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「英語化は愚民化」を読んでみた

「来た来た~、図書館で予約してた本」

「英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書)という本です。参政党旋風が巻き起こっている今、良いタイミング。


著者の施光恒(せ てるひさ)さんは言語学の方かと思いきや、
政治学者さんです。



英語政策はグローバリストの日本人愚民化計画

英語化政策は、日本人愚民化なのですと著者。
というのも「これからはグローバル化の時代だ。だから日本語ではなく英語だ」という風潮をまずつくり出す。そしてその考えが幅を利かせる。


ゆくゆくは国民を分断へ、という図式です。


私も以前は「英語ってこれからは必要だよね~」と何となく呑気に思っていました。もちろん、仕事で英語を使う人達には必要です。翻訳とか貿易とか海外赴任とか。


だけど、下手に英語化をすすめればそれは日本を内側から破壊する政策だということがわかります。


それはつまり、

言語の習得には、経済的・時間的余裕のある上層階級の方が圧倒的に有利です。つまりエリート層とそれ以外の層の分断がすすむというわけです。


だから、新興諸国では、言語の格差がそのまま経済的格差・社会的格差になっている。格差が広がれば、日本人という国民の一体感も失われていきます。


それは、自分たちの属する上層階級が自分たちを異物として見て、権利を奪っているという意識につながります。若者を中心に過激主義に染まる下地をつくり、凄惨な事件を生んでしまう。


つまりテロリズムを生む下地になってしまうというわけですね。



言葉は人々をまとめる  

国民が母国語で生活し、それを学べる。だからこそ国民は等しく能力を伸ばす機会を与えられている。それに、同じ言語を使っているということは、国民の一体感という見えない役割を持っている。


言葉ってただの表現手段ではないのですね。
言葉はそれを使う人々をまとめる機能を持っているのです。

同じ言語を使うことは連帯意識につながりますから、
共同体の福祉を支えているのも言語というわけです。


言葉は共有財産

このことから、言葉は人々を結ぶ貴重な共有財産であることもよくわかります。そうか、財産なんですね。



それに、いつも日本語を使っているからわからなくなっているけど、
日本語が日本全国どこでも通じる、この有難さも見逃せないですよね。




言語が知性をつくる

そして、ひとつと驚いたのは次の点。
我々の知性が言語をつくったのではないということ。

言語が我々の知性を、いや知性だけでなく感性や世界観を形づくってきたのだ。

私たちは、自分たちが言語をつくったと勘違いしています。何と逆でした。
言葉が私たちをつくっているのです


フランス人がしばらく日本に滞在して日本語が堪能になると、フランスに帰った時「日本人みたい」と言われるそうです。


日本語を学ぶことは、礼節とか相手を思いやる心とか、目上の方を尊敬することも同時に学んでいるんですね。

日本語ってあまりにも当たり前すぎて、空気みたいになっている。だから意識すること無く使っているけど、改めてスゴイですよ。


言語の分断は、不平等を定着させる

本来なら国家百年の計として重視されるべき教育まで、ビジネスの道具と見てしまう新自由主義は、子供たちから質の高い教育を受ける機会を奪い、日本人の愚民化を進めていくのだ

こうも書いてありますね。

我々が想像する以上に日本社会に与えるダメージは大きい。究極的には、「日本らしさ」や日本の「良さ」「強み」を根底から破壊する危険性をはらんでいる。


つまり言語の分断は、長い将来にわたる社会的・経済的不平等を定着させてしまう。結果として日本は没落していく。



日本人が日本人らしく、日本語でものを考えられるのも先人たち努力してくれたから。いたずらに英語化を進めるのでは危険です。思考の源はやはり国語。


日本語を磨いていくことの方が大切。グローバル化の前にやるべきことは内側の充実ですよ。外側だけ繕っても内側が整ってないとダメ。
私たちってどれだけ日本のことを知らないように教育されちゃったんでしょうね。


もちろん仕事で英語が必要な人はたくさんいるし、海外の人とコミュニケーションをとるためには必要。


しかし、
 
 
グローバル言語などちょっとカッコよさげなネーミングで、母語意外の言語をありがたがるようになってしまえば、人々の平等に生きる権利や学ぶ権利までもが奪われてしまう。恐ろしいです!!


美しいものを守る

ああ、もっと日本語を大切にしよう~。
自分たちにとって本当に大切なものをしっかりと手放さないようにしよう!

美しい日本の言葉。四季折々の風景と結びついている素敵な響きの言葉。
相手を思いやる心とともにある日本の言葉。
漢字という絵文字のすばらしさ、カタカナひらがながあること。

昔々の文献さえ、読もうと思えば読める。
和歌短歌俳句があること。書道という文字の芸術があること。


日本語がなんか愛おしく思えてきましたよ。😍
この本は読んでよかったー。


さて、この本で気づいたこと。
意識したことはなかったけど日本語って大切な財産なんだということです。

 


お読みいただいてありがとうございます。


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