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小児科医と小児神経科医と児童精神科医の違い②〜児童精神科〜

さてさて、前回は小児科医と小児神経科医と小児発達の専門医がどうちがうのかを書きました


今回はその続き。また私見が入りますので、ご了承ください。あくまでも、発達相談をしてみたいママたち向けに参考までに書いてますので、細かい規則の説明などなど省いてます!


児童精神科医と小児の発達を専門とする医師の違い

それは、ずばり、もとが精神科医かどうかの違いです。
ま、児童精神科医の先生たちの中には、もう子どもしかみてないからどちらかと言うと精神科医ではないかなーとおっしゃる方もいました。
気持ちはわかるかも。
小児科医になって10年すぎるともうほぼ大人の診察をすることがないので、自分の職業を「医師です(成人を診ます)」とは言わず「小児科医(成人は診ません)」と言います、私はね。



児童精神科医の認定医(専門医はいない!?下記)になるためには、小児科専門医からとまたちょっと違う道のりが。

児童精神科医への道のり


まずは大人の精神科で最低2年の経験を積み、子どもの精神科領域(摂食障害や不登校などの入院症例も含む)でも3年以上の経験、合わせて臨床経験5年が必要。その上でレポート提出などで申請します。

もちろん、医学部を卒業して最初の2年間の初期研修を終え、精神科医に入局しさらに3年研修をつんで精神科専門医をとる道はありますが、どうやらこの専門医がなくても児童精神科認定医にはなれるみたいです。(他科ゆえちょっと、わからん)

とはいえ認定医資格がまだなくても、子どもに関わるようになれば、私は児童精神科医ですと名乗れます(小児科医と同じですね、嘘じゃないし)。子どものことが大好きでお母さんたちに色々アドバイスして子育て応援したい気持ちのある先生であることも小児科医と一緒です。

長らく小児科医をやっていた医師が、精神科を経て児童精神科医に『転科』することもあります。

小児科医から見た児童精神科医の強み

完全に私見ですか、同じように発達相談を受ける小児科医と児童精神科医の両者には得意不得意があります。
① 児童精神科医の得意なこと;成人精神科経験があるからこそ、子供に対しての内服治療やカウンセリング手法、診断基準(DMS-5など)に則り目の前の患者さんの状態を分析分類してきちんと診断をつけること。特に思春期前後から複雑化する、精神的なアンバランスさなどによる症状(拒食、不登校、反抗性、リストカット、躁うつ病、統合失調症などなど)が絡んでくると、仮に主治医が小児科医だと内服の細かい調整などはあまり慣れておらず対応しきれないことも。その場合は児童精神科や精神科の先生にお願いできると心強いです。

②児童精神科の先生たちの(たぶん)あまり得意ではないこと;小児科医としての研修を積んでいるわけじゃないので、乳児期から幼児期早期の育児・発達相談は必ずしも専門とは言えなさそう。離乳食を食べない、子どもの病気やアレルギー、予防接種、夜尿症などなど乳幼児期から出てくる悩みとそれに伴う発達の悩みに関しては、まぁ小児科医の方が本職ですよね。でも、まだまだ発達相談や育児相談を当たり前のようにやってる小児科医は多くないかもしれない、やっぱ難しく感じるからかな。

どんな子が児童精神科に行ってみるべき?

これは色々あるし、患者さんと医師との相性もあるよね。自閉症の重度の例など手厚い介入が必要なお子さんは、てんかんなどの内服が必要なこともあるし児童精神科→療育の流れが安心かもしれないな、と個人的には思います。
けれど、日々お子さんとの接し方を工夫したり、特性を強みに伸ばす育児を実践するには、早期介入が効果的って分かっている以上、どの科でもいいから可能ならは乳児期から専門家が介入・アドバイスするのが理想的だなって思います。 となると、やっぱりかかりつけの小児科医が頑張っておくれー!!って思います。

結局どこを受診するべき???

で、結局誰に相談したらいいの?です。
長々と書きましたが、○○外来には必ず○○専門医が最低一人はいます。あとは取得を目標にする熱心なそのジャンルのドクター。
つまり、認定医や専門医資格がなくても発達や育児相談を熱心に取り組んでる先生も確かにいます。
開業医むけの『「子どもの心」相談医』という資格もある。まず子どものことで何となく気になることがあったらかかりつけの小児科専門医に相談⇒解決しなかったらその先生が知っていて信頼している小児発達外来、小児神経外来、児童思春期外来などを紹介してもらうといいかな!!ママが自分から専門機関を探してもいいけど難しいんだよねぇ

小児科医の余談話


若手のうちは保護者と話すのが苦手でぶっきらぼうな小児科医もいますが、みんな子供が大好きなんです。成人を診療していてもモチベーションが上がらない人も少なくないんです(だから大人=親と話すのが苦手なことも)。
とはいえ、自分が親になると子を心配する親の気持ちがとーっても理解できるようになるので、
親への説明もとても親切丁寧に。
だから、子どもができると「ついに小児科医として一皮むけたね」と先輩に言われます笑 
まったく余談ですけど、『内科・小児科クリニック』の場合、その担当医は内科の先生のこともあります。
(開業の小児科医は「内科やってます」の標榜はあんまりしない)

いかがでしたか?
私見入ってますけど、少しでも皆さんが、へーとかふーんって思って疑問が解決すると良いなと思ってます。


ママ友ドクター®︎にしむらゆみ
小児科専門医・子どものこころ専門医・小児心身症学会認定医
ママ友ドクターの愛称でも知られる3児の母。重度の障害を持つ姉と育つ中で、周囲からの理解や協力が得られず苦しんだ母を助けたいと医師を志す。
2011年より都内大学病院小児科勤務、発達外来を新設し発達相談を行う。
2020年のコロナ禍で気軽に相談できる場を失ったママたちのために“ママ友ドクター“というオンライン母子支援活動を開始。ママ目線の医師としてYou TubeやSNSでも情報発信を行う。ウェブセミナーやライブ配信の発達相談会を定期的に開催。
自身も発達特性のある子を含めた3人のママとして幼児教育、療育、バイリンガル教育や受験を経験し生のママの声を届けている。
KidDevelopReach代表・会員制ママ会VARY主宰 

ママ友ドクター®︎ホームページ https://mamadoctor.net/
ママ友ドクター®︎リンクツリー https://linktr.ee/mamatomo_doctor


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