論を出すことになります。
一方で、歴史が得意な人(スキーマをつくれる人)はどうかというと、別に記憶力が特段高いとも限りません。←ここ重要です。
覚えるまでに時間がかかるのは、苦手な人も得意な人も同じなのですが、ここからが違います。
得意な人は、「出来事に法則性や因果関係はないのか」を無意識に考えます。
全地域で13世紀に王朝が交代しているけど、何かあったのかな??・・・そうか、モンゴル帝国が押し寄せた影響かな💡
同じく18~19世紀に全地域で王朝がまた交代しているな・・・この時期といえばヨーロッパが本格的に植民地進出を始めている頃だから、それと関係がありそうだな💡
みたいな感じで考えを巡らせます。
「それができたら苦労しないよ」と思う人も多いかもしれませんが、差がつく要因は知識量というより、知識を別の知識と紐付けられるかどうか、ということです。(上記の例でいえば、13世紀がモンゴル帝国がユーラシア大陸を席巻したことや、18~19世紀にヨーロッパの植民地政策が進展したことは世界史の流れとして基本中の基本なので、別に知識”量”の問題ではありません)
このように、理解の枠組みをつくってから、あとはその箱の中に知識を収納していくイメージ、とでも申せば伝わるでしょうか。
この際に大切なのは「スキーマをつくろうとする姿勢をもつこと」です。
まぁ、最初からスイスイとこの作業ができる人なんてそうそういないので(^^;
まとめ
最も効率のよい学び方は、新たに学ぶ内容を新規の概念として取り込むのではなく、既に知っていることと関連付けることである。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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