満月の夕
心理として働き始めてからしばらくして、阪神淡路大震災。昼過ぎからテレビで流れる震災の状況に、圧倒された。私は何もできない。祈るしかなかった。
名古屋記念病院で心理の仕事をスタートさせたのは幸運だった。月に一、二度、精神科の医師が病棟の患者さんのために来ていた。その先生が、精神分析の大家の先生だった。一年ほど、その先生の面接に陪席させていただいた。その際の先生の迫力、患者さんへ向かう姿勢の強さ、覚悟をしっかり観せていただいた。
ケースワーカーの上司の元へ、様々な科の医師が相談に来る。そういう姿や何を話すのか問うのも刺激になった。
所属と環境はとても恵まれていた。
(つづく)
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