萌やし

色々あったけど、やっぱり音楽が好き。

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  • 心が奮える華やかな音楽

    私の好きな音楽を紹介します。

  • 泣きたくなるほど美しい音楽

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最近の記事

「いい人でありたい」と思う癖

「怒る」ことが苦手です。何をされても、余程のことがない限り、ほとんど怒りの感情が湧きません。というより、無意識に「怒らないようにしている」のほうが正しいかも知れません。 レジで割り込みされても怒りません。びっくりはするけれど。無神経なことを言われても怒りません。傷つきはするけれど。結局怒るってエネルギーが要るし、揉めたくないし、私が何も言わなければ丸く収まるし……ということを、無意識に考える癖が付いてしまっているんだと思います。八つ当たりされても、ヘラヘラするのは得意です。

    • 母と娘の歴史

      去年の4月、母方の祖母が他界した。身内を亡くしたのは初めてだった。亡くなる前日の夜、母から電話で危篤を知らされた。「大学があるなら無理して帰らなくていい」と言う母を、薄情だと思った。この人は優しさを履き違えていると思った。私と祖母の歴史を、知らないのだと思った。 翌朝、始発の新幹線で実家に帰った。何の連絡もせずに帰って来た私を見て家族は驚いていたが、何も言ってはこなかった。病院に向かうと、祖母はまだ生きていた。私が会いに来たことも理解していた。手を握るとかすかに握り返した。

      • 先生、あなたの教え子でよかった

        音楽から離れて数ヶ月。穏やかな日々を過ごしている一方で、どうしても頭から離れないのは先生のことです。 大学の4年間に限れば、親よりも傍に居た人。 親よりも私を褒め、叱り、育ててくれた人。 文字通り二人三脚で、一緒に走ってくれた人。 自信がなくて、すぐに弱気になる私のお尻を叩いてくれる、唯一の人でした。恐怖に足がすくむ私の手を、どこまでも引っ張ってくれる人でした。先生が導いてくれる先には、いつも見たことのない世界が広がっていました。そしてそれは、私一人では決して辿り着くこと

        • 繊細さんの本、効きすぎる

          最近、驚くほど悩みがない。 たぶん、おすすめしてもらった「繊細さんの本」が効きすぎている。 自分の感覚が人に理解されないことは、半ば諦めていた。 以前大学の授業で、ある先生に「萌やしさんは何するのが好きなの?」と聞かれたことがあった。私は「考え事をするのが好きです」と答えた。周りの学生たちは笑った。先生には、「あんまり考えすぎちゃだめだよ」と言われた。附に落ちなかった。私、そんなに変なこと言った?みんなは考え事好きじゃないの?考えすぎって、どれくらい考えたら考えすぎなん

        「いい人でありたい」と思う癖

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        記事

          9月、海の音がした

          去年の9月頃、一人で海を見に行った。 住んでいる所からは少し遠かったので、バスと電車を乗り継いで片道1時間強。 全く計画的ではない。朝起きて、なんとなく 行きたいなと思ったから行った。 海に行くのはたぶん小学生以来。でもほとんど記憶にない。だから緊張というか、妙にそわそわした。海水浴場に着く。駐車場からはまだ見えないけど、波の音は聴こえてくる。あの階段を上れば海だ! 海は広かった。 肌寒い時期で人があまりいなかったせいか、目を閉じても聴こえるのは波の音だけ。静か。他に

          9月、海の音がした

          泣きたくなるほど美しい音楽③

          「ブルガリアン・ポリフォニー」と呼ばれる、ブルガリアの女性合唱について。 ブルガリアの合唱では基本的に地声を使って歌う。よって、その響きは私たちが思い浮かべるような合唱とは全く別物である。他のどの文化にもない、独特な響き。幾重にも重ねられたハーモニーが幻想的かつ神秘的で、初めて聴いた時は衝撃を受けた。 ブルガリアと言えば、美人が多いことで有名。 これには実は理由があって、ブルガリアは様々な国に囲まれていることから、必然的に混血が多くなるのである。これは音楽文化も同じで、ブ

          泣きたくなるほど美しい音楽③

          空を飛びたい

          高いところに登らないようにしている。 一歩踏み出したいという衝動に駆られるから。 別に、落ちてどうにかなってしまいたいということではない。死にたくないし、痛い思いもしたくない。そうではなくて、好奇心というか、純粋に気持ち良いのではないかなという興味。落ちるというより、飛ぶという感覚。鳥に対する憧れのような。 ギリシャ神話で、イカロスという少年がろうで作った翼で空を飛んだ話がある。彼は太陽の熱で翼を溶かされ命を落としたが、私は彼を馬鹿だとも哀れだとも思わなかった。そりゃ翼が

          空を飛びたい

          初夏。 爽やかなこの季節が、 実は一番好きだったりする。 *** 今朝は早くに目が覚めてしまった。 空が少しずつ明るくなり始める時間。 窓を開け、目を閉じる。 空気がひんやりしていて気持ち良い。 鳥が鳴く。 窓を閉める。 もう一度寝る。 *** 昼間は日射しが眩しく、 そろそろ少し汗ばむようになってきた。 もう半袖でもいいくらいだ。 窓を開けていると、ご近所のおじさんとおばさんが会話する声が聞こえてくる。 何の話かはわからないけれど。 *** 夕

          思い出しちゃった

          もう歌えない。無理だ。怖い。助けて。 本気でそう思って逃げ出したはずなのに、 もう歌いたくなっている自分に心底腹が立つ。 暗闇の中に居た時には忘れ去っていた様々な 記憶を、この頃思い出している。 *** 私は大学に入った頃、一度挫折している。 そこそこ歌えるほうだと思って入学した。 でもすぐに、現実を思い知らされた。 試験を受ければ優劣の差がはっきりとわかるし、オーディションなど、声もかけてもらえなかった。同じ年に入学した子が一人活躍する姿を見て、早々に心は折れた。

          思い出しちゃった

          先輩に幸あれ

          高校生の時、憧れていた先輩がいた。 背が高くて、色白で、尾崎豊をマイルドにしたようなハンサムボーイ。 面識もないし、言葉を交わしたこともない。 仲良くなろうなんてこれっぽっちも思わない。 遠くから眺めるだけで満足。目の保養?っていうのかな。アイドルの追っかけみたいな。 格好いいけどだいぶ変な人だったから、ファンは全くいなかったような気がする。たぶん私と仲良しのMちゃんくらい。ファンと言っても隠れファンだから、本人の知らないところで 「今日玄関で見たよ!」「え!いいなぁ

          先輩に幸あれ

          全身全霊ぼくでありたい

          最近、ふと思い出した歌。 猫が猫であるように 犬が犬であるように 全身全霊ぼくでありたい なんだっけ?これ。 気になって調べたら、小さい頃にテレビで見たアニメーションの歌だった。 「ジャム・ザ・ハウスネイル」というかたつむりのアニメ。 うわ、懐かし。たまに見てたなー。 そして、あの頃はなんとも思わず聴いてたな。 猫が猫であるように、犬が犬であるように、 全身全霊ぼくでありたい…… たったこれだけなのに、今聴くとじんとくる。 大きくなって、色々なことを考えるよう

          全身全霊ぼくでありたい

          お寿司が好きすぎて困っています。

          お寿司が食べたい。無性に。 なんというか、身体が欲している。 ああ食べたい。食べたいぞ。 お寿司よ、今すぐ君に会いたい!! というわけで、出前とりました。 早く来ないかな。わくわく。

          お寿司が好きすぎて困っています。

          カストラート〜音楽の犠牲者〜

          カストラートとは、美しいボーイソプラノを維持するため去勢された男性歌手のことである。 16世期〜18世期イタリアでは、変声期を迎える前の少年たちに去勢手術を施し、男性ホルモンの分泌を抑制させることで、大人になってもその美声を維持させていた。 当時、教会内では女性が歌うことは許されていなかったため、聖歌隊は少年たちで結成されていた。そんな中、教会音楽の発展に伴い登場したのがカストラートだった。彼らは後にオペラ界にも進出し、その独特の官能的な美声で人々を魅了した。いわば当時の

          カストラート〜音楽の犠牲者〜

          泣きたくなるほど美しい音楽②

          声楽曲にも、美しい作品はたくさんある。 G.Faure 作曲 Requiemより "Pie Jesu" フランスの作曲家フォーレによって書かれた宗教音楽。彼のレクイエムは本当に傑作なので是非全曲通して聞いて頂きたいが、中でも第4曲の"ピエ イエス"という曲が私は大好き。 この曲は、ソプラノソロ。 (もしくはボーイソプラノ ) ただただ美しい、祈りの曲。 音楽は静かに始まり、ドラマティックな展開を経てまた静かに終わる。管弦楽器やオルガン、ハープの響きが静かながらも重厚

          泣きたくなるほど美しい音楽②

          泣きたくなるほど美しい音楽

          在学中にピアノ科の学生が弾いているのを聴いて以来、とても好きな曲。 S.Rachmaninoff 作曲 Preludes op.32 no.5 ト長調 ロシアの作曲家、ラフマニノフによって書かれたピアノ曲。静かで穏やかな、とても美しい旋律をもつ。 人によって様々な解釈があると思うけれど、私はこの曲を聴くと、穏やかな水面を思い浮かべる。左手の分散和音は水面の波打つ様子。右手の細かい動きはキラキラと水面に映る光のよう。あたたかくもどこか切なく、心が洗われる。 ピアノの曲は

          泣きたくなるほど美しい音楽

          「うまく」生きるのはもうやめる

          友達からもらった言葉がある。 ありのままの定義とは、他人になろうとしないこと、他人の目の中に映る自分を生きないこと、現行の自分を過不足なく語れる言葉を持つということ。                    ずっと、周りからどう思われているのか、そればっかり考えていた。 嫌われたくない。期待に応えたい。私が頑張れば喜んでくれる。褒められたい。 本物の音楽家は、 純粋に音楽に惹かれ、芸術を追究し続けることに心から喜びを覚える。決して揺らぐことのない「自分の音楽」を持ってい

          「うまく」生きるのはもうやめる