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年の瀬閑話|母のイマジナリーボルシチ 君の名は母流シチ



こんにちは!
おうちごはんアドバイザーのまみげです!


少し前の話なんですが。


先日友達とランチに行った時に友達にも話したんですが。


とにかく言いたくて言いたくて、友達には焦って話すタイミング間違えて、静かな空間で話しちゃったもんで、テンション高めに伝えられなかったからなんだか消化不良で…!


なのでnoteにもしたためさせてください。


通りすがりのあなた、読んだからには最後までお付き合いくださいね。ふふふ…(逃がさん)




12月に入ってすぐの事。
私と仕事がお休みだった夫は、雪に備えてスタッドレスタイヤを買いにカーショップを何件か見て周り、母おすすめのお店があったけれどどこだか忘れてしまって。
なので、母に電話をかけて聞こうとすると、おすすめカーショップの話もそこそこに自分が作った料理の話を始め、ビーツを沢山いただいたのでボルシチを作ったとの事。

「え?ボルシチ⁇」

と、驚いて聞き返すと、

「そうよ。ボルシチ」

事も無さそうに返すので、母にそんなレパートリーが加わったのか。と、ちょっと驚いたものの、もともと料理上手で色々なお料理を作って来た人なので、あまり気にも留めず聞いていると、休みなら2人してお昼に食べにきたら?と昼食に誘ってくれて。
でも、もうお昼間近でまだ何件か見て回りたかったので、息子が下校したら夕飯にみんなで一緒に行くよ。と告げ、夕方帰宅した息子と共にパンやパセリを買い出ししながら向かう事に。

実家に到着して、ばあば来たよ〜!と元気に玄関の扉を開ける息子。
後に続いて家に入る我々の鼻にすかさず飛び込んで来るスパイス臭。


スパイス臭???

カレー……ですか??

ボルシチって人生で数えるほどしか食べた事ないから記憶が怪しいけど…
でもこんなエキゾチックな香りしたかな?
これもはやカレーなのでは?

でもね、ボルシチからカレー臭がするなんて、まだ可愛い事態だったのをこの後思い知らされる事になる訳で…。

キッチンへ向かうと、いらっしゃい。と迎えてくれる母の背後から覗く、炊き出しサイズの巨大な鍋。

やばい気配がプンプンである。

何でこんな大量に?と聞くと、冷蔵庫整理で色々入れてたらこんな量になっちゃったのよ。とのたまう母。
蓋を開けてスパイス臭の元凶を確認。間違いなくこやつだ。
しかもあろう事か、巨大鍋に隠れて隣に普通サイズの鍋まである。こっち見んな。

あまりに大量のボルシチ?に戸惑いながらも、母に味をみて整えてくれる?とお願いされたので赤茶色がかった具沢山スープを味見して、塩で整え確信。うん、これボルシチじゃないわ。

ただね、これだけ色々入っているもんだから、良い出汁がたっぷり出ていて味は美味しい。
生姜とスパイスと何故か柑橘の香りが漂うけれど、スープカレー?…みたいな…??

まぁ、とにかくいただきましょうか。と、持参したパンを焼き、パセリを刻んであしらい食卓へ。

しかし食べ進む程にあらぬ食材が飛び出してくる。
私の記憶が確かなら(鹿賀 丈史さんの声で再生していただけると嬉しい)ボルシチは、ビーツ、じゃがいも、にんじん、牛肉などを煮込んだ赤いスープが目にも鮮やかなウクライナ料理。

けれどもこのボルシチからは、上記の食材以外に鶏肉、ミックスビーンズ、白菜、たけのこ、エビ、油揚げ(!?)、こんにゃく(どうした迷子か?)、ぶつ切りの柚子(柑橘臭の正体はお前か)思いもよらない食材が続々と。

闇鍋かな?
柚子は酸味を足したくて入れたらしい。
気持ちはわからないでもないが…。

しかしそんな中でも度肝を抜かれたのが、ガサガサした質感の灰色の食材。

…センマイ…?

私と夫は同じものを連想したけれど、どうにも食感が記憶の中のセンマイとはほど遠い。
この灰色のは何?と訊ねると、

「ああ、それはね、干し柿!甘みを足すためにいれたの。」

何という事でしょう。
甘味を干し柿で補うとは。ここは平安時代の台所であったか。
いや、そもそもボルシチに甘味いらんでしょう。その他の食材は美味しく食べられたけど、この出涸らし干し柿は流石にNGよ母上。 

そこでふと肝心な問題点に気づく。
そもそもボルシチというわりにビーツの存在を感じないのだけど…。
ビーツどれくらい入れたの?

隣に座る母は、人差し指と親指で丸を作り、

「これくらいの1個」

炊き出し鍋にピンポン球ビーツ1個。

1個!!

ボルシチとは。
ビーツ沢山いいただいたって言ってなかったっけ?

「沢山あったのは葉っぱね。実(根本)の部分はこんなのが1個だったわ」

なるほど。


************


因みに母の名誉のために申し上げると、先述した通り本来はお料理上手な母です。
何故こんな無理矢理な母流シチ(ボルシチ)を作ったのかと言うと、数日前に某有名料理番組でボルシチの作り方を見て、作ってみたくなったとの事。

大量に作って食べきれずご近所にお裾分けまでしたのに、今度は自分でビーツを買って来て再チャレンジするそうな。


絶対作りたい気持ちだけは伝わったよ。
次は成功すると良いねぇ…。

今晩のメニューは
母の得意料理天ぷらと年越し蕎麦
天ぷらサクサクで美味しゅうございました✨


ではでは皆さま良いお年をー!!

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