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【出産レポ】無痛分娩つぶやきまとめ(2)

無痛分娩による入院パターンは、ざっくり二通り存在する。一つは、自然分娩と同じく「陣痛が来たら病院に行き、入院となる」パターン。もう一つは「出産日をあらかじめ決めておき、その当日もしくは前日に入院する」パターン。

私は後者の、いわゆる計画分娩だったので、出産日前日の午前中までは、本当にフッツー(だがチキンハートはショート寸前)に自宅で過ごしていた。

私が出産した病院では、初産の妊婦は入院直後に麻酔をかけ、ニューメトロ(いわゆるバルーン)という子宮口を広げるための器具をいれる処置をする。これを入れれば、翌日には子宮口が2センチほど開いている寸法だ。

基本的に麻酔をかける2時間前から、麻酔の効き目が切れるまでは絶飲食
硬膜外麻酔は、基本的に腰から下にかかる麻酔なのだが、時たま上半身、呼吸器の方にまで効いてしまう人がいるのだとか。そうすると、誤飲したときにそれを吐き出すこと、つまり「むせる」ことができなくなってしまい、窒息してしまうのだという。

余談だが、この冷食の牛丼、本当に吉野家で食べるのと遜色ないので、産後のストック食品としておすすめしたい。通販や生協で買えるそうです。

ラズベリーリーフティーは安産のお茶と名高いハーブティー。陣痛が軽くなり、子宮口全開から生まれるまでの時間が短くなり、産後の回復も早くなるといわれている。
妊娠八ヶ月から飲めるそうだが、子宮収縮効果があるということで、私は正産期に入ってから飲み出した(結果考察はまた後程……)。

入院期間は何もなければ6日間。
私はスマホも本もKindleも全部持っていった。

「テレビも見られないくらい眠いよ。少しでも時間があれば眠っていたい」

と友人に言われていたが、母子別室だし、夜間授乳もないし、産後ハイで眠れない可能性もあるし、気を紛らすためのものは絶対に必要だと思ったのだ。

結果的にこれは正解で、私は本がなかったらマタニティブルーで発狂していたような気すらしている。
経験談を書いていてなんだが、あまり人の経験談に惑わされず、自分が必要だと思うものを持ち込むのが良いのではないでしょうか。

ちなみに一番よく読んだのは、阿川佐和子さんの『魔女のスープ(残るは食欲2)』です。

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……で。

急に時間が飛んでいる。

ここまでの間に、私は夫と共にタクシーで病院へ向かい、入院手続きをし、出産を控えた妊婦が陣痛中に家族と一緒に過ごすことができる分娩予備室へと通された。

分娩室と分娩予備室の前には、ドラマなどでよく見る手術室の扉のような、大きな金属の扉があった。

この扉に、色画用紙で作った「Welcome!」という文字や、アンパンマンのイラスト、そしてお正月にちなんで、鏡餅や獅子舞なんかが貼られていたのを覚えている。

このときは、かわいい装飾だな、と思った(※フラグです)。

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本当は、Twitterで実況をするつもりなんかなかったのだ。
しかし、背中に最初の麻酔針を打たれたとき、

「あっ、これ、呟こう」

と唐突に思った。

これまで味わったことのない、背中への針の感覚が、痛みとなって脳に届いた瞬間。
先ほど提出してきたばかりの書類に書かれていた、数々の文言……「副作用の可能性」「後遺症の可能性」「死亡する可能性」……そんなものに対する恐怖がドッと押し寄せてきて、今の自分の状況を誰かに聞いてもらわずにはいられなくなったのだ。

気持ちと事実をきちんと整理して、人に読んでもらうための言葉にすることで、自分自身が冷静になれる気がした。

この考えはあながち間違っておらず、私はTwitterと、実況開始を報告したnoteのおかげで、何度もパニックになりそうな自分を立て直すことができたのだった。

麻酔を打った後は、5分ごとに右、左……と寝返りを打ち、向きを変える。こうすることで、麻酔を偏りなく行き渡らせることができるのだとか。

その後、看護師さんが患部をつねるという、超アナログな方法で麻酔の効きを確認するのだが、「これ、痛いですかー?」と言われながらつねられた場所が、ことごとく痛かった

結果、MAXまで麻酔を追加することで(いろいろな方法があるらしいのだが、私が入院した病院は先生の許可が出て→看護師さんが施術、という流れで麻酔が追加される仕組みになっていた)事なきを得、痛いと噂のバルーンの処置を文字通り無痛で終えたのだが、この麻酔の効きの悪さが、後々私が「無痛分娩のデメリット」をわずかに味わう原因となるのだった。

(3へ続く。)