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好きに食べたい【読書感想文】

146日目。

大好きな文筆家・服部みれいさんの食べものにまつわるエッセイ集。

2017年から2020年にかけて、毎日新聞の「日曜くらぶ」で連載されていたエッセイを一冊の本にまとめたのが、この本です。

新聞をとっていないわたしは、連載当時、このエッセイを主にスマホで読んでいました。

読むのは、実家(岩手)に帰省する新幹線の中。
この日をめがけて(?)毎日新聞デジタル版を契約し、新幹線に乗っている2時間半のあいだに、一気に半年分の連載を読むということを、わたしは帰省時の楽しみにしていたのでした。
あ、この頃は年に2回ほど帰省していたので、1回に読む量は、半年分の連載だった、というわけです。

デジタル版で読んでいたときも楽しんでいましたが、やっぱり紙の本になるとうれしい!

見開き2ページで1回分のエッセイになっているので、毎日のスキマ時間にちょこちょこと、楽しく読み進めました。

服部みれいさんの本はたくさん読んできたけれど、わたし的ベスト3に入るかも?!というくらい、このエッセイが好き。
わたしが死んだら、棺桶に一緒に入れてほしい本のひとつです。
(棺桶に一緒に入れてほしい本がたくさんありすぎてどうしよう!)

そんなふうに言うのは、もちろん、おもしろく楽しく読んだから、なのですが、理由はそれだけではないのです。

わたしは、みれいさんの書くもの、つくるものから、本当にたくさんのことを受け取ってきました。
たくさんのことを、みれいさんはわたしに教えてくれたけれど、一番大きく影響を受けたことは…。

「“正しい”より“楽しい”を選ぶ」

ということだったかな、と思います。

このエッセンスが、この本には、ぎゅうぅぅぅー、と詰まっている。
そう感じています。

食べる、って日常的なことで、根源的なこと。
でも、現代人って(もちろんわたしも)、すっっっごく頭で考えて食べていますよね。
身体に聞いて、今必要なものを食べる、というより、頭で考えて食べていたり、「正しさ」から食べるものを選んだりする。

でも、もっとやわらかく、楽しく、ゆかいに、自由に食べていい。
生きていい。

その生き方を練習、実践できるのが、毎日の食なんですよね。

うっかりすると、ついつい「正しさ」や「頭」に縛られそうになりながらも、おっとっと、もっと楽しく自由にゆかいにやろうぜ自分、と、このエッセイで読んだことを思い出しています。

どうして、わたしたちは「正しさ」に縛られてしまうのでしょうね。
正しくなくたって、愛されるのにね。

『ザ・メンタルモデル』という本を読んでいたときに、著者のおひとりである由佐美加子さんがおっしゃっていたことが、とっても印象に残っています。

「“正しい自分でした”と、棺桶に入って死にたいわけじゃない」

いやーーーーー!んもーーーーー!
本当にそうですよねっっっ!

「楽しい自分でした〜!きゃは!」
と言いながら、棺桶に入れるように、
(実際には死んだらしゃべれないけどさ)

今日もわたしは、楽しく、ゆかいに、実験と失敗を繰り返しながら、もぐもぐと、地球の恵みを味わいたいと思います。

写真は、名古屋の喫茶店コンパルのエビフライサンド。
『好きに食べたい』連載当時、ちょうど名古屋に行く機会があったんです。
この本にも出てくる、コンパルのエビフライサンド。
ぜーったいぜったい食べるんだっ!って、堅い決意をして(笑)、名古屋の街をトコトコ歩いた、2019年の夏でした。

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ライティング・ライフ・プロジェクト第5期、満席にて受付終了いたしました。ありがとうございました。
次回(第6期)は、5月中旬頃〜募集開始予定です。


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