tatsuya terada

大学卒業後、アウトドアメーカーに就職。縁あって2010年よりひの自然学校ディレクターと…

tatsuya terada

大学卒業後、アウトドアメーカーに就職。縁あって2010年よりひの自然学校ディレクターとして子どもの野外活動を中心に従事しつつ、野外救急法WMAInternationalインストラクター、北里大学非常勤教員ほか、「アウトドア×安全」に関する事業に関わっています。

最近の記事

山の失敗談。”忘れ物は怖いぞ~②”

 「山の失敗談」シリーズはほかの記事に比べて閲覧が多い傾向にあります。それだけみんな興味あるってことですよね。笑 かくいう、私もその一人です。  前回は、山の失敗談としてアラスカへ出かけた時の登山における忘れ物について書いてきました。今回はその続編です。 デナリ山ってキャップにサングラスでも登れるんだぁ。。  前回は北米最高地点の”キャンプ場”でテントポールを忘れた話をしましたが、このほかにも「ポカ」があった山旅だったのです。デナリ山は夏でも‐20~-30℃と非常に寒い場

    • 山の失敗談”忘れ物は怖いぞ~”

       みなさんは忘れ物は良くするタイプですか?この記事を書いているワタクシは良くするタイプです。(笑)きっと注意欠陥系なんでしょうねぇ。  忘れ物をしても多くの場合どうにかなりますよね。日本で考えれば多くの場合お店は近くにあるでしょうから、最悪現地で調達すればいいですし。  しかし、「忘れ物をした場所が山」となると事態は一気に深刻になることも。今回はそんな忘れ物にまつわるイタい想い出を一つ。 北米最高地点のキャンプ場での”忘れもの”  数年前アメリカはアラスカ州に位置するデナ

      • 保育園ってもうプール入らないの!?③

        こんにちは!こんばんは!おはようございます!!  最近保育園の先生に向けた研修を担当することがチョコチョコあるのですが…。そこで話題になることが「夏の遊び問題」。端的に言うと暑すぎるので夏場全く外で遊べない、言うのです。「じゃぁ水遊びすらええやん」ということになりますが、僕が住む東京都内でも「暑さが危険なので園や区市の判断で水遊びも含めて全廃!」という保育園も多々出現。。  ほほぉ・・・なるほど。しかしその安全対策は本当に子どものためになるのですかしら…という疑問が浮かんだの

        • 保育園ってもうプール入らないの!?②

          こんにちは!こんばんは!おはようございます!!  最近保育園の先生に向けた研修を担当することがチョコチョコあるのですが…。そこで話題になることが「夏の遊び問題」。端的に言うと暑すぎるので夏場全く外で遊べない、言うのです。「じゃぁ水遊びすらええやん」ということになりますが、僕が住む東京都内でも「暑さが危険なので園や区市の判断で水遊びも含めて全廃!」という保育園も多々出現。。  ほほぉ・・・なるほど。しかしその安全対策は本当に子どものためになるのですかしら…という疑問が浮かんだの

        山の失敗談。”忘れ物は怖いぞ~②”

          保育園ってもうプール入らないの!?①

           こんにちは!こんばんは!おはようございます!!  最近保育園の先生に向けた研修を担当することがチョコチョコあるのですが…。そこで話題になることが「夏の遊び問題」。端的に言うと暑すぎるので夏場全く外で遊べない、言うのです。「じゃぁ水遊びすらええやん」ということになりますが、僕が住む東京都内でも「暑さが危険なので園や区市の判断で水遊びも含めて全廃!」という保育園も多々出現。。  ほほぉ・・・なるほど。しかしその安全対策は本当に子どものためになるのですかしら…という疑問が浮かんだ

          保育園ってもうプール入らないの!?①

          雑感。山はタイムマシン!?

           最近妙なことに図書館に通うようになりました。僕にとってはコロナがもたらしてくれた新しいライフスタイルかもしません。  今回手にしたのは、「槍ヶ岳開山  新田次郎作」。  実はこの本、今回が2回目。1回目は約6年前に手に取り読んだ記憶があります。そしてその後実際に作中の場所へ行ってみたくて、実際に槍ヶ岳へ行ったのでした。  今まで物語と実際の登山を重ねて歩いたことは無かったのですが、この時はその面白さにすごく取りつかれた気がします。  作中に念仏行者、播隆上人が槍ヶ岳を

          雑感。山はタイムマシン!?

          【やってみた】SDGs×”新しい生活様式”

           先日、「新しい生活様式」がもたらす環境的影響(マスクをはじめとするゴミのポイ捨て)について少し書いてみました。  これを経て、「通勤しながらマスクやゴミ拾いしてみたらどうなるかな?」と思い、さっそくやってみました。  ゴミ袋として用意したのは、アウトドア用のゴミ袋「ガベッジバッグ(モンベル)」  落ちてるゴミを拾ってみたら袋から汁が漏れてビッタビタ…ということを経験した人も多いのでは…と思い、今回は防水性に優れ、ロールアップで機密性が高く臭いも漏れにくい、ちょっといい「

          【やってみた】SDGs×”新しい生活様式”

          SDGs ×”新しい生活様式”

           新型コロナウイルスによって、日本中が「新しい生活様式」に移行しています。おそらく多くの人が意識しているものが、「飛沫圏内に不特定の人が関わるときは、マスクをする」ということかと思います。  話題は、「不織布マスク」について。  不織布マスクは今や一般的な製品で、ホームセンターやドラッグストアなど身近な所でも手に入るようになってきました。安い、使い捨てで衛生的、機能的…など、費用対効果がいいのも選ばれる理由のようです。  ある日、ふと不織布マスクって素材が何でできているん

          SDGs ×”新しい生活様式”

          山の失敗談。"雪洞×Gore-tex"

           これまたずいぶん前の話です。  友人と「バックカントリースキーへ行こう!」と乗鞍高原へ行きました。  そこはスキー場のトップから山に入っていくことができる場所だったのですが、当時まだ僕はちゃんとしたBC装備を持っていなかったのです。でも21歳くらいだったし、「アルペンスキーを背負って、スキーブーツで雪面蹴りこんでいけばいいや!」と決め込んで入りました。  前日10センチ近い降雪があった15°くらいの斜面を、ノースノーシュー、ノースキーシールのスキーブーツ男が、1泊テント装備

          山の失敗談。"雪洞×Gore-tex"

          【キャンプルポ】北米で一番低いキャンプ場と一番高いキャンプ場に泊まってきました!

          標高の話です。両方をアメリカのアラスカ州で体験できました。 キャンプ場の特性もなかなか興味深いものです。  まずは、一番低いキャンプ場。  南アラスカのSeward(シューアード)という町にある、"Resurrection South Campground"。(限りなく海抜0m)  何がすごいって、とにかくデカい!キャンピングカー(RV)サイトとテントサイトで70サイト。おまけに北側には別のキャンプ場が隣接していて、入り江の海岸線500mほどにずっと整備されたキャンプサイ

          【キャンプルポ】北米で一番低いキャンプ場と一番高いキャンプ場に泊まってきました!

          「エヴェレスト-神々の山嶺」と遭難予防

           夢枕獏さん作「エヴェレスト 神々の山嶺」という本を読みました。角川文庫の文庫本で、本編1058ページ。いや、活字が苦手な僕が良く読んだぁ~と自画自賛。  お話の内容は…まぁ読んでいただくか映画をご覧いただくとして…(笑)フィクションとリアルなストーリーが交錯する世界が面白かったです。  1058ページの超大作で考えさせられたことは、一貫したテーマ「なぜ山に登るのか」。そして、「作中で『一番死に近い』と言われた男が、最後まで帰ることを諦めなかった」ということでした。  なぜ、

          「エヴェレスト-神々の山嶺」と遭難予防

          アウトドアから環境考えるーえっ!? 2週間溜めて持ち運ぶの!!?

          こんにちは。 さて、早速ですが、まずはこちらの写真をご覧ください。  この「緑の缶」は、去年アラスカの「デナリ」という山を登山しに行ったときに、チェックインで国立公園局から一人一つ持たされたものです。デナリは昔「マッキンリー」と呼ばれていて、植村直己さんが最後に挑んだ山として有名です。日本ではこちらの呼び名の方がなじみがあるかもしれません。通常登山は2週間~1か月かけて行われる場所であります。  さて、話をもどして、この缶は何につかうものでしょうか…!? 3択クイズにし

          アウトドアから環境考えるーえっ!? 2週間溜めて持ち運ぶの!!?

          アラスカで知る、地球温暖化の現実

           ここ数年、「異常気象」と報道で表現される様々な現象が各地で起きていますね。ここ数日の豪雨もそう、昨年の大型台風も、その前の水害も…。もはや日本国内のどこかで毎年風水害が発生していて、「異常が通例…」になりかけている気配さえ感じます。  これらの原因は「地球温暖化」にある、というのも定説ですが、風水害をもたらす気象現象が、どこかダイレクトに温暖化と繋がりにくい感覚もあるのではないでしょうか。僕もその一人でした。  2008年、僕はアラスカへ旅に出かけることがありました。「

          アラスカで知る、地球温暖化の現実

          野生動物と、人との距離感

           東京の奥地で沢登り(シャワークライミング)をしてきました。 そもそも、シャワークライミングっていうのは、山間部を流れる沢を水に濡れながらジャバジャバ遡上していく遊びです。深い水のたまりでは泳ぎ、岩に取り付き、滝を遡上する…。  急峻できれいな水が流れる日本固有の、夏の遊びなんですよ。実は。  こんだけキレイな天然ウォータースライダーを有する沢ですが、意外にもちょっと奥まった集落の裏から入っていく沢も多くあったりします。  また沢筋は、元々不安定な地形から、あまり人が多く入

          野生動物と、人との距離感

          「旅をする木」から考える、アウトドアの安全

          Stay home week. 珍しく読書。『旅をする木』by星野道夫  この本は、なんだろ、いろんな角度で想うことが湧いてくる。去年アラスカを旅して、山に登って、よりそう感じるのかな。。たとえば。 ーーー 「あわただしい、人間の日々の営みと並行してもうひとつの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい」   こうして日々情報の中に生き、必死に人間社会を生きる今この瞬間にも、自然の中では動物たちや生き物がドラマを繰り広げいて、これは同じ世界の中に起きている。こん

          「旅をする木」から考える、アウトドアの安全