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斑鳩兄弟のピクニック
恐ろしい夢を見た。
兄さんに羽が生えて、何処かへ羽ばたいてしまう夢を。
昔から三角は自由人だった。
だからなのか、本当に有りそうなことで起きたときの汗が尋常じゃない程で。
「シャワー浴びよう....」
隣でスヤスヤと気持ち良さそうな寝息をたてる相手を見て、思わず笑みが溢れた。
起こさないように注意をしながらベッドから降りる。
“んぅ....”と声が背後から聞こえればしまった、という気持ちと共に
瑠璃川幸生誕祭2019
「おい幸!」
「何、ぽんこつ
てか時間考えてよ今何時だと思ってんの?」
201号室に元気な声が響く。
時刻は12時を丁度過ぎたあたりで、幸は寝る準備に取りかかっていた。
なぜこんな時間まで起きていたのか、
理由は公演衣装に使った布を整理していたところ、気が付いたらトートバッグを作り終わっていたからだ。
話は変わるが、日付が変わった7月8日。
この日は何を隠そう、瑠璃川幸の誕生日なのだ。
「
天馬と幸ちゃんが買い物に行くだけのお話
これは、ある晴れた日の出来事だ。
珍しく仕事がOFFなのか、それとも午後からなのか分からないが、穏やかな陽気の中、皇天馬はうたた寝をしていた。
手には新しい映画の台本。
台詞の練習をしていたのだろう。
誰も居ない談話室には皇の寝息だけが静かに響いていた。
その時、男性としては少し高い声が遠くから聞こえてきた。
「ポンコツ役者、買い物付き合って」
声の主は瑠璃川幸。
皇とは同じ夏組の劇団員だ。