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読書「ISSUE DRIVEN①」~生産性の高い仕事ってなに?~

新人の頃は上司から振られた仕事に対して成果を出すことに努めてきました。最近、この仕事ってホントにやるべきこと?と自問することが増えてきました。そんななか、ネットニュースで紹介されていたのが安宅和人さんの本書となります。安宅さんはシン・ニホンを書かれた方であり、最近ではコロナ関連の討論会などでも発言されており注目されております。

・生産性の高い仕事ってなに?

生産性とは「生産性=アウトプット/インプット=成果/投入した労力・時間」で表され、生産性を高めるためには多くのアウトプットを生み出すこと、または労力・時間を削る必要があります。
多くのアウトプットはバリューのある仕事であり、それは2つの軸から成り立ちます。一つ目はイシュー度であり、これは「2つ以上の集団の間で決着がついていない問題」かつ「根本にかかわる、もしくは白黒はっきりしていない問題」の両方を満たすものが当たります。二つ目は解の質であり、そのイシューに対してどこまで明確な答えを出せているかの度合いとなります。バリューのある仕事とはこの2つの軸が両方とも高い必要があり、このマトリクスを頭に入れる必要があります。
バリューのある仕事をおこなうステップとしてはイシュー度の高い問題を絞り込む必要があります。この絞り込みを行うことで無駄な時間を浮かせることができます。根性論では生産性を高める仕事はできません。意味のない仕事は断ち切り、イシュー度の高い仕事にフォーカスすることが大切となります。

・課題解決よりも課題判断が大事

イシューの見極めのためには何に答えを出す必要があるのか、そのためには何を明らかにする必要があるのかという流れで分析する必要があります。解くことよりもイシューを見極めることが生産性を高める上で肝心です。
著者はまずイシューを見極めるためには知識や経験をもつ知恵袋的な人に効くことが大切と書かれています。まずは自分よがりにならず、周りに聞いてみるのを勧めています。

・イシューの見極めで重要な具体性をもった仮説

イシューの見極めを行う上では強引でも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心です。○○なのではないか?といったような答えを出すべきイシューを仮説を含めて明確にすることが生産性を高める上でカギとなります。そしてそのようなイシューは言葉で表すことが重要です。また、言葉で表現するときも、主語・動詞を入れること、whyではなくwhatやhowといった疑問詞を使うこと、「AではなくてB」というような比較表現を加えると具体化するため良いです。

・よいイシューの条件とは?

よいイシューとは自分やチームを奮い立たせることのできるものであり、検証されたあとには受け手を唸らせるものです。よいイシューとは、「答えが出るとそこから先の検討方向性に大きく影響を与えるもの」であり、「深い仮説」があり、「きちんと答えがでるもの」であります。

・イシューを特定するための情報収集のコツ

イシューを特定するための情報収集方法として一次情報に触れるというものがあります。これは現場で何が起きているのかを肌で感じ、理解することが大切となります。いかに優れた情報であっても二次情報ではなんらかのフィルターがかかっており、現実に向き合うことが出来ません。明確な仮説を立てるためには本当のことを知ることが必要であり、そのためには現場に出ることが必要です。
情報収集の方法として二つ目は世の中の常識や基本的知識をダブりや漏れなく調べることです。思い込みで決め打ちせず、取り組む課題領域における基本的な知識をざっと抑えておく必要があります。

~終わりに~

仕事が忙しくなると目の前の仕事をこなすことしか考えられなくなり、その仕事がどれくらい重要なのかを考えることが少なくなってしまうと私の経験から感じます。若いうちは(会社にとって最短でメリットが生まれるという点で)それでもいいのかもしれませんが、部下がいるような立場になると課題を見極めること(課題のクオリティを高めること)が大切になるんだなと思いました。私の職場にも問題解決(言われたことに対して実直にやること)の速さにしか目を向けていないような人も見受けられます。本書を読んでいく中で課題をマネジメントしていく力をつけていけたらいいなと思います。そして身に着けた力を周りに伝えていけたらなと思います。

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