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sumisumi1102
拝啓 愛しき君へ 5.腕の中にあった温度
永遠少年症候群さま(http://jushin.chu.jp/)からお題をいただきました。素敵なお題をありがとうございます。
彼氏とか彼女とかで言い合える仲になったね。
いつもよりも長く過ごせる休日。悠人の一人暮らしの部屋に押しかける。そして私の定位置と化したソファーに座り、前日の仕事帰りにTSUTAYAに寄って選んだDVDを観る。
何度も見たミュージカルのDVD。あらすじも歌も覚えてしまった。だけど何回見ても心が揺さぶられ、私は思わず泣いてしまう。
そのたびに悠人は私の涙を指で拭い、私をそっと抱きしめる。その腕の中にあった体温はいつも優しく、温かい。
愛情に包まれ私はさらに涙をこぼす。
私は立ち向かえるのだろうか。いつか夫と妻になる日を。幸せだとか不幸だとかそのような尺で考えるのには長すぎる時間を私はこの人と過ごしていけるのだろうか。
私はただ悠人のことが好きなのに。ずっとずっと好きでいたいだけなのに。この腕の中にあった体温を忘れてしまいたくないだけなのに。
この恐怖を幸せと呼ぶか不幸と呼ぶかは考えたくないんだ。だってこの大切な人と出会えた奇跡を私は大切にしたいから。悠人と一緒にいるこの時間がかけがえのないものだから。
それを私は決して不幸だとは言いたくない。
幸せと言いたいんだ。
貴方の存在だけは絶対に肯定し続けたい。
それが私が悠人にできる愛のカタチ。
私は悠人を愛し続けるよ。
だから今はあなたの腕の体温を感じていたい。
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