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マーケティングレンズ vol.01 -みんなでマーケティング勉強会をつくろう

マーケティングレンズは、有志が集まってマーケティングを多面的に学ぶイベント企画です。第1回はキックオフとして開催され、2回目以降のイベントは参加者の皆さんのご意見をいただきながら開催していきます。(インプット編とアウトプット編にわけて、定期的に行う予定です。)

オープニング

宇根:プロジェクトが始まったきっかけ

マーケティングレンズは食品系のスタートアップでマーケティングをしているりさと、デザイナーのあいぼん、映像ディレクターのエイミーとコミュニティマネージャーみたいなことをしているまみさだと今日マーケティングについて話してくれる阿座上さんで始まったチームです。

私自身は10年近くウェブエンジニアをやっていて、最近フリーランスになり、企画やマーケティング・ブランディングも含めた大きなプロジェクトに関わるようになったり、自分個人のプロダクト作りもやっています。

エンジニアとしてサービスを作るとなると、ローンチ・公開がゴールになりがちで、そのあとのプロジェクトの推移などをあまり意識せず公開日に間に合わせようと動きがち。特にWEBはユーザーさんの反応をみながら変えていけるところがいいところなのに契約上関われなかったりモチベーションが保てなかったりが勿体無いと思っています。
それを乗り越えるために必要なのがマーケティングなのではないか?と思っていて、とはいえエンジニアとしてしか働いてこなかったし、いざ学ぼうとしてもどこに行って何をしたらいいかわからず、阿座上さんに相談したのがきっかけです。

ただ、この会を準備するにあたって、これはエンジニアのみならず、色々な業界に言えることなのではないかと思うようになり、自分のフィールドで戦うときにマーケティングの知識やプロジェクトの理解ができることは今後の活動に活かせるのではないかと思っています。

私自身もここで学んで、自分のフィールドで中長期的なテクニカルディレクションや仕様設計ができるエンジニアになろうと思っている。皆さんにとってもこの場が次に繋がるものになっていったら嬉しいので、この第一回では皆さんの普段の悩みやどんなことをこの場でやりたいのか教えて欲しいと思っています。

阿座上:勉強会を再開したきっかけ

元々は昨秋にマーケティング4.0という本が出版され、当時日本語に翻訳されていなかったため、みんなで読もうということで始まった少人数の勉強会をやっていました。再開するきっかけをくれたのが冒頭挨拶していた宇根ちゃんです。マーケティングレンズの運営チーム自体多業種多職種なチームなのでここだけでも何か生み出せるかもしれないし、参加してくださっている方々とのコラボレーションもできるのではないかと考えています。

マーケティングの本には色々なことが書いてあり、理解はできる。でも実際に仕事に落とし込もうとするとできない。ということが多い。そこを色々な人に実際の事例を含めて話を聴きながら、「成功と失敗の差分」から学んでいくことができたらいいのではないかと考えています。

今日みんなで学びたいテーマを3−4つ決めて、それに沿った登壇者をお招きし、①登壇者から話を聞く会と②その人を交えてグループワークをする会を交互に開催して、インプットとアウトプットを繰り返していけたらいいのではないかと考えています。

第1回(キックオフ) 「そもそもマーケティングって?」

今日は初回として、①概論としてのマーケティングとはという話と②今後の会で取り上げたい議題についてみんなでワークをします。

登壇者経歴:阿座上
出版→広告代理店→マーケティング全般がやりたくて転職していき、BAKEにて商品開発・サービス開発・マーケティング・ブランディング・クリエイティブディレクションなど。また、いい商品があってもいいチーム・組織がないと物事が進まないので、商品だけではなくコーポレートブランディングも含めてやっていました。マネジメントとかは得意ではないので人が集まる仕掛けづくりをしていた。

今は日本を元気にするようなことをやりたいと思っていて、コミュニティづくりから物事を動かしていくことや東洋的な思想と西洋のものを織り交ぜた何かができたらいいのではないかと思っている。

1.マーケティングとは?

マーケティングマネジメントの本でコトラーが言っているのは、

「ニーズに応えて利益を上げること」「ターゲット市場を選択し、優れた顧客価値を創造し、提供し、伝えることによって、顧客を獲得し、維持し、育てていく技術および科学」

①ニーズがあるか?=ターゲット市場の選択
②優れた顧客価値=UX(お客さんが良いと思う価値)
③提供、伝える
④獲得、維持(繰り返せるように)
⑤育てていく(体験が高次に上がっていくように)

マーケティングはプロモーションではない。価値自体を設計して、それを届けるための工場(仕組み)を作るところを含めてやっていくもの。エンジニアのコーディングやデザイナーの制作もマーケティングプロセスの中にあるともいうことができる。サービスの体験がいかにお客さんにとっていいものになるかを考え話し合い設計すること全体であり、一言でいうと「市場を作る。」あるいは既に市場があるならそこからどれくらいお客さんをよびこめるのか。」

それに対してのストラテジーの立て方があると考えていて、
①リソースドリブンストラテジー(ヒトモノカネ)
②ニーズドリブンストラテジー(市場に求められているもの)
③パッションドリブンストラテジー(かくあるべきという思想)

このうちどれかがあればいいのではなく、3要素が混ざっていることが必要。

ニーズがあっても、パッションがなければ何物にもならないし、リソースが少なくても考えなければいけない(選択と集中)。反対にリソースがあるからといってなんでもやってたら何もうまくいかない。根源にパッションがあって、必要があればお客さんが求める価値に変換して提供し、どこからどう攻めるか選択と集中をしていくことが必要なのではないか。

2.イノベーター理論

イノベーターが2.5%でアーリーアダプターが13.5%いて、マジョリティ(大多数)へと移行していくのだが、アーリーアダプターからマジョリティにいくまでの間に「キャズム」と呼ばれる大きな谷があると言われている。

ガジェットオタクは使うけどみんなは使ってないというようなものが乗り越えられていない壁。サービス自体とコミュニケーションの設計を当てはめて考えるべきなのに分けて考えてしまうからここの壁を乗り越えられないのではないか。

この谷を乗り越えられるように、マーケティングは工夫をして伝えられるように、購入してもらえるように架け橋を作っていかなければならない。

3.仮説をつくる

前段で出てきた②ニーズドリブンストラテジー(市場に求められているもの)について深掘りをしていくと、そもそもニーズを特定の何かに絞っている時点で仮説をつくっていることになる。数字で判断をする人が多いが、統計データ(数字)は過去の物なので、そこから仮説は出てこないと考えている。

数字は過去のデータだから、仮説(=未来の予測)とは別物である。


コミュニケーションの全体像はお客様だけでなく、従業員自身がファンでワクワクしてくれないといけないし、サプライヤー(原材料メーカーとかWEB制作・動画制作とか)にも同じ金額払うとしても、楽しく一緒に作ってもらえる仲間になってもらえるといいし、株主も関係者に含まれる。
繋ぐ必要がある場合もあるけど、ないと判断した。結果として、この商品いいなというところから、会社全体が見えるようになって、この図みたいになって。無理に繋げずに、興味を持った人に繋がれるようにしていた。

戦略を考えるときの始点
全体像から考えるのですが、このフォーマットをつかいます。


まず真ん中の①過去(その会社の昔/なければその業界全体のこと)②現在③未来(描きたい将来)を書いて、右側に関わる人たち(顧客・競合)左側には環境要因(世論・技術)を書いていきます。

そのあとにそれぞれのストーリーを書いていって、キーメッセージやプランに落とし込んでいきます。

これらの工程はマーケティングでいうセグメンテーション(どこの軸で切るか)とポジショニング(その商品を客観視した時に市場全体のどこに位置するのか、周りを見ながら考える。)で、「技術」というのは、科学技術が今後どう発達するかを把握しておくことで、次の新しい勢力が来た時にどう対応するかを備えるために必要な項目です。

Q:これを埋めた後、技術系とかBtoBプロダクトだと将来を見せるのわかるけど、消費財や食品の会社で未来を見せる必要があるのか?
マーケティングは顧客とのコミュニケーションだけではなく、プロダクト開発から含まれているものなので、プロダクト開発の段階で、それを出した時に世の中にどんなインパクトがあるのか考えながら作らないと売れない。なのでこの時点から未来を考えることが必要。

質問も交えて話をして、前半戦は終了。

4.グループワーク

みんなそれぞれが今の仕事で何に困っているのか、マーケティングなどの部分を学びたいのかを出し合い、

チームごとにやりたいテーマを発表

既存の価値(プロダクトやチーム)をマーケティングでどうやって最大化するか

世界を変える、より良くする。という壮大なものや、

狙ったターゲットに刺さるコンテンツの作り方、

資源を活かして市場をつくっていくにはどうしたらいいか、

まず、ニーズをきちんと捉えられるように、リスニングスキル(ヒアリング?)をつけたい!

などたくさんの声が集まり、そこからどんな勉強会にするか話し合っていきました。

じゃあ講師に誰を呼びたい?どんな事例を知りたい?と話は盛り上がり、

最終的に3つのテーマが決定!

1.懐疑的にマーケティングを捉え直してみる
 ⑴汎用化されたマーケティングメソッドからどう突出するのか
 ⑵規模・価格帯にあった技をパターン化
 ⑶他社だからわかる!ケース共有での学び合い

2.マーケティングのプロセス
 ⑴そもそも正しいプロセスとは?(①リサーチや仮説検証含め②開発!作る③コミュニケーション・認知向上)
 ⑵実際にプロセスに参加して実現!みんなで提案&開発

3.コンテンツづくり
 ⑴エッジのあるコンテンツ調査(プロダクト&コミュニケーション)
 ⑵10代・若年層向けプロモーション
 ⑶PRの社会現象化

これらテーマとして設定しながら、インプット回とアウトプット回で交互に実施していく予定です。

ワークの後は近所のお店で美味しいお酒をいただきました。

参加者の皆さんと作るイベントなので、少しでもマーケティングに興味がある方はご参加いただき、自分の呼びたいゲストや聞きたい内容を是非教えてください!

この記事が参加している募集

シビックテックのCode for Japanで働きながら、小児発達領域の大学院生をしながら、たまにデザインチームを組んで遊んでいます。いただいたサポートは研究や開発の費用に充てさせていただきます。