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#042 あこがれの女性はおばあちゃん。

わたしの憧れの女性は祖母である。
祖母を一言で表すと知的好奇心の塊だ。

祖母とキッチン

還暦を過ぎてから人生初めての海外旅行(ハワイ)に挑戦するし、毎月デジカメで撮った写真を葉書にして送ってくれる。

パソコンの使い方は母よりも長けていると思う。

未だに近所の人をお家に招いて、女子会という名のすき焼きパーティーを開いている。
おばばの女子会、面白そう。

そんな祖母が、今週末にペースメーターをいれる手術に挑戦する。

90歳を過ぎてもなお、生きることへの希望を失わない祖母をこころから尊敬する。

そんな祖母のエピソードを記録しておこうと思う。

女の子としての心得

わたしは生粋のおばあちゃんっ子で、よく1人で祖母の家に泊まりに行っていた。

小学生の頃におしりの拭き方を教えてもらったことも覚えている。

高校生になっても、変わらず、長期休みには祖母の家に泊まりに行くのが習慣だった。

祖母が言った。
「下着は上下一緒のものをつけなさい。別々のものをつけてると、いざというときに恥ずかしいから。」

思春期真っ只中のわたしはドキっとした。
彼氏がいることがバレている!?

祖母は続けた。
「いつ救急車で運ばれるかわからないからね。」

なんだ、そっちか。
と、おませな自分のことを恥ずかしく思ったけれど、今思うとその意味も込められていたかもしれない。

かっこいい女

祖母と祖父はお見合い結婚だった。
2人は近所に住んでいて、祖父には別の恋仲の人がいることを知っていたそうだ。

2人の家はお米屋さんと、お酒屋さん。
家族がそう言うなら、結婚するしかなかった。

結婚してもなかなか子どもを授からなかった。
祖母は都会の病院までかかっていた。

当時子どもができない嫁は酷い言われようだったという。

そんな時に、祖父の恋仲の女性から、祖父宛て手紙を見つけたそうだ。どうやら2人の関係は続いていて、文通をしてたようだった。

その時の祖母の気持ちを考えると、苦しくてしょうがない。

祖母は笑って言った。

「全部、燃やしたわ。」

昭和の歌謡曲になりそうな情景である。
かっこいいと思わずにはいられない。

手作りごはん

祖母のご飯が大好きだ。

玉子料理が大の得意で、茶碗蒸しとだし巻きが本当に美味しい。

ちらし寿司も、おはぎも、天ぷらも、ステーキも。
いちごジャムも、梅味噌も、おはぎも、なんだって美味しい。

一番好きなのは手作りのケーキ。
大学の下宿時代に、毎年クール便で送ってくれた。
ワンホールのケーキ。
ともだちとワイワイ食べた。

けれど、もう祖母は作れないと言う。
洋菓子を作る気力が湧かないと。

レシピと道具は全部ひきついだ。
次はわたしが作って祖母に持っていこうと思う。

おわりに

次の休みには久しぶりに祖母のところに行く予定。パンくんを連れて。

大好きなおばあちゃん。
手術も成功して、どうか長生きできますように。

でもね、わたし、おばあちゃんが死ぬ気なんてさらさらないこと知ってるよ。

おばあちゃんのキッチンにあった謎の草。
生きることへの執念を感じる。

おしまい。
ほんじゃ、またね〜!

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