個展のために向き合った感情の話
こんにちは。イラストレーター・アーティストの前田豆コです:)
早速ですが、個展に向けて私が考えていたこと。
今までの個展では、私が描きたいと思ったものからテーマを詰めていくことが多かったのですが、今回は自分の感情と向き合うことが作品のテーマに繋がりました。
私の中でも意外な経験で、発見もたくさんあったので、そのことについてお話したいと思います。
▼前田豆コ 個展「My Imaginary Shapes」
3月に控えた個展は、今までで最大の規模ということもあり、お話をいただいた時には飛び上がるような嬉しさと同時に「プレッシャー」や「不安」がありました。
不安を理由に個展をやらない選択肢は無かったのですが、この感情とどうやったら仲良くなれるかが私の最初の課題でした。
(不安を抱きながら絵を描いていると、見ている人にもなんとなくそれが伝わってしまうだろうな〜と思っています。)
初めはどうにか不安の原因を解決しようとしていましたが「気にしない」意外に方法が無いように思え、それではどうも腑に落ちませんでした。。
(もちろん、気にしないことも大事ではあるのですが!)
そんな中、ふと自分を俯瞰で見たときに
「これって私だけが感じていることじゃないな」
と気がついたんです。
何か大きなことにチャレンジする時、多くの人が少なからず不安を感じていると思います。それを私も感じたということは、作品を見てくださる方と共感できるかもしれないということ。そう思うと嬉しく感じました。
それから、不安を無理やり解消しようとするのではなく、そこにあることを受け入れ、私や鑑賞者の気持ちをほぐせるような作品を個展で発表したいと思うようになりました。
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そして考えたのは、漠然とした不安な気持ちをほぐしたいときに私はどうしていたか。目を瞑り、記憶の片隅から浮かんできたのは、大きなクッションに身体が沈んでいくイメージでした。
私は眠れない時など、布団を大きな柔らかいかたまりに見立てて、そこに深く深く沈んでいくイメージをします。
どんどん沈んでいくと、自分の身体のずっしりとした重みや輪郭を感じ、私自身の存在を実感できるのです。そうすると「私、今ここにいるな〜」と安心でき、よく眠る事ができます。
他にも「ピリピリとしたエネルギーが背中から身体の表面を伝っていく様子」などを想像することがあります。私にとって気持ちをほぐすには、身体と触れ合う「イメージ」が重要なことに気がつきました。
それから、今まで私の頭の中だけにあったこのようなイメージを「Imaginary Shapes」と名付け、絵にすることに興味を持ちました。
Imaginary Shapesはリラックスする時だけではなく、幼少期から習っていたダンスの中にも度々登場しました。踊る時に、身体の隅々まで意識を届けるために、指先に繊細な蝶が止まっているのをイメージしたり。
また、踊りを通して身体とImaginary Shapesが触れ合うことで、イメージがどんどん鮮明になっていくのも感じていました。
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今回の個展に向けたプロセスでは「不安」というネガティブな感情を起点に、「共感」に気が付き、自分の身体の記憶を探索することとなりました。
それは私にとって、とても愛おしい時間でした。
この後さらに、「身体の体験を通した気づき」と「仏教」との結びつきを発見したり、探索はどんどん深まっていったのですが…この先のお話は3/4(土)に開催するギャラリーツアーでゆっくりとお話したいと思います。
興味を持っていただいたら、聞きにきていただけると嬉しいです。
みなさんにお会いできるのを楽しみにしています:)
前田豆コ
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