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いつだってEPUBとKindle電子書籍出版は“二人三脚”

「すごく面白い」
「心が洗われるよう」
「漫画や映画でも見てみたい」

1冊目の電子書籍を出版した後のレビューです。レビューはわたしにとって、本を書いてよかったと思わせてくれる宝物。

ライティングカレッジで本の作り方を学び、わたしが何年もずっと温めてきた「感謝の思い」を世に出したのは去年のこと。読書が大好きで中学生の掃除中、倉庫に隠れて読んでいたことも。マレーシア帰国、という時間制限のプレッシャーの中、死ぬ気で仕上げスクールの中で1番早く本を出版したのはよい思い出です。

死は身近にある

今から約3年半前。世界がコロナ一色になりました。マレーシアに住んで5年目、帰国ラッシュが落ち着いてから、わたしたちも日本に帰国することに。自主的に田舎で1か月の隔離生活。その後、仮住まいのマンションを探しました。

家でこもる生活の中、すぐ下に住む若者が突然コロナで亡くなります。彼はまだ30代。怖くて身も心も縮こまったのを覚えています。死はすぐ身近にあると、嫌でも気づかせられたのはこの時でした。

マンションでは公にされなかったので、夜中にすべての手すりと玄関のドアを1人で消毒して回りました。
「住人の命を守らないといけない……」
まじめな性格に加え、真実を知ってしまったわたしには責任があると思ったのです。

定期健診

そんな中、しばらく行っていなかった定期健診に行くことに。
検査中、何かおかしいことには気づいていました。組織を採って別の日に行くことに。

その日診察室に呼ばれると、次回夫と来るように言われました。レントゲンから目を離さないお医者さん。夫の時間を奪いたくないため
「大丈夫ですので、はっきり言ってください」
と自然に口から言葉が出ました。

結果を聞いても看護士さんの表情から悟っていたので、驚きませんでした。わたしの家系は多いのです。世にいう「目の前が真っ暗になる」こともなく冷静でした。

(癌でもわたしは大丈夫)

自転車小屋。いつもよりゆっくりと、スローモーションのように手袋をはめる。陽が傾く冬の空は澄んでいて青空。ふだん見ない空を長い間見上げ、なぜか幸せに感じた。

このあとの行き先は決まっています。仕事帰りの夫と、夕食の買い物をするため待ち合わせしているのです。夫は食品コーナーで買い物をするのが大好き。1人暮らしをしていたので、料理もするほうです。

自転車置き場が見えたので、自転車から降りゆっくりとひいて歩きました。すると不思議な現象が起こりました。体が勝手に斜め方向に進み、まっすぐ歩けないのです。自転車も斜めになり倒れそうになります。
(え? なんだろうこれ?)
体勢を立て直し、再度まっすぐ歩こうとしますが、やっぱり体が斜めになってしまう……。その時、ようやく悟りました。
(わたし、ショックを受けているんだ……)
いつもとなにも変わらない顔をしているけど、心と体は繋がっていて、無意識にも連動していたのです。

夫に店ではなにも言わず、帰宅してから報告しました。
先が見えない不安から、こらえきれず噴き出すように泣くわたし。夫はわたしの手を強く握り、驚いたことにボロボロと一緒に泣きました。今でも思い出すと泣けてきます。
この日、改めて夫はわたしを支え生きていくことを誓ってくれたのです。

仕事探し

2か月の放射線治療も終わり、また帰国するかどうか話し合いました。とはいえ先立つものはお金です。コロナの感染は避けつつ、体のなまりを解消したいので近くのお店で短時間働くことにしました。

働ける喜びを味わえたのも束の間。閉ざされた空間で人の悪口を聞かされる職場だったのです。1年もしないうちに辞めることにしました。
夫も同時期に退職し、プログラミングの学校に3か月間入学。帰国するまでの間、企業にも就職をしました。

少しのお金を持って、もう帰れないと思っていたマレーシアに到着。本当にうれしくて
(わたし、ちゃんと生きてる!)
と、すがすがしく思ったものです。

きっかけは突然に

1冊目の出版時に、思い切って「イラストレーター」としてココナラデビューしました。
当時はX(Twitter)に毎日イラストを投稿。そんな時、アイコンや電子書籍のイラストを描くことになりました。自分に自信はなくても、子どもの頃から好きだったのは「描く」こと。夫にも相談し、人生で初めて「自分軸」でできる仕事を、背中を押される勢いに乗って始めたのでした。
でもイラストは好みが分かれるもの。今ではAIでも描ける時代です。

今年6月、XにDMが来ました。ふだん交流していない方でした。
「表紙のイラストを描いてもらえませんか」
「イラストが好みに合っています」
「直取引で」

2日後には
「表紙とA+は作れますか」
その流れで

「EPUB化とかできちゃったりしますか? よかったらわたしを実験台にしてやってみませんか?」

わたし自身の本は、EPUB化し始めていましたが
(人様のまではムリだ……)
と思い最初はお断りしました。でも、前向きな彼の受け答えに心を動かされ、1日だけ考えさせていただくことに。
(プログラミングを学んだ夫の助けを借りればできるかも……)

こうして予想もしなかった『きっかけ』をもらい、表紙イラスト・章扉に加え、表紙作成・EPUB・A+もすべてまるっと請け負うことになったのです。

イラストや表紙をデザインしている時間は幸せで、仕事している間は夫が料理を作ってくれました。わたしの本も執筆出版しつつ、無事に納品。彼はびっくりするほどの部門数で1位獲得。とにかくホッとしました。

ココナラ出品

おかげで新しい商品として、ココナラに出品することにしました。でもココナラには、EPUBといえばこの方1択!で有名な不動の『EPUB キング』がすでにいらっしゃいます。安くて正確で速いのです。
その方と同じ「プロの仕様」とはいえ、駆け出しのわたしにとってスピードやレビュー数の壁は大き過ぎます。同じ土俵では戦えません。ならば同じ価格でサービスを盛り込むことに。お得な出品セールも5か月しました。

実験台になってくれた方がすすんで宣伝してくれたおかげで、最初のお客さんがまだ整備中のココナラに来てくれました。とてもうれしかったです。そして彼も言葉遣いがとても丁寧でやさしい。うれしい気持ちをすぐに伝えてくださり、やる気がでました。

わたしが初出版の準備をしていた時は「EPUB」の意味もわからないまま。とにかく必死で、アドバイスだけが頼りでした。1番で出版したからこそ失敗したこともあります。
同じように初めての執筆や出版、EPUB化でいらっしゃる方は不安でいっぱい。慣れていないため、自分の勘違いや間違いにも気づかれないほどです。そんな初めての方にアドバイスもしながら、丁寧に仕事をしました。

不思議とEPUB化をすると「本を形にした全体像」がはっきり見えてきます。そのため客観的に見れることも。
(ちょっとおせっかいかな)
と思えることでも最終的には確認します。
なぜならこれから出版する本は、その方にとって「名刺」のようなもの。その方の名前や評判、信頼に傷がつく可能性があるなら、前もってお伝えしたほうがずっといいと思うからです。

最初のお客さんから
「ご提案やアドバイスも的確で、EPUB化するならまめさん一択」
とのレビューを見た時、じんわり心が温まるのを感じました。

EPUBは「本を世に出す最後の砦」だと思っています。
ここでも二人三脚なのです。

怪我の功名

思考が深く、考える時間が長い繊細さんのわたし。内向型で決して行動派ではない。でも、夫と手をとり「商品」という形にできました。公に宣伝はしていませんが、一度関わった方たちの口伝えで広まり、XにDMがぽちぽちくるようになりました。

表紙やA+などを加えた「カスタマイズ自由なセット」に加え、今後はまだ未知のペーパーバックに挑戦し、EPUBとセットで出品できたらいいなと思案中です。

実は怪我の功名で、うれしいことに記念日が2つ増えました。11月2日は手を取り合った配合(ペイハー)記念日。配合とは中国語で「力を合わせる」という意味があります。そして、今週12月10日は3年目の手術記念日。
はたして夫は覚えてくれているでしょうか。

〜追記〜

【表紙とイラスト、A+】のポートフォリオはこちら。


念願のペーパーバックも始めました。
見た目も中身も「美しい本」をお届けします!

出版前後のお直しはこちら。
気になるモヤモヤを、サッと修正してすっきり過ごしませんか?


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