⑨『ジソウのお仕事』
こんばんは!
早いもので、小説の文献シリーズは9冊目に突入しました!!!
明日には10冊目行く予定です!!(ワーイ)
実はですね、この文献けっこう分厚いんですわ!!
小説でこの分厚さだったら、読むのに1週間はかかりそうってくらい(読むの遅いので)
けど、ショートストーリー集ですのでね、一から十まで読む必要はないですし、興味ないところはすっとばします!
ものによりますが、ルポは小説より読むの時間かかんないものもあります。まさに今回はそれですね。
簡潔な文なので、言葉の裏を読んだり、情景を想像したりする必要がないんです。
今回の文献はこちら。
新しい文献だったので、この本だけはどの図書館にも置いておらず、中身を確認せずレビューのみで買ったものです。
著者に関して補足すると、お二方とも仕事として児童福祉にかかわってこられた方のようです。
青山さんは、現役の「児童相談所児童福祉司」(前作でいうワーカー)
川松さんは、今は大学教授兼、社会福祉士。児童養護施設、児童自立支援施設、児童相談所児童福祉司などさまざまな経験をされてきた方のようです。
これまでも部分的にすっ飛ばしてまとめてきましたが、今回はエピソードを10分の1まで絞ります!!
気になるところは付箋つけつつ、メモつけつつ。
50あるショートストーリーのなかから、選りすぐり5つをこちらにまとめようかなと。
とある隔月雑誌で10年にわたり連載されていた記事を一冊にまとめたものだそうで、ひとつひとつのエピソードはとても短いです。
文面は新聞などよりむしろ、ブログの感覚に近い感じですかね。
では、まとめに入っていきましょう!
※まずは読みながらメモを取ります。ほんとにただのメモです。
結構なパワーワードが転がってるので、お暇な方は眺めていってください。
<メモ>
p15 朝、出勤すると、電話がいっせいになりだして、6本ある回線が全部赤ランプに変わる。
p16 施設や学校の先生との面接だけでなく、入学式、卒業式、授業参観や運動会にも出かける
P16「ムガイ」は「無断外出」の略。子どもたちは「トンヅラ」という。
p30 性的虐待の加害者は実父が最も多く、次いで母の再婚相手や内縁の夫。
p43 「情報提供」というんのは一番危険レベルが低くて、そういう案件は、ファイルボックスにひょいと挟んでおくくらいの処置になっている。
p65「子どもの生命・健康にとって危険なレベル」の判断基準について、ベテランの児童福祉司は「ごみが膝まで、ゴキブリ10匹以上目視が基準」と言い切る。
p69「高校をやめて働きたい」というから、自立援助ホームに入所させた。母親とも暮らせない、学校にも適応できない、高校をやめたら児童養護施設にも入れない――そんなKの行き場は自立援助ホーム(※)しかなかった。(※)家庭にいられなくなり、働かなくてはならない15歳からだいたい20歳くらいまでの青少年に暮らしを提供し、就労を支援する施設。
p82「そうですね。気持ちが楽になりました。頑張ってみますね」と電話を切ったのだという。それから3日後、母は子どもの足を持って振り回し、壁に頭をぶつけた5歳の男の子は、救急車で搬送され、亡くなった。
p92 地区にあるいくつかの児童養護施設が合同で、毎年成人式を開いている。施設で暮らせるのは、18歳、高校卒業まで。
p96 ネグレクトされている子どもには、虫歯と虫刺されのあとがあることが多い。
P98 児相には鍵のついた部屋はない、逃亡の恐れがあっても、子どもを閉じ込めてはいけないことになっている。(だからそれまで見張っていなくてはならない)
p140 現場の感覚とかけ離れた「高い専門知識や技術を有する国家資格」がますます私たちを長いトンネルの中に閉じ込めてしまうような気がした。
p156 解決の方法がなかなか見いだせないのが「不登校」だ。4年も5年も相談が続き、担当が異動しても、次々に引き継がれているケースが多い。
p168「親子再統合」は、離れた親子が再び一緒に暮らせるようになること。児相は、子どもを保護する一方で、親子関係の修復も進めている。
p178 「お母さんは児相に不満をぶちまけに来ているんでしょ。それをずっとあなたたちが聞いてあげればいいじゃない。保護とか、措置とか、法的対応とか、今の児相はそんな権限ばかり発動しすぎてるんじゃないの? 相談者に振り回されてもいいのよ。相談機関として、それが本来の姿なんだから」
p180 どこの児相にも、何年もかかわっていて、名前を聞けば職員皆が知っているという子がいるものだ。Aちゃんの場合もそうで~(略)Aちゃんのファイルは分厚く、3冊になって棚に収まっている。
p222 子どもの虐待死が報道されるたび、「児相は何をやっていたのか」と指弾される。けれど、保護された子どもが、その後、どんなふうに生活しているのか想像したことのある人はどのくらいいるのだろう。児相で働いていて一番つらいのは、どこにも受け入れてくれる場所のない子どもの行き場探しだ。
p229 保護者への指導は、児相にとって子どもを保護する以上に困難なことのように思う。指導を拒否しても、ペナルティーを課せられることはないからだ。
p231「タイムアウト」というのは、子どもがパニックなどで自傷や他害の危険度が高い場合、子どもの心身を傷つけず、周囲の子どもの安全を守るために、感覚遮断(刺激しないこと)によって鎮静化させる訓練技法である。身体拘束はしないが、懲罰的であり、子どもの人権を阻害すると批判の声もある。
p214~【㊺家族のきずな】より作文の内容を抜粋。
はい。メモは以上です。
昨日、7時間くらいかけて一気読みし、まとめました…!
自分でもよく頑張ったなあと(*´ω`*)(しみじみ)
読みながらつけていた付箋は、緑、青、黄色の3つ。
緑は、50の物語の中から、ぜひnoteにまとめたいな、と思ったものに。
青は、間に挟まっている川松さんのコラムをあとでじっくり読み返すための栞代わりに。
黄色は、実際にこの描写は本編書く際に参考にしたいかもな、と思うものにつけました。
まさにこのルポは、等身大といった語り口で、イライラしていたとか、うんざりしたといった感想も率直に書き綴られていました。
ただ、耳慣れない専門用語や略称もさらっと書かれていたり、そもそもどんな仕事現場なのかのバックグラウンドは詳細には語られず、エピソードだけ切り取られたりしているので、事前知識なしに読むには、ちょっと厳しいかもなという印象です(エピソードの最後に※で注釈があったりするけど、まあ読みにくいかなと)。
私はふたつ文献を読み終えたあとで、ある程度知識がある状態だったので、むしろディティールを補完できてよかったなと言う感じです。
前書きを書いた時は、前半の文章をさらっと読んだだけだったので、「まるでブログのよう」と記しましたが、やはり10年も連載されていたとなると、前半の文章と後半の文章では随分印象が変わりますね。
後半の文章は、しっかりと「ルポルタージュ」でした。
イメージとしては、「ブログ」→「エッセイ」→「小説」→「ルポルタージュ」と言う風に、文体の「ぽさ」も変遷していっていた気がします。
私も一緒になって青山さんの10年分の苦労を垣間見れたような気がして、最後の50話目のお話を読み終えたときは、なんだか鼻の奥がツーンとしてしまいました。
まだ「ブログ」っぽい語り口だったときは、「××は~~の略語らしい」や、「まだ~~に慣れない」といった、まだ初々しい感想が散見されましたし、「イライラする」というような感情的な文章も多かった気がします。
ですが後半になると、後輩の職員への指導の話とか、保護施設を卒業していった子たちとの再会の話とかも出てきて、とても感慨深かった……!!
今回は時間がなく一気読みと言う形にはなりましたが、本当はじっくり一話一話かみしめて読みたかったなあと。
本書は、大切に手元に置いておきたいルポルタージュのひとつとなりました。
とまあ、私の感想を長々書いている間に、字数がかさんできましたので、一旦記事を分けようかなと思います。
次回は、本書の50話のエピソードのなかから厳選して数話をまとめて載せたいなと思っています。
前書きでは、5話を選出すると言った気がしますが、読み終えてみると……やはり5話じゃ足りない!!!
さすがに10話以内には収めるつもりですが、時間の許す限り、心に残ったエピソードをまとめていけたらなと。
よろしければ、また次回も立ち寄っていってください(*^^*)
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