見出し画像

私たちが知らない日本における障がい福祉

どうも、5dump運営です。
今回は、いつもと違ったテーマでお話をしていきたいと思います。


まず、始めに質問です。皆さん、日本に障がい者は何名いるか知っていますか?

こう聞かれて、私も分からなかったのですが、
実は人口の約7.4%、13人に1人は何らかの障がいをもっていると言われています。学校のクラス40名のうち、3名はいるという計算になりますね。

障がい者については、厚生労働省が下記の通り定義しています。


障がい福祉は、まだまだ私たちの身近に浸透していないですが、
その中で、『ヤングケアラー』や『8050問題』『障がい者就労賃金』『居住環境』という課題も出てきているそうです。
1つずつ見ていきましょう。


1.ヤングケアラーについて

実は、中学生の17名に1人、高校生の24名に1人はヤングケアラーであると言われています。

ヤングケアラーは厚生労働省が下記の通り定義しています。


令和2年12月〜令和3年1月にかけて、公立の中学校1,000校と全日制の高校350校を抽出して13,000名から回答を得たところ、

「世話をしている家族がいる」という生徒の割合は、中学生が5.7%、高校生が4.1%とのことでした(厚生労働省・文部科学省)

実際に、「ケアしているのは誰?」という内訳に関してみてみると、
「きょうだい:61.8%(中学生回答)」「きょうだい:44.3%(高校生回答)」
とのことでした(東京新聞)

実は、発達障害の認定が進んできたことによって、「障がい児」と認定される子供は年々増えてきています。

少子化の中、障害児は増えてきています。
それと同時にそのケアをしているのが「子ども」なのです。


2.8050問題について

『8050問題』とは、「ひきこもり」という言葉が生まれた時代からその対象者も時間が経ち、
親世代が80代、ひきこもり世代が50代となり、それでも親世代が面倒を見なければいけないという社会的課題のことを言います。

障がい者のご両親がお亡くなりになった後は、誰がその方の面倒を見るのでしょうか?


3.障がい者就労賃金について

障がい者の雇用はいくつかの種類があります。

1つは、「一般就労」
2つ目に、「就労継続支援A型事業所」(雇用契約あり)
3つ目に、「就労継続支援B型事業所」(雇用契約なし)
それぞれ、仕事を提供する障がい福祉サービスが用意されています。

2021年には、法定雇用率が改善され2.3%〜2.6%になりました。

これらの仕事内容としては、手作業が必要とされる工程を実施しています。

こうした作業に、それぞれどれくらいの対価をもらっているのでしょうか?

実は、厚労省の調査結果を見てみると、

「就労継続支援A型事業所」「就労継続支援B型事業所」
それぞれの平均の時間給は、たったの、214円、846円となっています。
“平均”なので、数十円/時間というケースもあり得るでしょう。

自分が働いた対価として考えてみると、どうでしょうか?


4.居住環境について

障がい者の方が安心して暮らせる場所として、「グループホーム」というのがあります。

グループホームの設置条件について見てみます。

■グループホームの設置基準
▷設置場所:住宅地または住宅地と同程度に利用者の家族や地域住民との交流の機会が確保される地域にあること
     入所施設または病院の敷地外にあること
▷最低人員:事業所全体で4人以上
     共同生活住居1ヵ所あたりの定員は2人以上10人以下
     (既存の建物を利用する場合には2人以上20人以下)
▷居室:1居室の定員は、1人とすることただし、利用者のサービス提供上必要と認められる場合は2人とすることができる
   居室の面積は、収納設備を除く、7.43m^2(4.5畳)以上
▷交流を図る設備:居室に近接して設けられる相互に交流を図ることができる設備
▷台所、便所、洗面設備、浴室:10名を上限とする生活単位ごとに区分して配置

実態としては、1部屋4.5畳の住まいがほとんどだそうです。
私は学生時代、4.5畳の部屋に住んでたことがありますが、実際とても住めたものではありません。。。
(実際、ベッドと机を置いただけで部屋が埋まってしまいます)

私は、学生の身分で用事を無理やりいれて毎日外出して、部屋を寝るためだけに使っていたのですが、外出が好きなようにできないとなるとどうでしょうか?

あの狭い部屋にずっといると思うと気が滅入ってしまいます。
特にコロナ禍の外出もままならない中では更に気が滅入ると思います。
実体験をしている身としてはとても厳しいと思います。


5.私たちがもつ「誰一人取り残さない(leave no one behind)」精神

これまで『ヤングケアラー』や『8050問題』『障がい者就労賃金』『居住環境』の課題を見てきましたが、
いかがでしょうか?

実は、TVでも最近取り上げられている
今世界中で叫ばれているSDGs(Sustainable Development Goals)にも
障がい福祉の精神が表れています。

障がい福祉の精神は、SDGsが定める17のゴールの内のなんと5つも方向性が合致しているのです。

【3】「すべての人に健康と福祉を」
【8】「働きがいも経済成長も」
【10】「人や国の不平等を無くそう」
【11】「住み続けられるまちづくりを」
【16】「平和と公正をすべての人に」

これからの「誰一人取り残さずに豊かな多様な社会をつくっていく」上で私たち1人1人が考えるべき問題かと思います。
どんな課題にも解決策は必ずあるはずです。


6.個人的な考え方

私は、「自助・互助・共助・公助」という考え方が好きです。

私自身が考える「自助・互助・共助・公助」の定義は、

「自分でできることは自分でなんとかする。お互いのためになることであれば協力する。TakeよりGiveの精神で相手に与える。社会全体で必要な人には手を差し伸べる」

こう思い始めたのも、これまで、私は世界各国の現地で光と闇の部分のいろんなことを見る機会に恵まれました。そこで感じたのは、結局、社会をつくるのは、そこに住んでいる1人ひとりの「人」であり、「考え」「価値観」だと思います。

少なくとも、自分たちが住んでいる空間を、「しっかりとした状態で後世に残す」というのは、時間軸や範囲は異なれど気づいていないだけで、誰しもが思っているのではないでしょうか?私たち1人1人の思考・行動のベクトルがそのまま未来に向かっていくのだと思います。

そう感じたきっかけの1つとして、それぞれ、国籍も人種も多様なバックグラウンドですが、「後世に誇れる社会を残そう」と”意志”をもって活動する方々に多く出会いました。そして、そうした人が集まって現状をちょっとずつ変えていくところも見ることができました。

もちろんそういう方々ばかりではないです。
自分の悩みの解決の方が優先です。ただ、世界に目を向けてみると、海外の友人の多くの悩みは、私みたいな日本人が抱えている悩みよりも、よりディープで根源的なものだったなということを書きながら思い出しました。

視野は狭いより広い方が良いです。「そんなちっぽけなことで悩んでいるなら、もっと世界を見て、今すぐ行動したら?」と昔の自分に言われそうです。何事も一歩ずつ行動ですね。

それでは。


(参考)
ほたる福祉通信

vol.001(21/04/05発行)
vol.002(2021/04/25発行)
vol.003(21/05/10発行)
vol.004(21/06/15発行)

http://braindump.jp/にブレインダンプの記事をまとめております。 ユーザーの皆様の目標達成に役に立つアプリであることを目指して誠心誠意取り組ませていただきます!!