見出し画像

詩「夏の幻」

夏の夕方は
急激な雷雨にご注意ください
恐ろしくって外で煙草が吸えないや
煙が部屋に入りこんでしまった

一体どこまでが僕なんだろう
全てが僕の延長線ならば
輪郭が線引きしてくれないこの部屋で
ぐずぐずしている僕は救えないね

閉じ込められたんだ
もう一生この部屋から抜け出せない
早く死んだところで
きっと貰い手もいないことだし


いっそ飛び出して
夏祭りで神隠しにあってしまおう
2,3日戻ってこなくたって誰もわかりやしないさ
お盆の百鬼夜行に巻き込まれたのさ
下駄は片方置いていこう

ソーダ水の中のガラス玉
いつまでたったって
とりだせなくって困るな
割れてしまったってかまわない

君の瞳がキラキラ輝いて見えた

夏の幻
永遠に閉じ込めて

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?